第14話 二階堂、爆発?
「別の手って?」
「…いやそれは、まあこれから…」
「何にも案がないのに言うんじゃないわよ」
そうよ。案があるのかと思ったじゃない。
「…一回、様子を見に行ってもいいんじゃないか?」
ひなちゃんの言葉に、東条さんが頷く。
今なら、会いに行こうと思えば行ける。
「だけど、話に行くんじゃない。その、離婚の理由とやらを探しにだ」
「離婚の理由を?」
謙也は、自分のせいだと言っていた。
その理由を、探しに。
「私と、早乙女くんで」
「却下」
東条さん早い。却下するの早い。
「ひな、落ち着いて。早乙女と二人でなんて、待って、考え直そう?」
そんなに私とひなちゃん二人にしたくないのかしら!? 流石に傷つくんだけど!?
「奈々、落ち着け。一応私にも考えはあるんだ」
ひなちゃんが東条さんの頭を撫で、宥める。
…羨ましいわ…。
「このメンバーを、二つに分けるんだ。私と早乙女くん、奈々と二階堂で」
「却下」
顔がさっきより酷いことになってる!
しかしそれはすぐに消え、今度は悲しいような悔しいような、そんな顔になった。
「…嫌よ、私はひなとじゃなきゃ」
「奈々。二階堂と早乙女くんは、奈々の事嫌ってないし、二階堂に至ってはむしろ好」
「うわあああああああああああああ!?」
ひなちゃん、それ言ったら二階堂が恥ずかしさのあまり爆発するわ!
もう爆発しそうだけど!
「…まあつまり、そう言う事だ」
適当にまとめたわね!?
「…いやだ」
「奈々」
「いやだ!」
東条さんが、耳を塞いで叫ぶ。
「…もういいの。私は、ひながいれば…ひなだけが友達でいてくれれば、それで…」
ぱたり。カーペットにシミができる。
小さく嗚咽しながら、東条さんは蹲った。
「…奈々と私は、幼馴染なんだ」
ぽつりとひなちゃんが話し始める。
…これは、奈々が私以外に友達はいらないと言うようになってしまった、
…私以外の周りを必要としなくなった、
…私たちの、昔話。
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