EX1/2.5次元小説ですって? どういうことよ?
EX1
『2.5次元小説ですって? どういうことよ?』
熾「とか思ってる読者が大多数でしょ。だからこのあたしが著者に直接質問をぶつけてみるわ」
著「作中のイモウトと会話……!……ハァハァ!」
熾「ちっ、主人公並に気持ち悪いヤツね! 喘がないでくれる!?」
著「はいすみませんマイリトルシスター! 大好きでス!」
熾「……あんた、本当にあたしの産みの親なの……?」
著「秘密でス。拙作にはトップシークレットがありますので、それがバレない程度に答えまス」
熾「トップシークレット? 何よそれ?」
著「つまりはこの小説の真実ですネ。一般的なメタフィクション小説と扱ってもらっても結構ですが、それだけで済ませる気がないのが僕でありこの2.5次元小説なのでス」
熾「……、2.5次元って本気で言ってんの?」
著「ウヒョヒョヒョ! 主人公の少年は本物の人間ですヨ。この小説の中に転移していまス!」
熾「いや白目で言われてもね。信じる人がいると思ってんの?」
著「いないと思いますネ。ヒヒッ」
熾「よくそれでこの小説を世に出したわねえ……」
著「信じるも信じないもあなた次第なのでス! ただ、流行りの異世界モノで面白ければ何でもアリという風潮のライトノベル。そう考えると案外楽しく読めるかもしれまんヨ? 序盤の出落ち臭はハンパなかったと思いますガ」
熾「ってか序盤って矛盾ありまくりじゃない? リアルの人間が転移したんでしょ? なのに何で主人公がこの小説に転移する前のことが書かれて、」
著「おっとそこまでだマイリトルシスター。序盤の矛盾点はいずれきちんと解消されるようになっていル」
熾「……、実はあんたと主人公が同一人物でしたってオチじゃないわよね?」
著「ありえませン。それは一番やっちゃいけないやつですヨ。決して少年と僕は同一人物ではないのでご安心ヲ」
熾「じゃあ何? 本当に『この小説に本物の人間が転移してる』って設定が確立できてんの?」
著「設定……まぁ裏設定ならありますネ。プロローグに記載してあるのが読者様向けの裏設定でス」
熾「あたしも読んだわよ。けど意味分かんないんだけど?」
著「ほほウ? 具体的にワ?」
熾「五番目よ。『著者は少年の台詞と地の文を修正することができない』。じゃあ誤字脱字とかのヒューマンエラーは起こるはずないわよね? 文章が勝手に書き込まれていくんだし。修正できない文章が正確じゃない方がおかしいでしょ」
著「いえ、誤字脱字はあるかもしれませんヨ。修正できないのは元データなのですからネ。主人公が転移しているのはあくまでも元データなのでス」
熾「元データに転移……ってことは何? 読者に公開している文章を修正するのは可能って主張したいわけ?」
著「そうですネ。全ての文章が主人公のものとは限りませんのでご注意ヲ。僕には小説の体裁を保つ義務があるので、主人公の文章に見せかけた僕の文章も存在するのでス。まぁそういった編集作業の必要性はテレビ番組を制作するのと同じように考えていただけれバ!」
熾「けどあんた、そんなこと言い出したら捏造し放題なんじゃないの?」
著「捏造は当然できますヨ。主人公の文章が稚拙すぎるので高尚な言葉に置き換えたいですとか、放送事故になるので主人公のトイレシーンはカットにしたい、ですとかネ」
熾「…………あー。あんたも大変そうね」
著「つまり元データはそのままでは公開できない有様なのでス。かといって捏造すると物語的に破綻しかねないので……少なくとも僕は悪意があったり手間がかかる捏造まではしませんヨ」
熾「九番目と十番目の裏設定がそういうことなのね? 諸般の事情だとか読者がいてこその小説だとか」
著「その通りでス。読者様に見せられない文章は省いたり、娯楽小説として盛り上げていく義務が僕にはありまス。主人公を泣かせてばかりではいられないのですヨ」
熾「…………とか言って、ものすんごい荒れてたりするじゃないの? キャラ崩壊で主人公を困らせるとか……」
著「マイリトルシスター、それはキミも大概じゃないかナ……」
熾「え? あたしはいいでしょ別に。最初の異世界って兄嫌いのあたしを『よいしょ』するのが目的なんだし」
著者「そーなんでス! イモウト万歳! イモウトに栄光あレ!!」
熾「というわけで後半はあたしが大活躍するみたいよ。今後とも『異世界リアル』をヨロシクね」
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