第1章 成東線の踏切

成東線の踏切 1


 物語のはじまりとか終わりって言うのは、どこからはじまってどこで終わるのか、正直よく分からない。

 たとえば、運命の人と出会ったその日がはじまりなのかもしれないし、それとも出会う前から、それぞれの人生がお互いの出会いに向かって歩いている時からはじまっているのかもしれない。お互い「別れましょう」と言ったことが終わりなのかもしれないし、連絡が取れなくなったら終わりなのかもしれない。

 はじまりも終わりも「ここだっ」っていう明確な時はなくて、流れる毎日の中で、人生が続く限り物語は常にはじまって、常に終わっているんだと思う。だから常にはじまりや終わりになるキッカケがそこら辺に転がっていて、それとは知らずに日々浪費して過ぎて行くんだと思う。そして決定的な出来事だけがはじまりや終わりとして認識されるんだと思う。

 そうならないように、どんな小さなことでも明日のはじまりにつながると思って、大切にしていこうと思う。

 とまぁ、現実的には実践が難しいのだけど、心がけとして、しばしば考えることがある。

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