第六十一話『D級英雄2位』

「99,999」僕の攻撃に、カウントストップのダメージが表示され、『仔竜 - ミニドラゴン』が消滅した。SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」攻撃力が真価を発揮した。


これが僕達「ドラゴンハンター」の戦い方だ。


サラの機動力と、奈緒子のサポート、僕の攻撃力。珊瑚たち「ジュエルボックス」とは、違う僕達の戦い方が、しっかり確立され始めていた。「D級英雄ランク戦」も終盤を迎え、かなり戦えるようになってきていた。


「ナイス、ジュン!」と、サラが走ってきて、ハイタッチをした。体育会系っぽいな、と思ったけど、悪くはなかった。サラのキラキラした笑顔を見たからだ。


『仔竜 - ミニドラゴン』が光り出し、4つ目の宝石が飛んでくる。「やったー!!入れよう入れよう」サラが跳びはねる。更に光りだす、『D級英雄の宝石箱』。残りのスロットは1つだけ。チェックポイントもついに残り1つになったのだ。


「あと一つ!」僕が言う。

「おおおおお!きたこれ!もりあがってまいりました!!」

良くわからない敬語で表現するサラ。

「あと少しですね!楽しみですね!」

奈緒子も手を胸に持ってきて喜ぶ。


チェックポイントを通過するごとに手に入る宝石、それを入れる『D級英雄の宝石箱』。これを満たすとこのクエストをクリアするのかと思っていたのだけど、珊瑚の話によると、そうではないらしい。それがなくてもクリアはするらしい。これが満たされた時、何が起こるのか、僕は楽しみになっていた。


「次は順位の発表か」僕がいままでの流れを思い出す。

「さっきは、94位でした」奈緒子がすぐに思い出して言う。

「何位かなー、わくわく」目をキラキラさせながら、ステータス画面を見つめる。


すると、ステータス画面が光り出し、大きく順位が表示された。


チーム名:ドラゴンハンター

順位:D級94位→2位


「おおおぉぉぉぉ!!2位!!」

やったぁー。とぴょんぴょん飛び回るサラ。


「すごい!すごい!すごいよねジュン?!」と、僕の手を掴んで、ぴょんぴよん跳びはねる。

「かなりすごいよ!」と僕も気持ちがテンションが上がる。


「頑張った分、成果がでるのは、うれしい!」

素直に喜べる所がサラは素敵だな、と思う。


「そうだね、最初のどのくらいだったのか、見てみようか」

コンフィグ画面を操作し、僕がログを表示させ、全員に見えるように拡大した。


チーム名:ドラゴンハンター

順位:D級60,000位→9,987位

順位:D級9,987位→998位

順位:D級998位→94位

順位:D級94位→2位


「うはは、すごい。最初6万位だったんだね。」振り返り、思い出す僕。


「すご!!ここまで来たら、残るは1位ね!!」

「やりましたね。」サラと奈緒子も微笑む。


「ということは、最後の私達より上の1組は」奈緒子が、思考を巡らせる。


「珊瑚ちゃんたちね」と、嬉しそうに闘志を燃やすサラ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る