学園編(クロス)
○武器召喚
僕が学園に入学してから1ヶ月がたった。
僕は
まだ座学だけでそれは知られていないが……はぁっタダでさえアレのせいで目の敵にされてるからイジメとかありそうだな。
まあ、この状態でも疫病神を殺す方法は思いついたから後2年の辛抱だけど。
「クロスおはよ!」
そんな僕の苦労を知らずに元気良く僕が目の敵にされる原因であるアホはいつものように挨拶をしてきた。
めんどくさいが疫病神を殺す方法にこのアホの存在も必要になってくるから仕方なく対応した。
「おはよう」
「今日は武器と使い魔を召喚するね!
かわいい使い魔だといいなあ」
「そうだな」
「もう!ちゃんと聞いてよ!」
「聞いてるよ」
「じゃあ適当に返さないでよ!あ、わかった!
武器と使い魔の召喚が楽しみなんだ!
だから、そのことで頭いっぱいで返事が適当になってるんでしょ!」
「違うよ」
「いま嘘ついたね?大分前にも言ったけどクロスの嘘はすぐわかるから意味ないよ!」
……なんでコイツにいつも見透かされるんだ。
武器と使い魔の召喚なんてワクワクしないわけないだろ!
自分に最も適した世界に一つだけの自分だけの武器と一生のパートナーを召喚するんだぞ?
そんなことを考えていると朝のST5分前の鐘がなったと同時に先生が入ってきた。
「少し早いけど朝のSTを始めるから皆さん席についてください」
「ほら席に戻れよ」
「うん、じゃあまたね!」
◇◆◇◆◇
召喚を行うためにクラス全員で外へ出たが召喚はクラス単位でやるためグラウンドには大きな魔方陣が10個描かれており万が一のために10人の先生がいる。
「では最初は武器召喚を行います。
4人1組を作って代表者は私のところへ来てください。
武器召喚の魔方陣が書かれた紙を渡します」
なぜ4人1組になる必要があるんだ?
1クラス40人で僕のクラスも例外ではなく絶対に10組出来る。担任の先生以外に先生が10人、魔方陣も10個ということは……
「おーいクロス!こっちおいでー!
武器召喚の紙もらってきたよー!」
僕が考えてる間にアホはクラスであまり目立たず入学したてのためかクラスでおせっかいなアホ以外と話してる姿を見たことない2人を連れてやってきた。
まあ僕も、その2人と同じだから何とも思わないけど。
「クロス君だよね?よろしくね」
「君はディーフ君だね?こちらこそよろしく」
「しっててくれたの?嬉しいなあ」
伸ばされた手を掴み握手した。
思った以上にフレンドリーだな。何でアホ以外と話していないんだ?まあ、別にそんなのどうでもいいか。
「そっちはサラさんだね?よろしく」
「……」コク
サラさんは
「ねえねえ! 挨拶はそれぐらいにして早く武器召喚しない?」
「そうだな、じゃあ紙をくれ」
「はい!どうぞ!
サラちゃんとディーフ君もどうぞ!」
「ルーチェさんありがとう」
「……ありがとう」
か細い声でサラは答えた。
恥ずかしがり屋なのかな?
と、それよりまずは武器召喚だ!
たしか、この紙に魔力を流せばいいんだっけ?
少し魔力を流すと紙が消え目の前に刀身が黒色の刀と鞘が現れた。
神様からチートを貰った時と同じように何故か剣の名前と能力がわかった。わかったのだが……
《名前:こくとー
能力:ぜったいにこわれない》
ひらがなで能力も本当かどうか怪しいし適当すぎるでしょ!もっと何か斬撃を飛ばすとか期待してただけに悲しい気持ちになった。
まあ剣だっただけマシか。
そうディーフを見ながら思った。
「え?なんでメガネ?」
そう武器召喚で召喚されるのは武器のはずなのに黒縁メガネが出てきたのだ。
「まあ能力はかなり強力だから別にいいか」
メガネなのに能力が強力?
「ディーフ君、差し支えなければ能力を教えてくれないかな?」
「いいよ、えっとね。メガネを通して敵を認識すると敵の動きを予測してくれるんだ。死角からの攻撃も予測可能で、更に魔法を1日1個だけストック出来てメガネから認識した敵に追尾するように
羨ましい。僕が貰ったチートよりもチートなんじゃない?
「クロス君のその剣かっこいいね。
どんな能力なの?」
「僕のは「クロス!見てみて!」なんだ?」
アホの声に反応して見たら、アホの手には大きく綺麗な宝石が先端についたシンプルな杖があった。
「私も剣だったよー!能力は私が対処出来ない攻撃から守ってくれる結界を1日3回張ってくれて、魔力を流すと流した分だけ強くて弾力性のある結界を張るか魔力の分だけ強い斬撃を放てるんだ!
それに光属性の魔法に使う魔力量を半分にしてくれるんだ!凄い?羨ましい?」
……羨ましぃぃいいいいいい!
「全然」
「あ、嘘ついた!」
「うるさい黙れ!サラさんは弓なんだ。
ここに来る前にやってたりしたの?」
話をそらすために黄色の弓を持っているサラに話しかけた。
「……」コク
サラは無言のまま頷いた。
「酷いよクロス!
サラちゃんは弓なんだ!能力は何?」
「……能力は魔力で矢を作れて何かに当たるまで何からも干渉を受けない矢の強度は魔力に作用されて途中で増殖や爆発させたりも出来る」
意外に話せるんだ。
「凄い能力だね」
「……」ムフ-
無口で表情は乏しい方だけど、わかりやすいな。
ていうか、何これ?僕への嫌がらせ?
なんで神様からチート貰った僕よりもこの子達のがチートなの?
「うわあ!凄いね!
ねえ!クロスはどんな感じなの?」
「僕のはとても壊れにくいんだ」
「「「(……)え?」」」
3人がそれだけ?といったかんじの顔になった。
「聞こえなかったの?とても壊れにくいんだ。
あ、先生が使い魔召喚の説明をするって呼んでるよ。
早くいこ?」
◇◆◇◆◇
「使い魔召喚は召喚したものに魔力を流されれば契約完了です。召喚されたものは召喚された事、人語、使い魔についてのほぼ全てを理解し人語を話せるので大抵話し合いで契約できますが稀に戦闘になることがあります。
そのときは武器召喚をしたメンバーで一緒に戦ってください。危険だと判断した場合、魔方陣に近い先生方が手助けしてくれるので安心してください」
「先生もし1対1を申し込まれたらどうするんですか?」
誰かが先生の説明を遮り質問をした。
「良い質問ですね。
使い魔召喚の魔方陣で召喚されたものが負けた場合、強制的に召喚主と使い魔の契約が行われるので大丈夫です。
また使い魔召喚中は魔方陣の上空3000mまで結界が張られるのでパニックに陥らないように」
なんか召喚側にメリットばかりでズルイな。
デメリットなんて、手のつけられないほど強大な力を持ったものを召喚した時に逃げられないってことだけじゃん。
「では先ほど武器召喚の紙を配布した際に伝えた魔方陣へ代表者は他のメンバーに伝えた連れて行ってください」
「私達の魔方陣は1番近くにあるアレだよ!
誰から召喚する!?」
「1番やりたそうな、お前からでいいよ」
「うん俺も異論ないよ」
「……」コク
「えへへ!みんなありがとう!じゃあ私からやるね!」
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