水着回では無くお風呂回でした。
焚火を眺めながら元の世界の動画配信で焚火を何時間かただ眺めるという企画を思い出しました。
確かに揺れる火を見ていると心が落ち着きます。
そろそろ4本目の薪を入れようとした所でエバンスさんがこちらへ歩いてきました。
「幼一さん そろそろ交代の時間では?」
「そうでなんですが、エバンスさん
ちゃんと仮眠を取りましたか?」
肯きながら答えてくれるエバンスさん。
「ええっ 老体になるとあまり深く眠れないようで
短い睡眠を複数回取っています」
確かに短い睡眠で大丈夫な人は居るがエバンスさんがそうなのかは分からないが
ここはその言葉に甘えて仮眠を取ろうと思う
「ではまた3刻後に起きます」
俺はそう言って本日二度目の睡眠に入る。
今度は有瑠ちゃんに会わずそのまま寝ようと思う。
そのまま俺は眠りについた。
スマートフォンのアラームによる電子音で目が覚める。
電子音で目が覚めたためか、しばらくは元居た世界と勘違いして、
ここが本気で何処なのか悩んでいたが、隣で寝ているラピスちゃんを見て
現実を思い出した。
まだ外は暗いようです。
「すぅ~ すぅ~ すぅ」
忘れていたが、幼女の隣で寝る、言い方を変え、短く略すと、’’幼女と寝た”とも言えるので
早朝から私に力、といいますか、血流が漲ってくるのが分かります。
ラピスちゃんが掛けているシーツがズレているように見えるので優しい私は掛け直してあげようと思います。
掛け直そうとして手が滑ったとか言って服の中に手を入れようなどとそのような事は一切考えたことも無いですよ? 本当ですよ?
天使ちゃんなラピスちゃんにそんな事を考えるとお思いですか?
親父とロリコンさんの勝負 ロリコンさんの勝ち!
「はあっ はあっ」
何故なんでしょう?
ドラゴンさんと対峙した時より呼吸が荒いです、不思議な事もあるものですね!
手がラピスちゃんに向おうと意志に反して動いています。
魔術とか魔法で操られているのでしょうか?
「う~んっ おに… ちゃん…
ううぅ…ん…」
私を呼びながら非常に悩ましい声を出しながら寝返りを打つラピスちゃん。
「うん 何をやっているんだ俺は!
それより、エバンスさんと番を交代しないと」
急いで荷台より降りてエバンスさんの元へ駆ける。
「はあっ はあ エバンスさん、交代しますよ?」
「幼一さん、大丈夫ですよ もう一、二刻すれば太陽が昇りますので」
エバンスさんの返答に首を振る。
「それでもです、エバンスさん 寝て下さい
馬車の運転もあるのですし…」
大丈夫ですと断りそうなエバンスさんに俺は少し気を悪くされてはいけないが
少しでも休んでほしいので卑怯だがこのセリフを言わせてもらう。
「馬車の運転はエバンスさんしかできません
エバンスさんを信用していない訳では無いですが、寝不足だと
操作を誤る危険性もあります、どうか、私とラピスちゃんを安心させる為だと
思って休んでは頂けませんか?
私はどうしても駄目であれば馬車で眠ることも出来ますし」
「お気遣いいただき、ありがとうございます
もう少し… 眠れるので睡眠を取らさせていただきます」
スノーラビットはちゃんと捕獲できているのだろうか。
囮の数が少ないので設置出来た罠の数が想定より少なかったようなので心配だ。
初めての依頼が失敗で終わるのは嫌だけど、楽しい思い出、それにユーディちゃんに、エバンスさんの両名に出会うことが出来たと考えれば全然悪くはないと思えた。
そう考えつつ、火の番をしていると二つの太陽が昇って来た。
初めて見る異世界の日の出、なんだか凄く幻想的だなーと思う。
「太陽が出て来たし、軽くストレッチでもするか!」
独り言を言いつつストレッチを始める。
元居た世界ではストレッチなんか社会人になって数回程度しかしていないのに
この幻想的な景色を見たためか、やる気が起きたのだ。
「おいっち にっ ふっ」
かなり体が硬いようで動きずらいがそこは気合で頑張る。
軽く体がストレッチで温まった頃には半刻ほど経っており、エバンスさんが
起きて来た。
「おはようございます エバンスさん
ほんの少しですが眠れましたか?」
「はい 幼一さんのおかげで」
「それなら、良かったです
朝食の準備手伝いますよ?」
「お手伝いありがとうございます
では幼一さんのはこれをやっていただけますか?」
俺とエバンスさんは、まだ焚火が燃えている内に朝食を準備する。
「昨夜のメニューとほぼ同じですが」
あまり長旅では無いので材料は多く積んでいないのだろう、昨夜の料理の材料のあまりを使ったスープが出来上がる。
「十分に美味しそうですよ」
「そう言っていただけるとありがたいです」
「そろそろラピスちゃんを起こしてきますね」
ラピスちゃんを起こしに行くと、朝食の匂いを嗅ぎつけたのか、それとも偶然起きるタイミングだったのか
丁度ラピスちゃんがこちらへ来る所だった。
「おはよう お兄ちゃん
良い匂いがするね」
二人で焚火の場所に向かう。
「ラピスさん おはようございます」
ラピスちゃんがエバンスさんに挨拶を交わす。
「おはようございます エバンスさん」
「ではお二人とも座ってください
今、スープを注ぐので」
アンバーも用意したミルクを機嫌よく飲んでいる様子。
「えっ!? なにこの子?
