第18話 羊が一匹羊が二匹…

「おい早乙女ェ!!」

「えっ何よ!?」


扉を蹴り開けて帰ってきた二階堂と東条さん。扉壊れるでしょ静かに入ってきなさいよ。


「放課後文化祭行くわよ」

「…どこの?」

「謙也くんの」

「何で!?」


私の疑問に、東条さんは大きく溜息を吐く。


「会えないって言われたんなら、会いに行くしかないでしょーが。来てくれないならこっちから行くのよ」

「つーわけで早乙女。明日の放課後、ダッシュで行くぞ」


放課後で間に合うのかしら…。普通終わっちゃってない?


「早乙女くん、明日は四時間の日だ」


指を四本立てたひなちゃんが視界に入ってくる。

可愛いことしてくれるわね…っ。


「…なんかムカつく。殴らせて」

「待って! 理不尽!」

「よし。作戦決まったから寝るぞ。帰れ」

「そうだな。奈々、帰るぞ」


何だかさらりと明日の予定(作戦)が決まってしまったけど…。

お泊まり会のような雰囲気と明日の緊張で、その日はよく寝られなかった。


「二階堂、眠れない」

「寝ろ」

「…羊が一匹羊が二匹羊が三匹…」

「うるせえ頭ん中で唱えろ!!」

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