第20話落日の案内人
アキバ円卓会議ができて以降、エンバート=ネルレスは不機嫌だった。
いやそれ以前から不機嫌だったのだ。
まるで自分達が悪党にでもなったような感覚。
あの大災害の後のセタ=ソウジロウの事件。あれはマニュアルに沿ってきちんと遂行された。
しかしながらあの後、ソウジロウの凶行を見ていたはずの大地人の1人が何故かソウジロウを慕って西風の旅団のギルドホールに入るようになったらしい。
わけがわからんが他に違反をしていない状況である以上どうする事も出来ない。
次に俺が呼び起こされたのが、ウェルカムと言う冒険者がたかやという冒険者を攻撃した事件だ。
この時、たかやが金貨で部屋を購入して、私を追い出したのだ。
あとで思えばあの行動は、我々の動きを制限できないのか崇也と言う冒険者が実験したのではないかと言う疑問がある。
その次の事件もたかやという冒険者がかかわっていた。
しかも今回は街中で堂々と魔法を使ったのだ。
その後すぐにたかやの隣の女が近くの部屋を購入して魔法攻撃をしたえんたー☆ていなーをかばったのだ。
しかも奴は自分達の活動に制限時間があるのを知っていたのだ。
その上で行動を制限してきたのは痛かった。まるで衛兵の行動規則を読んでいたかのような行動。
まるで攻撃スキルを使ったとしても見切られかねないような雰囲気に私は一瞬困惑した。
あの状況で奴は攻撃しなかったがそれも計算のうちだったのだろう。
あの場面で攻撃を行えば、他の衛兵がやってくる。奴はそれを見抜いていたから言葉だけのけん制を行い、俺達の動きを見切ったのだ。
「……強力な武器が必要だ。」
私はそう判断した。
必要なのは範囲攻撃力又は移動力を下げる武器だ。
衛兵がつける鎧には、防御力を上げる魔法と状態異常への耐性を上げる魔法がかかっている。
これによる防御力は例え、最強クラスまで攻撃力を上げた暗殺者のアサシネイトの攻撃を受けてもHPが1/4しか減らない優れものだ。
しかしながら、一度に襲撃された場合、1体が倒され後に購入した部屋の中に入られたら手も足も出ない。
奴はその実験をしたのだろう。例え何があっても衛兵を倒しうるという自信を奴からは感じた。
そう思いながら私は最高級の武器が置いてあるという武器屋を見て回りそして一つの武器を見つけた。
<霰刀・白魔丸>広い範囲攻撃力と、移動低下能力を併せ持つ最強のマジックアイテム。
冒険者が『白物』というまだ専門化されていない武器らしい。
私はその性能にほれぼれした。高い攻撃力に私が必要としている性能全てを兼ね備えたアイテム。
まさしくこのアイテムの出会いは運命的な物であっただろう。
すぐさま金貨を言われたまま出して、その<霰刀・白魔丸>を私は購入し、そのまま武器のロックを行った。
それが何をもたらすのかわからないまま。
たかやの道具奮闘記 @force
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
この素晴らしい世界に革命を!最新/賀茂ツツジ
★6 二次創作:この素晴らしい世… 連載中 60話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます