△誕生
「レリカ様!頭が出てきましたよ!複式呼吸を!
ヒッヒッフーです!」
「ヒッヒッフー!ヒッヒッフー!」
絶賛出産中の美女とメイド服を着た数人の女性、そして美女の夫だろう男がいた。
「そうです!旦那様も手を繋いであげてくださいませ!」
「……」
「旦那様!」
夫であろう男はメイドの言葉を無視し黙って美女を見ている。
「だ、大丈夫ですよメイド長、これは2回目の出産ですし」
「ですが……」
しばらくして美女から赤ちゃんが取り出された。
瞬間。
「アアアアアアアアアアアア!」
美女は叫び声を上げた。
流石に静観を決め込んでいた男も不安そうに美女を見つめた。
「レリカ様!?」
「アアアアアァァァアッ!」
叫びが終わると同時に美女は息絶えた。
「オギャーオギャー!」
そしてそれと同時に赤ん坊が産声を上げた。
数秒間、黒目に赤色の五芒星が浮かばせて。
「駄目ですレリカ様はもう」
「くっ!申し訳ございません旦那様、私共が力ないばかりに……旦那様?」
メイド達が必死に延命処置をするも、既に意味など無かった。そして残念な結果を男に伝えるが男は既に死んだ妻に興味を示していなかった。
「素晴らしい!この子は何れ、この国のいや!
この世界の宝になるぞ!」
否、死んでしまった妻よりも新たに産まれた子供の特異性に誰よりも早く気づき完全に意識を奪われてしまったのだ。
「ど、どうなさったのですか旦那様!
今はレリ「そんなのは今どうでもいい!」なっ!?」
その言葉にメイド達は言葉を失った。
「感じないのか?内包されている魔力の異常さを!見てなかったのか?一瞬目に映された五芒星を!
この子は赤ん坊ながらにして一般の大人を軽く凌駕する魔力を持ち、数十年に1人宿るかわからない魔眼を持っているんだぞ!」
男はメイドから赤ん坊を取り上げ天に掲げた。
「レリカは最後の最後に素晴らしい置土産をくれた!
安心してくれレリカ!俺はこの子を大切に育てるよ!」
メイド達は男を妻が亡くなってしまったから狂ってしまったのだと心の中で嘆いた。
「旦那様……」
ある王国の、王族の次に権力がある貴族の家に後に『天の至宝』と呼ばれることになる赤ん坊が生まれた。
その赤ん坊の名はクロス=ダーク。
元日本人のチート持ちの転生者だ。
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