ちっちゃいドラゴン?」
ラピスちゃんがアンバーに驚いているようです。
「おはよう ラピスちゃん
その子はアンバーって名前のドラゴンの子だよ
分けあって私のことを親だと勘違いしてるんだよ」
「ふーん… 名前はアンバーか…
噛みつかないのかな?」
ラピスちゃんがツンツンとアンバーをつつくいているが、意外にもアンバー自身も楽しんでいる模様。
「それと、朝食が出来てるよ」
「スープ♪ パーン♪ ミートパーイ♪ 美味ーしーいなー♪ たっくさん♪ たっくさん♪ たべたいなー♪」
ラピスちゃんが謎の歌を歌いだす…。
この子こんなにも愉快な子だったのですね、まだまだ私の知らない部分も多いと言う事ですか。
「いただきます」
残りの二人はお祈りをしてから手を付ける。
昨日の余りものを使ったとは言え、美味しいです、外で食べるからでしょうかね?
「ごちそうさまです」
楽しい食事とは意外に早く終わるものです。
朝食の片づけは皆で行いました。
最後に焚火を土を被せることで消してから、皆で設置した罠の状況を見に行くことにしました。
アンバーを置いていくのは可哀想なので抱っこヒモに入れて一緒に連れて行ってあげます。
「ちゃんと捕まえれていますかね?」
「好物であるスノーフラワーを置いたので確率は高いと思いますが…」
「お兄ちゃんとエバンスさんが頑張ったんだもん
ちゃんと居ると思うよ」
ラピスちゃんがとても微笑ましい事を言います。
「ありがとう、ラピスちゃん」
「確かに大丈夫ですね 皆さんで頑張ったのですから」
そんな会話をしながら、罠の設置した場所へ向かう。
罠自体は3つしか設置は出来なかったのだ。
1つ目の罠。
置いた時と変わりが無い状態で外れだった。
後二つあると希望を持つ。
2つ目の罠。
罠が動いてるが、スノーフラワーだけが取られているようでスノーラビットの姿は無い。
最後の望みとばかりの3つ目の罠。
罠に掛かりつつもモシャモシャとスノーフラワーを咀嚼するスノーラビットの姿がある。
雪と葉っぱ、それに赤い実で作る雪ウサギに姿はそっくりで、溶けないか心配である。
「やった! 捕まえれてる!」
俺は何故か小声で喋る。
「まっしろでふわふわだー」
ラピスちゃんが凄い目でスノーラビットを見ている。
ラピスちゃんの声で警戒したスノーラビットだったが、罠に掛かっている為逃げられないらしく
少し暴れる。
「みゅ みゅ みゅー」
「暴れて怪我をされては、可愛そうです」
そう言うとエバンスさんが走って罠の場所へ行き、持って来た大きめの籠に素早くスノーラビットを入れる。
籠の中に居るスノーラビットを見てみる俺とラピスちゃん。
「かわいいっ
これ、触ってもいいの?」
「はい、ラピスさん
大丈夫ですが優しく触ってあげてくださいね」
「みゅっ みゅっ」
ラピスちゃんにつんつんされ、さらにはナデナデされるスノーラビット。
べっ べつに悔しくなんてないんだからねっとツンデレ風に焼きもちを少し抱きます。
「よしよし もふもふしてて気持ちいなー」
満足げなラピスちゃん。
さすがはモフモフを纏った愛玩動物!
