第 十三話 古びた館


ウルガスの街を出た、セイとティファニアはロキアス王都に行くため、二人乗りで馬に乗り街道を進んでいたが途中、スパイラルラビット(ランクDの魔物でものすごく美味しい)を見つけたティファニアが追いかけ仕留めたのは良いが二人は森の中で迷っていた。


「おい、ティファニア・・・お前エルフだろ?普通森の中で迷うか?」


「普通は迷いません。はい、私が特殊なだけで・・・なんか、本当にすみません。」


「まぁ、俺がアイテムボックスを持ってから良いがティファニア一人だと食糧調達も楽じゃなかっただろうな」


まぁ、獣や魔物を狩って食べるのも良いが、解体すると他の魔物とか、獣寄ってくるのがだるいんだよなぁ・・・

それに、夜とか安心して寝れないし、俺なら夜通し歩いてでも街道を探すな


「はい・・・でも!今回はセイさんがいました!セイさんなら何か方法ありますよね?スキルとか!」


「いやぁ、生憎、探索系スキルは持ってないんだよな・・・完全に手探りで探さないとダメだな。」


「嘘ですよね?嘘って言ってくださいよぉ・・・」


「本当です。ガチです。さぁ、諦めてさっさと森を抜ける方法を探すぞ、幸い馬がある、足はあるから歩くよりは広い範囲を移動できるから夕方には街道を見つけられるだろう。」


そう言ってセイは馬に乗り、その後ろにティファニアを乗せ森を走る、走ること二時間二人の周りの空気が少し変わり始めていた。


「ん?人払いの結界?それもSクラスじゃないと気づかず元来た道を戻されるようなもの?」


「あれ?セイさんどうしたのですか?」


「あ、いや、さっき結界があったんだよ、それもSクラスの。この辺り何かあるのか?」


セイは少し不信に思いティファニアに問いかけた。


「いいえ、何もなかったはずです。それに私が関知できないってかなり強力な結界。何か封じているのでしょうか?」


「さあな、まぁ、気になることだし進んでみるか。案外、精霊が眠ってたりして、起こしたら加護もらえるかもな。」


「せ、精霊様ですか!そうだったら良いですね。」


あぁ、そういえば、エルフにとって精霊は信仰の対象だったな、ティファニアはおそらく自分の属性の地と風だろうな。


セイは精霊にあったことがあるが案外話せて、面白いやつと思っている。

いつか、アイツにも会いに行ってやるか・・・


馬を走らせ、五分ほど進むとセイとティファニアの目の前には結界の中心部。


古びた館が一つ建っていた。


とても、古い洋館で、建てられてからおそらく、百年近くたっているだろう。


セイとティファニアは馬を館の敷地に放し扉へと歩いていった。


「さぁて、開ける?」


「わたし的には精霊様じゃない気がします。どちらかと言うと逆な気が・・・」


「まぁ、とりあえず開け・・・」


セイが扉に触れようとするとひとりでに扉が開いた。


館の中は明るく奥から十歳ほどの少女が歩いてきた。


トテテテという効果音がつくような歩きで少女は扉まで歩き口を開き言葉を紡いだ。


少女の髪はセイと同じ白髪。目は紅色であった。


「お主は誰じゃ?ここに何ようで参った?」


少女がにこりと笑うと少女のかわいらしい口から尖った犬歯が見えて。


「そうか・・・君は吸血鬼ヴァンパイアなんだね。」


セイはなぜ、この少女がここにいたのかを瞬時に理解をしてしまった。

隣ではティファニアがよくわからないと首を傾けていた。

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