第五十九話『D級英雄1位チーム ジェムボックスの実力 後編』
「さ、一気に行くで」
珊瑚が、畳み掛けるように飛び出した。
現在、チーム『ジュエルボックス』の瑠璃、珊瑚、水晶の三人が『仔竜 - ミニドラゴン』2体と戦闘している。
珊瑚の『二刀流 - デュアルソード』による連続攻撃と、瑠璃による『魔法連射 - ラピッドファイヤ』、さらには、水晶が珊瑚にかけた『リフレクション』により、『仔竜 - ミニドラゴン』からのダメージを一切受けず、『仔竜 - ミニドラゴン』にかなりのダメージを与えていた。
「これで仕舞や!!」
走りだしていた、珊瑚が両腕を広げ、スキル『二刀流 - デュアルソード』を発動させる。両手が光りだす。
それを先読みしていた、魔法使いの少女、水晶が『パワーエリア』を発動させた。この呪文は、長方形に表示されたエリアに入った仲間の攻撃力を倍に上げる効果を持つ。便利な技に思えるが、実際の所、継続時間が短く使うのが難しいとされている。
明らかに水晶は、珊瑚の動きを先読みし、珊瑚が通るところに『パワーエリア』を貼っていたのだった。
「すごいな」思わず感心していた。
「これが、元A級の力、現D級英雄一位のチームの戦い方か。」圧倒的な力を見せられ、興奮を隠すことが出来ない、こんなに強くなれるんだ!と感慨深く感じる。
「ほんとにすごいですね」魔法少女の奈緒子が頷く。
「珊瑚ちゃんやるなー」と屈伸しながら、サラが微笑む。
『パワーエリア』で2倍、『二刀流 - デュアルソード』で2倍、合計攻撃力が4倍になった、珊瑚は4倍のスピードで、『仔竜 - ミニドラゴン』の体力を削る。
『仔竜 - ミニドラゴン』が咆哮を上げ消滅していく。
あっという間に一体の、『仔竜 - ミニドラゴン』を珊瑚がやっつけた。
「よし、もう一体行くか。調子はどうや?瑠璃?」と珊瑚はもう一体の相手をしていた、瑠璃に問い掛ける。
「あとは、止めをさせば終わり、珊瑚よろしく」と、珊瑚に任せる瑠璃。『魔法連射 - ラピッドファイヤ』は集中力を多く使うのだろう。
「りょーかい」と、珊瑚は言って、『仔竜 - ミニドラゴン』の上空に跳びかかった。二本の刀を逆手に取って、上空から、振り下ろす形で、叩きつけた。
「グオオオオォォォォォォ」大きな呻き声を上げ、そして、消滅する『仔竜 - ミニドラゴン』。
この三人の圧倒的な猛攻撃にあっという間に2体が消滅した。
「よし、じゃ、先行ってるで!!」
と、第四のチェックポイントをクリアした『ジェムボックス』の珊瑚は手を振って、僕らより先に、第五チェックポイントに向かった。
「すごかった」
「すごかったです!」
「珊瑚ちゃんやるなぁ」
僕らは、口をそろえて、「ジェムボックス」の攻撃を賞賛した。
「さって、次は私達の番ね!」
いつもより多く、ストレッチをしていた、サラは準備万端のようだった。
サラは笑顔で構えた。
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