第十七話 再会
盗賊退治から一週間後、三人はロキアス王国王都に着いていた。
「はぁ、やっと着いたな。以前よりも人が多いし、種族もたくさんいるな。」
セイたちは一人一人結構目立つため全員がフードの着いたコートで顔を覆っているためかなり怪しい風貌だ。
セイとクリスは白髪が目立つため、ティファニアはエルフで美しい?ために物取りに会わないためにフードを被っている。
「ねぇ、セイ」
「なんだ?」
「先に宿を探すか、ギルドにいる知り合いに会いに行くかどっちが先なの?」
ぱっぱと終えられれば問題はないがおそらく終われないからなぁ・・・
「先にギルド行くか。早めに面倒な事は終らせたいからな。そのあと宿だ。」
「はーい」
「うむ、わかったぞ。」
三人はしばらく歩き冒険者ギルドロキアス王国王都支部に来ていた。
なかはすでに冒険者たちが仕事に行った後で寝坊した新人位しかクエストボードの前に人はいなかった。
セイはフードを被ったまま受付の一人のところへ行く。
「ようこそ!冒険者ギルドロキアス王国王都支部に!ご用件は何でしょうか?」
「ギルドマスターに会いたい。」
「失礼ですが身分を証明するものはございますでしょうか?」
セイは懐からギルドカードを取り出して受付嬢に手渡す。
受付嬢は一瞬驚きつつもこちらのランクを瞬時に見て少し待ってくださいと言ってギルドの奥へ急いで歩いていった。
一分程で受付嬢は戻ってきた。
「ギルドマスターが二階の執務室でお待ちです。どうぞこちらへ」
三人は受付嬢に連れられ二階への階段を登っていき、そのあと廊下を少し歩き執務室と書かれた扉の前に来た。
「ギルドマスターは中におられます。私は仕事があるため戻らせていただきます。」
「あぁ、ありがとう。」
受付嬢は腰を折って礼をして階段を下って戻っていった。
セイは再び前を向き扉をノックする。
「どうぞ開いています。入ってください。」
中に入ると執務室で仕事をしている
蒼い髪の優しそうな目をした眼鏡の男性が座っていた。
「私がここ、ロキアス王国王都支部ギルドマスター、マリン・レアフォードです。」
「あぁ、知ってるよ。」
「はて?私はあなた方にお会いしたことはないはずですが」
「へぇ、戦友の声を忘れたか?蒼の英雄。」
そう言ってセイはフードを脱いで素顔を見せる。
「ギルドマスターになってるとは驚きだぜ元EXランク冒険者マリン・レアフォード。」
「セイ・・・いつ帰ってきたんだい?」
マリンは大粒の涙をこぼしながらセイに問いかけた。
「約一ヶ月前だ。詳しい話はこれから話す。それにお前に頼みたいこともあるからな。」
「あぁ、分かった。じゃあ、三人とも座ってくれ。セイそちらの二人も君の知り合いかい? 」
「あぁ、二人はパー「私はセイさんの恋人のティファニア。冒険者ランクはAです。よろしくお願いします。」ティーって、人が喋ってるのに遮るなよ!」
そう言ってティファニアはフードを脱ぐ。
「妾はSSランク冒険者、クリスじゃ、よろしく頼むぞ。セイとはパーティーメンバーじゃ。」
そう言ってクリスもティファニアと同じくフードを脱ぐ。
「セイ、ずいぶんと君のパーティーメンバーは珍しいね、吸血鬼にエルフだなんて、それに、恋人なんか作ったらアイリスに怒られるかも知れないよ。アリスの事が忘れられないから君はアイリスの告白を断ったんだから。君は会わなくなってかなり変わったね。」
「あぁ、そうかもな・・・。」
「じゃあ、君の話を聞かせてくれ。君が十年前に異世界に戻ったのになぜ再び戻ってきているのを。」
王都の昼下がり、蒼の英雄と銀の英雄の話し合いが始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます