パンツを拝みたかった。

依頼に関する受諾証明の書類を持ちながら、依頼主の元へ向かう。

どんな可愛らしい幼女なのか今からワクワクする。


ラピスちゃんを見ると初めてのお仕事にそわそわしているようで、先ほどから落ち着きが無いので軽く手を

握って安心させてあげる。

「仕事、楽しみだね ラピスちゃん」


「うんっ お兄ちゃんと一緒ならなんでも楽しいと思うから」


街を歩くこと30分ほど、街並みが変わって来た。

大きい家などが立ち並ぶ富裕層の区画みたいでそこで一際大きい家が

今回の依頼主の家らしい。


流石に依頼料が抜群に高いと思ったが、正直金銭の価値が分からない俺には、子供が依頼する動物探しは銅貨9枚とか書かれていたが安いのか高いのか判断が付かなかったのだ。

この時の俺は、子供が出す依頼で銅貨が9枚なので銅貨1枚当たり100円ぐらいの価値で、銅貨10枚で銀貨1枚だと勘違いしていたのだった。


この依頼、金貨1枚で費用等は向こう持ちと豪勢な仕様だったのもあり、それに飛びついたのだ。

一日で終わらせれれば、日給一万円になるので、考えれば悪くないと思ったからである。


立派な門がある立派な家で、その両脇に居る門番の人に軽く会釈をして、ギルドから貰った書類を渡すと、館の中へ入っていった。

しばらくして、先ほどの門番と執事ぽいナイスミドルのおっさんが出くると、普通にお屋敷に通された。


お屋敷の中は想像通りで、赤いカーペットが廊下に敷かれており、ロビー正面には部屋の端に沿うように階段が二階に伸びており、その二階から一階のロビーが見渡せるテラスのような構造である。


二階より、声が聞こえたので顔を上げる。

「お前たちが依頼を受けてくれた者達か

私の依頼を受けるのだなっ」

そこにはお嬢様風にゆるふわウェーブをした亜麻色の髪で、少しだけ胸元がVの字に開いて、下の方は大胆にも開かれ、フレアの様にスカート部分が広がっている赤色のセクシードレスに身を包む身長140cm前後の幼女が腰に手を当て高圧的な態度でそこに居た。

ゆるふわウェーブに顔を埋めたい… そしてお嬢様幼女を上から眺めたい、胸元が少し開いてるので上からのぞくと多分、ちっぱいが覗けそうだからだ。

親父とロリコンさんの勝負 ロリコンさんの勝ち


無理に服に着せられてる感は無く、服を着ている印象を受ける。

さて、彼女が依頼主のユーディちゃんなのだろうか?

周りを見回してみるが、こういう契約ごとに保護者とかいらないのだろうか?


まずは無難に挨拶しておく。

「こんにちわ 私達、ロリロリハンターズがこのユーディちゃんの依頼を受け、

このペットであるその子を探してきます

そして依頼主であるユーディちゃんと、一応とは言え、報酬の発生するお仕事なので

保護者であるご両親とかはいらっしゃいますか?」


目の前のお嬢様幼女が一瞬驚いた顔をするが、すぐに笑顔になる。

「ふっ お前たちおもしろい奴だなっ

気に入ったぞ

直々に説明してやるっ」


わざわざ階段から一階へ降りて来るお嬢様幼女をずっと眺めていると、

突然わき腹を突かれたので変な声が漏れる。

「うきゃっ!?」


横を見るとラピスちゃんが犯人らしい、どうした事でしょうか?

こんな事をする子では無かったと思いますが。

ちょっとふくれっ面になっています… はて? どうしてでしょう?

そのお顔も可愛らしいのですが。


一応仕事で来てるので私語は厳禁だと思うので小声で聞きます。

「どうしたの? ラピスちゃん?」


「しらないっ」

そう言うと、そっぽを向くラピスちゃん… 何があったのですか?


一階まで降りて来たらしいお嬢様幼女が俺たちの近くまで来る。

「依頼の説明の前に、私の自己紹介をしよう

私はこの街を治めている伯爵家、ローゼンタール家当主ユーディだ

親はすでに他界した後だ」


うん そんな気がしたよ? 幼女が名家の当主とか、貴族とか小説であるもんっ

街の当主とか、伯爵とか言ったら貴族だ! 絶対君主制のアレだ… 逆らったら消される!

幼女だからつい、ちゃん呼びした後だよ、もう、後の祭りだよ。

「君がユーディ様ですか?

先ほどのご無…」


「やめろっ」

ユーディ様が相当、お怒りの様子、さすがに許しては貰えないか… 当たり前だな。

せめてラピスちゃんだけは命に代えてでもどうにか助けてもらおう。

日本人の必殺技、土下座をする、通用するか、分からないが。


さあっ次の一言で俺の運命が決まるのか… さようなら異世界… さようならラピスちゃん…

短い間だったけど楽しかったよ… 出来ればラピスちゃんのパンツを拝みたかった。


「ちがうっ 最初の態度でお前らは良かったのだっ

私に対する態度だっ 私の事は ちゃん呼びで良いっ


そうだっ 私の周りはいつもっ いつもっ 私に媚びへつらうか、怯え畏怖するかの二択だったのだっ

誰もが私を、私個人を見ようとしないっ そんな奴らだった

家族だけは私を見てくれたがっ もう居ないのだっ

家に使えてくれてる使用人たちは私を見てくれるが、それは家族と同じだからだっ」

ユーディちゃんが今までの鬱憤を吐露する。


「お前は特に私に対して、普通の人として接してくれたっ

それもただの子供としてだっ ユーディちゃんなどと言う敬称で生まれてこの方、呼ばれたことが無かったのだっ 素直にうれしかったのだっ そのように呼ばれてっ

感謝しようっ」


お前もだっ とユーディちゃんが、ラピスちゃんを指さす。


ラピスちゃんが突如指さしされてビクッとする。

「えっ? なに?」

慌てだす、ラピスちゃん 可愛いよ。


「お前も、私の眼前であるのにも関わらず、横の奴と痴話げんかを始めるわ

それが原因でふくれっ面になるわでそんな奴今まで見た事が無いわっ」


目前までユーディちゃんが来て、仁王立ちになり、腕を胸の前で組みながら話す。

「お前らがとても気に入ったっ

二人とも名を申せっ

私が覚えてやるっ

態度は最初の、普通の子供にする態度でよいっ」


俺も魂の土下座体制より起き上がり、ドヤ顔を決める。

「じゃあ ユーディちゃん…

俺の名は 鈴木 幼一 幼いが一番と書いて幼一と書く」


ユーディちゃんが少々驚いた顔をする。

正直ユーディちゃんにドヤ顔をしたのは俺ぐらいだろう… 貴族にそんな顔をする平民は居ないだろうから

「ふっ 凄く面白い顔だなっ

幼一か 覚えたっ」

ユーディちゃんは態度が大きいがとても素直でいい子だと思う。

今後も機会があればユーディちゃんに会ってお話ししたいなと思う、

最近、ラピスちゃんの影響か父性が出てきたのでしょうか、親バカのような考えが思いつきます。


ユーディちゃんがラピスちゃんに向く。

「お前の名は?」


ラピスちゃんが依然ふくれっ面で一応答える。

「ラピス」


えっ!? ラピスちゃんそれだけ? それも可愛いからいいけどふくれっ面で答えるのはどうよ?


「あははっ 私にっ

ふくれっ面っ それもそんなにも敵対的な目で答えられたのは初めてだっ

うんっ お前たち面白いぞっ」

かなり上機嫌な様子のユーディちゃん。


「幼一とラピスっ

お前たちが私の依頼を受けてくれるのだなっ

しばしまて、エヴァンスーっ」

ユーディちゃんが誰かを呼ぶ。


執事のおっさん、エヴァンスさんが別室より出て来た。

「ユーディ様 何用でございましょうか?」

ナイスミドルなおっさんがユーディちゃんに礼儀正しく要件をお伺いしている。


「件の依頼、この二人、幼一とラピスが受けてくれるそうだっ

準備をお願いするっ」

そういうとユーディちゃんは階段を昇っていく。


「了解です ユーディ様」


エバンスさんがこちらへ振り向く。

「貴方が、幼一様でしょうか?」


「ええっ そうですが」

ナイスミドルなおっさんに呼ばれたので少し萎縮してしまう。


「こちらのお嬢さんがラピス様で」

コクりとラピスちゃんが頷く。


エバンスさんが俺に握手を求めて来た。

「幼一様、ラピス様、使用人一同を代表して、深くお礼を申し上げます

ユーディお嬢様のあのような笑顔、ご両親がお亡くなりになられてからの数年

私共は見ておりません。」

エバンスさんが感涙の涙を流してる… 言葉的には凄く綺麗な話だけども、絵面は最悪だ。

おっさんとおっさんが握手をしながら、片方のおっさんが涙を流してるそんな状況。


ラピスちゃんにもエバンスさんは握手をしている。

「私たち使用人では出来なかった事をしてくださり、ありがとうございます。

それにユーディお嬢様が人の名前をフルネームで呼ばず、名だけで呼ぶのは

大変信頼し、心を許した証拠です、どうか、お嬢様と仲良くしてください

お嬢様が頼れる人は少ないのです」


エバンスさんが深く頭を下げて懇願してくる。

俺は頭を振ってエバンスさんの頭を上げてくれとジェスチャーする。

「エバンスさん やめて下さい

頭を上げて、それに様付はやめて下さい

俺はユーディちゃんが嫌がらなければですが、もう、友達だと思っていますよ?

同じぐらいの年の友達が出来たとラピスちゃんも喜んでいる思うので」

ラピスちゃんが頭を横に激しく振っているが、多分歳が違うって事だろうか?

確かに子供の時に一つ歳が違うだけで世界が変わったよなと、昔を思い出す。


頭を上げたエバンスさんだったがもう一度深く頭を下げた状態で

「本当にありがとうございます

お嬢様をよろしくお願いします」

エバンスさんは頭を上げると、用意があるので後程お呼びしますと一礼して

この場を去っていった。


しばらく、俺はラピスちゃんと他愛もない話をしながらエバンスさんかユーディちゃんが来るのを待った。



話をしていると、エバンスさんがやって来た、準備が出来たらしくこちらへと言われたので付いていく。

そこには屋根の付いた馬車とそれに繋がれたエンジンに車輪を付けただけの様な見た目の機械部分に、外装はダークヒーローが好みそうなスチームパンク風に仕上げられたバイクぽい物があった。


「こっ これは?」

現代人の俺には分かる、機械部分、これは原始的だが、エンジンだ!


ラピスちゃんも驚いてるらしい。

「なっ なに? これっ」

未知の物に興味はあるが怖いらしくおびえている。

おびえるラピスちゃん可愛いよ!


エバンスさんが簡単に説明してくれる。

今までは馬とか牛に馬車を引かせるのが普通だったが、新たに開発されたこのケルベロス二号に馬車を付けるのが上流階級でのトレンドらしい。

このケルベロス二号は魔力で動く魔力機関らしく、今までの馬等と比べ、速度が速く、休ませる手間いらず

、燃料は魔力で良いので操縦者が魔力豊富であれば長距離を走れると非常に優秀らしいがその分お値段が凄いらしい。

馬車自体も少し改良されているらしく、車輪の軸部分にたわみを付けた金属板が付けられており、簡単なサスペンションの役割をするように作られており、揺れが少ないとの事。


これに俺とラピスちゃんとエバンスさんは乗って目的地であるドラ山脈へ一日掛けて向かうらしい、食料などは積んであるので心配ないとの事。

俺はこの時、エンジンぽいこのケルベロス二号に気を取られ、本当に大事な事を見逃していた、ではなく気が付かなかったが正しいのか。


俺とラピスちゃんは馬車に乗り込む、エバンスさんはケルベロス二号に跨る、大型バイクのライダーの姿と同じだ。

エバンスさんがノーヘルで操縦するケルベロス二号がグオングオンとうなりを上げ、走り出す。

正直これ、早いです 多分40kmぐらい出てますよ 馬車がギシギシ鳴って怖いです。

バラバラにならないですよね?


ラピスちゃんを見ると予想外に怖くは無いのかはしゃいでいます。

「はやいっ お兄ちゃんこれ はやいよっ

街があんなに小さくなったよ」

はしゃいでいるラピスちゃんは非常に可愛いのですが私は怖くてしばらく丸まっていました。


1、2時間ほど経って慣れた頃でしょうか ふと疑問に思った事があります。

あれ? 俺達、ロリロリハンターズが受けた依頼って確か動物と言うかペット探しだよね?

何で馬車でそれも一日掛けて小旅行してペットを探すんだ?


