エッセイ 一人でいると楽

 「一人でいると楽だもんな。」


先日、三度目の正直で入ることのできたおでん屋で遅ればせながら友人と呑んでいた時の事。


そんな言葉が飛び出した。


私はどうしてもその言葉が一人でいるっていうことに逃げていないか?に聞こえたのだ。


それは大いに私の間違いであるのだが。


何といっても、どこで「一人でいると楽だもんな」と言われると、親しい中の友人がいない人への皮肉に聞こえるのだ。


そして、新しいコミュニティーを作っていかない人間への嫌味にも聞こえるのだ。


 恋することに興味がない。


 結婚願望がない。


 そりゃないよ。(今は)


いつ何が起こるかわからない、一生懸命努力している自分ばかり見せていたら、ふっと肩の力が抜けた瞬間が見せられない。


そんな関係の友人は私の周りにいない。


たぶん一番に、私が私らしい姿しか見せていない。


だからときたまに頑張っていると、「頑張るんじゃない。大丈夫か」と言われてしまう。


数年前から「ありの~」と歌がはやったものだが、本当に「ありの~」でいられる関係の人間を努力して作るは「ありのまま」ではない。


ありのままの自分の生き方をしていて、惹かれる人がいるのであれば、それが一番いいのだ。


一生懸命になればなるほど自分が疲れるタイプなので、背伸びすることもしない。


ただ、ありのままの自分を楽しむ。


 結構楽しいものだ、自分が変わっていくことを実感することは。


なんだかんだで、もう24歳になったわけだが、昔の自分と変わったなぁと思うことは多々ある。


周囲の友人には変わらないなって言われるけれど、それでも自分自身の変化に気が付けば次に何がしたいかが見えてくる気がする。


楽しくないことを無理に楽しむことはやめた。


楽しいと笑うことを止めた。ただ、空気が悪くなるほど笑わないことはない。


自分が疲れない程度に肩の力を抜くということを覚えたのかもしれない。


この人と何かあったら…dkdk・・・と考えることもやめた。


あってから考える。実際あってから考えている。


怖いと思うから怖いのだ。


一人でいることを楽しいと思えたら、一人の時間が増えた。


誰かと何かするという時間よりも、一人でゆっくり過ごす時間が楽しいと思えた。


そんな時間が好きなら、それは「一人でいると楽だもんな」と言う言葉が皮肉や嫌味に聞こえないのかな。


結構一人で過ごす週末は充実している気がするのだけれど、いつも呼ばれれば行ける体制な私を皆は心配しているのだろうか。


大丈夫。結構一人の世界好きだから。




 あ、でも一つ困ったことがあるとすれば、ペアチケットとかもらった時だな。

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