第2話
エリクマリア近郊の森。ファウンドは息を潜め、闇の中から監視していた。
彼にとって忘れもしない相手の一人が、今から現れる。そいつを殺すため、彼は待ち伏せをしていた。
気配を消し、まるで石像のように制止する。敵に自分の存在を気取られまいと、全神経をそそいでいた。
彼の計画は今のところ順調だった。ルイアを殺し、聖剣シールの奪還も成功した。しかし、これから先は、一筋縄ではいかないだろう。
ファウンドの狙う敵は四人。彼らを一人一人始末し、復讐を果たす。
だが、その四人は機関のトップに君臨する勇者達。全員が折り紙つきの強者ども。
果たして、ファウンドに勝ち目があるのか。少なくとも無傷ですむはずもない。
『手助けできることはこれだけだ。あとは自分でなんとかしろよ、相棒』
数日前の友との会話。彼が聖剣シールの情報を流し、情報の
しかし、これから先は彼を頼ることはできない。これ以上、彼に接触すれば、彼も機関に狙われることになる。
ファウンドは聖剣シールを強く握り、死んだ彼女に思いを馳せる。
「お嬢がもし生きていれば、今の自分を止めるだろうか。愚者の行いだと罵倒するだろうか。例えお嬢が止めようと、俺はやめる気はない。彼ら――この世界がお嬢にしたおよそ人間とは思えない残虐非道の数々を、俺は無視できない。絶対に許せない。彼らと世界には地獄を味わってもらう。俺はもう、決めたんだ」
その瞳に執念の炎を宿し、彼は闇と同化する。
そろそろ、罪人が現れる頃合い。ファウンドは、精神を研ぎ澄まし、狩りの体勢に入った。
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