依頼を受けた後で悪いが、エバンスさんに依頼の内容確認を行っておこう。


大声でエバンスさんを呼ぶ、ケルベロス二号の唸りが煩いのです。

「エバンスさん」


ケルベロス二号に跨りながら、エバンスさんが答えてくれる。

「幼一さん、なんでしょうか? 昼食でしたらもう少し先で取ろうと思っておりましたが、用意しましょうか?」


「違います、依頼内容の再確認ですよ

ペット探しですよね?」


エバンスさんが答えてくれる

「はい そうですが

何か気になる点でもあるのでしょうか?」

そう、答えるエバンスさん。


もしかすると、異世界の言葉の翻訳ミスなのだろうか…。

今後の生活においてもし、そのような事があれば重大な失敗に繋がる可能性が出て来るので、

翻訳が正常でない可能性だけは否定したい所だが。


今更、疑問に思った点を聞いてみる。

「こんな遠くの場所にユーディちゃんのペットが居るのですか?」

エバンスさんに聞いてみる。


「ドラ山脈と呼ばれる場所に居ると思われるので、

私達は現在その山脈に向けて移動している最中なのです」


もしかすると、旅行とか仕事とかで出払った時に連れて行っていたペットが逃げ出して行方不明とかになったとかかな?

もう少し色々質問を交わそうとしていたが、ラピスちゃんに呼ばれたので移動する。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん あれは何? 凄く綺麗だよ」

ラピスちゃんが指さす方向には大きな湖があります、多分村から出た事の無いラピスちゃんにはさぞ物珍しく映るのでしょう。

「湖だよ 池とかの大きい版だと考えたらいいよ

多分だけど、海と呼ばれる地平線の先まで続いて、沢山の生き物が泳いでいる場所もあるよ」


ラピスちゃんの目がキラキラしている。

「お兄ちゃんは旅人さんって話してたもんねっ

だから色々知っているの?

私しも海とか色々見てみたいなー 私、村の外と言えば森にしか出たことが無いから」


ラピスちゃんを連れて旅行へ行いって絶対に色んな場所を見せてあげよう。

海と川は絶対に外せない何故ならラピスちゃんの水着姿を見れるだろうからだ…。

水着なんて代物はこの世界にあるのだろうか… そもそも水際で泳いで遊ぶ習慣とかあるのだろうか?

無くても、ロリコンの意地で水着を作ってやる!


ラピスちゃんと会話していると馬車がゆっくり速度を落し始め、エバンスさんが声を掛けて来た。

「幼一さん、ラピスさん ここらで昼食といたしましょうか」


馬車の後ろにある荷台から組み立てテーブルや、キャンプ用品などを取り出し、組み立てる。

水や、蒔きなどもしっかりと用意しているようで、特段汲みに行く必要など無く、あれよこれよと言う間に

料理の準備が整った。

エバンスさんが見事なナイフ捌きで野菜の皮を剥き、切っていく。

執事ってお世話から、馬車の運転、料理など何でも出来るのだなーと感心した瞬間だった。


「エバンスさんって何でも出来るのですね

ところでテーブルとかは出来ましたが何か他に出来る事はありますか?」

エバンスさんに声を掛けつつ、何か出来る事は無いか聞いてみる。


「いえいえっ 出来ない事の方が多いですよ?

掃除は他の使用人に負けますし、老いぼれなので、戦う事すらできませんよ?

それに大切な主人であるユーディお嬢様の笑顔すら取り戻せないのですから…」

エバンスさんが調理しながら答えるが、後半の一行は凄く小さい声になっていた。


「さあっ そこにあるお皿を並べてはいただけませんか?

料理が出来上がりそうです」

確かに凄く良い匂いがしてきた、ラピスちゃんも馬車の周りで色々見居て回っていたのだが

この匂いに釣られて戻って来た。


「とってもいい匂いがするー」

お行儀よくテーブルに着くラピスちゃん。

俺もテーブルに着く。


「野菜も入ったミートパイの出来上がりです」

エバンスさんがテーブル中央に出来立てのミートパイを置いてくれる。


「では、いただきましょうか?

私はお祈りさせていただいてから頂ますので」

エバンスさんがお祈りを始め、ラピスちゃんもお祈りを始める。


俺も日本人のやり方である両手を合わせて頂きますをする。

「いただきます」

こんな形で本格的なミートパイを食べることになるとは夢にも思っていなかった、元居た世界ではせいぜい、コンビニに売っているカップの中にビーフシチューもどきが入っており蓋として、上にパイ生地が載せてあるのをレンジでチンして一人寂しく食べたぐらいだ。


非常に美味しく、食がすすむ。

気が付けば、今度は俺が一番最初に食べ終わり、次にラピスちゃん、最後にエバンスさんの順だった。


「ここで半刻ほど休憩して、後一刻もすれば目的のドラ山脈が見えて来るでしょう

もうしばし、馬車の旅をお楽しみください」

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