幕間2/感謝御礼

幕間2


 さて、そろそろ僕の出番でス。

 読者の皆様、ここまでお読みいただき誠にありがとうございまス……!


 今回は僕から皆様にお伝えしたいことがありまして、ちょっとお時間をいただきたく存じまス。では早速、この物語の主人公、憑々谷子童に関してなのですガ―――。


 皆様もすでにお気づきのように、彼は事あるごとに『著者の仕業』という言葉を使いますよネ? 彼にとって不都合が生じた際に、著者が悪いと断定するために使っていますよネ? これは著者の仕業に違いない! という感じニ。


 ですが皆様、どうか憑々谷子童のような誤解だけはしないで下さイ。

 著者の仕業も何も、そもそもこの世界の全てが著者によって作られているのでス。


 当然ヒロインの行動や台詞もそウ。彼女達に本物の肉体と精神があるわけではありませン。憑々谷子童と違い、彼女達は著者の作り物なのでス。メイドイン著者なのでス。


 にもかかわらず憑々谷子童は著者の仕業と言及するあたり、彼は彼女達を……本物の人間として認識してしまっているような気がしてなりませン。


 いえ確かに彼の視点では本物に見えるはずでス。人間はごく普通に動くし喋るし、太陽も東から昇って西に沈みまス。元いた世界と極端な違いはないのス。


 だったら誤解するのも致し方ないのかもしれませン。

 読者の皆様はそう思うことでしょウ。だがしかしながラ!

 著者の僕にとってみれば『ヒトの世界に何フツーに溶け込んじゃってくれてんの?』なのでス……!


 ……、

 …………、

 はい、ではさっさと次行っちゃいますネ。僕のストレス発散の場になっていると非難されたくありませんかラ。


 お次は今の異世界―――学園異能バトル編と、次の異世界に関してでス。


 著者的にはこのあたりで学園異能バトル編は折り返し地点であって欲しいところでス。正直まだどんな結末が待っているのか見当もつきませんが、ただあまりだらだらとこの異世界を続けるつもりはないのでス。すでに次の異世界も決めてありましテ!


 ずばり、魔王討伐クエスト編!


 ラノベといえばやはり魔王でス。魔王がいてこそ王道ラノベとも言えまス。

 次の異世界では彼に魔王を倒してもらいたいのでス。

 まぁ決まっているのはそれくらいなのですガ……。あ、もう一つありましタ!




 実は学園異能バトル編―――この異世界からヒロインを一人、次の異世界に連れて行くつもりでス!




 はい、今一瞬で使い回しだと思った読者様は賢いでス。全くもってその通りなのでス! いえしかしこれはモッタイナイ精神なのでス! 批判は承知! だから一人だけに我慢したのですヨ!


 ちなみに連れて行くヒロインを選ぶ方法ですが、これは『憑々谷子童を最も嫌っているヒロイン』で即決でしタ。これは彼への嫌がらせも兼ねているからですネ。


 ただしここまで読破していただけた皆様ならもうお分かりのはずでス。

 今もこれからも好感度が最悪なヒロインは、どうせ妹の熾兎だト。


 それは正解でス。だから少し、奇をてらってみましタ。

 以下が実際の選出方法となりまス。




『憑々谷子童を最後に殴り倒したヒロイン』




 質問は受け付けいたしませン。ですが確実に言えるのは、ヒロインの中の誰かが必ず彼を殴り倒すことでス。


 エ? 出来レース、ですカ? いえいえ、そんなはずはありませン! 

 憑々谷子童が変なことをするからヒロインが殴るのでス! だったら『誰がラストに相応しいタイミングで彼を殴るか?』なんて、まだ分からないじゃないですカ!


 ……エ? そういう意味じゃなイ? 

 だ、だったらそれこそ何を言ってるのか分かりませんネ……。

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