私もスノーラビットを撫でで見ます。
すごくモフモフで温かく、湯たんぽみたいで、これは布団の中に一匹ほしいですよ。
エバンスさんが告げる。
「そろそろ、街へ帰りましょうか」
私とラピスちゃんは馬車に乗り込み、エバンスさんはケルベロス二号に跨る。
アンバーを胸に抱えながら馬車から外の景色を眺めていると、ケルベロス二号が唸りを上げ、街へと向かう。
さすがに二回目なのでガタガタ揺れるがあまり怖くは無く、今度は優雅に景色を見る余裕すらある。
だんだんと大きかったドラ山が小さくなって行く、また”一週間後に”と心の中で呟きながら景色を見送る。
ドラ山が見えなくなってから気が付いたが街との距離がすごくあるのですがどうやって行くのか悩みます。
何かしら馬車なりの交通手段を使う羽目になりそうですが、そこまでにはお金を貯めておきたいですね。
馬車で揺られること約3時間ほど、街であるセンチネルが見えた来た。
今度は途中休憩する事無くそのまま街にあるユーディちゃんのお屋敷に直行で帰ってきました。
降りる前に一応言っておきます。
「ただいまー」
スノーラビットを入れた籠もしっかり持っておきます。
「うんっ よいっしょ」
ラピスちゃんも馬車から降りようとして、落ちそうになったので支えようとした、
その時!
なんと鉄壁だったローブが馬車の端に引っかかり、さらに体制を崩し、それも馬車から降りる最中だったのでスカートが少し捲り上がりると隠されていたラピスちゃんの白色でおパンツが視界に入りました。
「きゃっ」
スカートを必死に抑えながら顔が赤くなっていきます。
白色で赤く小さいリボンが特徴の棉パンツぽかったですよ!
親父とロリコンさんお勝負 ロリコンさんの勝ち!
それに可愛らしい声と仕草です… ふうっ… 疲れましたね!
「大丈夫かい? ラピスちゃん」
紳士的対応をします。
「ううぅっ お兄ちゃん… ううっ」
相当恥ずかしいのか、白い何かを見たとは聞けないであろうラピスちゃんは顔を赤くしたまま沈黙する。
その後、ケルベロス二号から降りたエバンスさんがこちらへと部屋に案内してくれる。
玄関ホールまで来ると、エバンスさんがメイドさんに声を掛けます。
しばらくエバンスさんにここで待つように言われ、エバンスさんはどこかへ行ってしまいました。
待っているとエバンスさんとユーディちゃんが姿を現しました。
「お疲れさまだなっ
幼一にラピスっ」
ユーディちゃんが私たちに労いの言葉を掛けてくれます。
「ありがとう、ユーディちゃん」
「うん…」
少し小さい声だが返事をするラピスちゃん。
ユーディちゃんに見えるようにスノーラビットの入った籠を見せます。
「おおっ そやつがスノーラビットか
礼を言うぞっ」
そう言いながら、ユーディちゃんがニコニコ笑顔で籠を受け取ります。
「みゅ みゅ」
「想像以上にかわいいな こやつはっ
このもふもふ具合っ
癖になるぞっ」
「気に入って貰えて良かったよ」
安心します。
幼女に喜んでもらえたそれだけで十分です、それが今の私にとっての報酬です。
「話はあとで聞くとしてっ
そうだっ 二人とも疲れただろうっ
我が家にある温泉と呼ばれるものに入って行けっ
疲れが飛ぶぞ?」
エバンスさんが案内してくれるらしい。
「どうぞ、こちらでございます」
「エバンスもじゃ
今日一日は休めっ
命令はあまりしたくないが、これは命令だっ」
「ありがとうございます
ユーディお嬢様」
エバンスさんが優雅なお辞儀をユーディちゃんに返す。
エバンスさんに案内され、温泉があると言う浴場前までやってきました。
今頃気が付いたのですがもしかして、もしかしてラピスちゃんと混浴なのでしょうか?
日本では混浴文化があったのは覚えていますが、海外、それも異世界の事情は不明です。
すごくワクワクしてきましたよ。
「この部屋で服を脱いでもらいます
その奥に扉がありそこが温泉です
そこにある桶で体を洗っていただき、温泉を満喫してください」
そういいながら脱衣室の扉を開けてくれるエバンスさん。
「幼一さん、アンバーを預かりますよ?」
「きゅー きゅー」
そっとエバンスさんは胸に抱いていたアンバーを預かってくれます。
エバンスさん開けるのはいいですが私は心の準備が出来てませんよ!?
