第7話 野宿

セイとティファニアは今日野宿する予定の場所に予定より早く着いていた。


ティファニアが馬に乗ってきてたら今日中にたどり着かなかっただろうな・・・


「よし。俺はテント立てるからティファニアは薪になりそうな木の枝を探してくれ、流石にこれぐらいならティファニアにも出来るだろ?」


「私だってそれぐらいは出来ますよ!だってずっとソロでここまでランクあげたんですから。これぐらい出来ないと夜も安心して野宿なんか出来なかったのですから!」


「馬には乗れないのにね・・・まぁ、エルフだから森の中は自分の家みたいなもんだろ?」


「まぁ、家と言うより庭ですけどね。」


「まぁ、話はテントなどが準備出来てからまたしよう。ティファニア、枝集め頼んだぞ。」


「はーい!」


ティファニアが森の奥で薪を集めている間セイはテントを建てていた。交代で起きて見張りをするためテントはひとつのみ設置することになっている。

テントは地球のものとほとんど変わっていないものでこれはセイが冒険者時代に王都の有名な冒険者専門の店で買ったもので金貨80枚もした高級品である。

しかし、今となっては十年前の際高級品、今買うとなると金貨20弱で買えるようなものである。


森の中での使用が多いため色は濃い緑色をしている。


「よし、出来たか。」


テントを建て始めてから三十分、ようやくテントを建てることが出来た。


テントの前にはティファニアが集めてきた薪になる枝が山積みに置いてある。


「ティファニア、今日の夜の見張りどっちからやる?」


「私はどちらでもいいよ。セイさんが決めてください。」


「なら、深夜から朝までは俺が見張りするから時間になったら起こしてくれ。」


「わかりました、そうと決まったならご飯食べましょう!」


「はいはい、シチューとパンで良いだろ?」


「うん!」


セイは薪に火をつけその上に鍋をおきシチューを作り始める。今回作るのは地球でよく食べている白い方のシチューを作ろうと思っている。


野菜はジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ位だっけな?あとはファングボアの肉と・・・


煮込み始めてから一時間。美味しそうな匂いが辺りに漂っていた。

ルーは昔、試行錯誤して作ったものをアイテムボックスから取り出して入れた。

ちなみに今の時代なら商店に行けば買えるものでもある。

なぜかと言うと邪竜討伐パーティーの一人で英雄ミリア、(魔族のお姫様)が気に入って国民にもこの白いシチューが美味しいのを共有して欲しいために売り出したのが始まりなのである。


「ねぇねぇまだなの?」


「もうすぐだから待てよ。ティファニア、器とってくれ。」


「はい。」


ティファニアから渡された器にシチューを入れる。今日の晩飯はシチューと黒パン。


黒パンはそのまま食べると固いのでシチューにつけて食べると美味しい。


「んんん!美味しい!セイさんって料理なんでこんなに上手いの?」


「いや、普通だろ?」


こんなの野菜と肉切って煮込んだようなもんだろ? あと、ルー入れて混ぜただけだし。


「だって私が作るといつもうまくできないから・・・」


お前は料理も出来ないのか・・・


このエルフ連れてきたの間違いなのかな・・・だがコイツはAランク冒険者。戦闘では役に立つはず!


食器を水魔法で綺麗にしてアイテムボックスに仕舞っていく。


「じゃあ、先寝るわ。時間になったら起こしてくれ」


「はい、わかりました。」


そう言ってセイはテントの中に入り睡眠をとるのであった。

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