第百四十五話『豪華な扉の鍵(左)』

「攻撃は間に合わない!仕方がない!!」

と、珊瑚に向かって飛び、『ビッグゴーストエレメンツ』との間に挟まる僕。


そして、SSSランクの防具「神衣 - カムイ」シリーズ鎧の『神の鎧 - ゴッドメイル』

の防御力によってダメージが『0』と表示される。


「ま、間に合った!」

と、『ビッグゴーストエレメンツ』の攻撃を背中に受け、珊瑚を抱きかかえる形で、地面に倒れ込んだ。


「でた!無敵のやつだ!」

とサラが言う。


「いや、無敵じゃないんだよ、硬直時間もあるし、多用はよくない・・・」

とサラに言いながら、僕は巻き込んで倒してしまった、珊瑚の手をとって彼女を起こす。


「大丈夫だった?」

と、珊瑚に言いいながら微笑む僕。


「う・・・うん・・・」

と顔を赤らめながら言う。


「かっ、かっこええ・・・」

と珊瑚は更にちいさな声で呟いた。僕にはギリギリ聞こえなかった。


「うんうん」

と、水晶さんが微笑んでいる。

珊瑚はなんと言ったんだろうか?

と僕が不思議そうにしていると、水晶さんが動き出した。


「珊瑚ちゃんの死は無駄にしないわよ!行くわよ瑠璃ちゃん!」

「うん、珊瑚の死はムダにしない」

と『ジェムボックス』の二人が言いながら戦闘態勢にうつる。


「いや、私、死んでませんけど・・・」

と珊瑚が言うやいなや、『ジェムボックス』の魔法使いチームの総攻撃が始まった。

いつもの光景だった。


彼女たちの手元が光りだす。魔法の発動だ。


「私も行きます!」

と奈緒子も言う。


「「「ファイヤー」」」


様々な覚悟から、3つの『ファイヤー』が大きな白いお化け『ビッグゴーストエレメンツ』を襲う。


ドカァァァァンと大きく、攻撃が当たる。

しかし、致命傷には至らなかった。

そしてまた姿を消した。


『透明移動 - インビジブルムーブ』だ。


「ぎゃー!!」

とサラが叫ぶ。


サラと珊瑚を狙っているようだ。

効果的な攻撃方法だな、と思ったが、流石に女子を何度も脅かすのは、紳士的な態度とはいえない。


さすがに頭に来ていた僕は、出現前に現れる、影をしっかり目で捉えて、先回りしていた。


「はしゃぎ過ぎだ!『ビッグゴーストエレメンツ』!」

と出てきた瞬間にSSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を大きく構えて、振り下ろす。


ドカアァァァァン


と大きな音がして、『ビツグゴーストエレメンツ』は消滅した。

そして、光り何かが飛んできた。


「珊瑚の仇は取ったよ!」

と、僕はその光を手にとって、笑った。


「だから死んでへんって!」

と珊瑚が笑った。


「お、『豪華な扉』の鍵ゲット!」

と僕が言いながら、光を皆に見せる。最初の部屋で『ゴーストエレメンツ』が持って行ってしまった、中央の部屋の鍵の片方を手に入れたのだった。


「よし、もう一つの部屋にいって、もう一個の鍵も手に入れよう!!」

と、僕が笑った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る