どうぞと勧められます。
今日の出来事はアニメの中盤で突如入れられる 水着回では無くお風呂回でした。
「よしっ お風呂に入ろうかっ ラピスちゃんっ」
声が上擦ってますが気にしないでください。
「うっ うんっ…」
かなり顔が赤くなり顔を下に向けるラピスちゃん。
脱衣室に入ると、何故か二人とも反対の方向を向いて服を脱いでいきます。
私にとっては幼女が”脱衣”、英語に直すと”ストリップ”している最中なので理想郷なのですが、なぜか反対側を見れません。
服の擦れる音、これだけが私たち二人を包み込みます。
「よいしょっ」
わざとらしく声を出して服を脱ぎます。
今、ラピスちゃんの生脱衣シーンを見るとラピスちゃんに嫌われてしまうかもと思っているからでしょうか、後ろを見ようという気が意外に起きません。
脱ぎ終わったので先に温泉に浸かろうかと思っていたので一応ラピスちゃんに声を掛けておきます。
「先に温泉に入ってるね」
「わっ わたしもっ 入るのっ」
ラピスちゃんが何やら慌てている様子
私もラピスちゃんもお互い生まれたままの姿なのですが、二人ともお互いが見ないよう顔を背けた状態で温泉に向かいます。
「おおっ 温泉だ」
目の前に広がる温泉に心が躍ります。
露天風呂のような構造ですが、周りは高い塀に囲われ、さらには床が石作となっており、意外にもしっかりとした造りになっている。
お湯は白濁りの湯である。
「こっ これが温泉…」
ラピスちゃんは初めて見る温泉に驚いている様子が声でわかります。
温泉の手前にいくつかの桶が置かれています、これで掛け湯をして、体を流せということでしょう。
かけ湯をして体を洗っていきます。
ラピスちゃんもかけ湯をしているのでしょう、パチャパチャと水音がします。
体に続いて頭を洗い、温泉に浸かりると恥ずかしいという気持ちは霧散しました。
はあー 心が落ち着きます、これぞ日本人の魂という感じです。
「温泉はやっぱり気持ちがいいなー
それも露天風呂が一番だ!」
チャップとラピスちゃんだろうお湯に浸かる音がする。
「お兄ちゃん… 気持ちが… いいね…」
ラピスちゃんかなり恥ずかしいのか所々声が小さい。
「ラピスちゃん 恥ずかしいようなら俺が出るか、何かしようか?」
「ううんっ… お兄ちゃんに…悪いよ…」
うれしいことを言ってくれるラピスちゃん。
このまま合法的に幼女と混浴の温泉が楽しめる。
しばし無言が続いたが、気になったので一応注意しておく。
「長湯してのぼせないように注意してね
らぴすちゃん?」
反応が少し鈍い気がするが恥ずかしいのが原因だと思う。
「ありが…とう… お兄ちゃん…
そっちに… 行って…も… いい?」
聞き違いでしょうか、よくあるハーレム系主人公の突発性難聴でしょうか?
ラピスちゃんからこっちに来たいとの申し出がありましたが!?
「はいっっ!?」
意味が分からず大声を上げ、飛び上がってしまいます。
そんなパニック状態の最中にラピスちゃんが肩まで湯に浸かった状態でフラフラとやってきて
なななんとっ 胡坐の姿勢で座っている私の上にちょこんと座りだしました?
「えっ!? えっ?! えっ!」
少々といいますか、大部私も混乱しております。
私の私というか私の俺と申しましょうか俺の私が大変な状態です、正直何を考えてるか自分にもわかりません。
ラピスちゃんの生桃尻が私のふとともに密着しているのだけがわかります。
目の前にはいい匂いのするラピスちゃんの頭と髪が、うなじがかわいいなー。
などと考えていると、ダメです、クラクラしてきましたよ。
心なしかラピスちゃんもゆらゆらしている気がしてきました、私もゆらゆらー。
これ、二人とものぼせてるのでは!?
これは大変だ!
ラピスちゃんをお姫様抱っこして温泉から文字通り飛び出ると、目の前がぐわんぐえわんして、さらにちかちかするがロリ魂性で耐える、ここは耐えなければいけない場面です。
「だれか! おーい!」
廊下に向かうため、脱衣室を通る際に片手でタオルぽいシーツを剥ぎ取り、ラピスちゃんに掛けると私は脱衣所を飛び出し、そこで大声で助けを呼ぶ。
「だれか! ラピスちゃんがのぼせたから! 助けて! だれか!」
廊下にやさしくラピスちゃんの体を横たえさせると私はすっぽんぽんの状態で意識を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます