第六十〇話『ドラゴンハンター』

「さって、次は私達の番ね!」

いつもより多く、ストレッチをしていた、サラは準備万端のようだった。サラは笑顔で構えた。


「よし、彼女たちの戦い方に引きずられないようにしよう」僕は二人に呼びかけた。あれだけ凄い戦い方を魅せつけられてしまうと、引きずられて自分達の戦い方ができなくなってしまうことも多い。


彼女たち「ジェムボックス」はまさに集中砲火という表現がぴったりという、攻撃スタイルだった。珊瑚が二刀流で切りつけ、瑠璃が魔法の連続攻撃、水晶が戦闘状況を読み取り、攻撃のサポートをする。


それぞれが極限まで洗練された上に、コンビネーションも完璧だった。あれが元A級。僕らもいずれあそこにたどり着きたい、とはいえ、僕らは目の前の敵に集中しなければいけない。


「ファイヤーブレス」目の前の二体の敵『仔竜 - ミニドラゴン』のうちの一体が、灼熱の炎をその大きな口から放った。その炎が僕らに襲いかかる。


「あつっ」熱いと言って下がる僕。

「あちちち」と言いながらジャンプして避けるサラ。「こっのー!!」サラはそう言いながら、そのまま、スキル『二重跳躍 - ダブルジャンプ』をさせ、『仔竜 - ミニドラゴン』の上空に、飛んだ。


『仔竜 - ミニドラゴン』という言葉になんども騙されてしまうけど、『仔竜 - ミニドラゴン』は全く小さくない、むしろ巨大だ。僕らより一回りも二回りも大きい、搭乗用としてぴったりなくらいだ。あくまで建物ひとつ分くらいある超巨大竜に比べて小さいというだけだ。


なので、『仔竜 - ミニドラゴン』の上空に行くのは普通は難しい。サラは『二重跳躍 - ダブルジャンプ』のスキルで、そこに到達し、かかと落としを放った。


「ググググゥゥゥゥゥ」ドラゴンが吠える。

サラの攻撃が決まり、相手の態勢が崩れる。そのスキを逃がさない奈緒子が追撃に入る。


「ファイヤー」さらにそのドラゴンに攻撃を重ねる、魔法使いの少女、奈緒子。シュタっと着地する、サラ。


「奈緒子ちゃん、ナイス」と、グッと親指を立てて笑顔を奈緒子に返すサラ。「サラちゃんこそ」と、笑顔で返す奈緒子。


さらに、『雷迅 - ライトニング』を発動させ、電撃をまとい、正拳突きで、とどめを刺した。

「グォォォオオオオ」と叫びを上げながら、消滅する『仔竜 - ミニドラゴン』


すると、もう一体の生き残っている方のドラゴンが羽を広げて、臨戦態勢に入る。敵視を集めすぎたのだ。もう一体のドラゴンが、サラに襲いかかる。

「これは・・・ヤバイ?」サラが、そうつぶやいた瞬間。


光の刃が、ドラゴンを貫いた。


「疾風!!」

僕が言い放つと同時に攻撃が完了していた。


「99,999」僕の攻撃にカウントストップのダメージが表示される。『仔竜 - ミニドラゴン』が消滅した。


SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」攻撃力が真価を発揮した。


これが僕達「ドラゴンハンター」の戦い方だ。

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