○△チートを貰おう
僕は単純に復讐とかそんな気持ちで転生するわけじゃない主人公によって人生をめちゃくちゃにされる人達を減らすために転生する。 決してやましい気持ちが有るからではない。
たぶん……
「おっけー!
じゃあ契約成立ってことで、この紙にサインをしてね」
神様はそういいどこからか紙とペンを取り出し渡してきた。
念のために良く紙を読もう。
「私にも読ませてください。
ゼール様のことですからよからぬ契約を結ばせようとしてるかもしれません」
「ありがとうございます」
こうして僕は天使な少女……ルックさんと共に契約書を読み始めた。
「あのールックちゃん?
一応俺、君の上司だよね?
なんでこんなに信頼されてないのかな?」
「常に貴方に対する苦情が同僚の天使から絶えないのに信頼があるとでも?」
「うぐ!」
「だいたい主人公体質も上位の神なら簡単に消失可能でこんな面倒くさい方法なんて取らなくて済むのに罰としての側面もあるから色々な力を封印されてるんですよ!わかってますか?」
主人公体質のことや封印された理由など気になることが色々聞こえたがルックさんのあたりの剣幕にたじろんで聞けなかった。
10分ぐらいルックさんの神様に対する口撃が続き神様はダウンした。
契約書には特に変な記述も見つからなかったのを確認したので既にサインは済んでいる。
サインを書いた瞬間、体が熱くなったが直ぐに収まったルックさんによると生死を超越するとき誰しもが味わう感覚らしい。
「じゃあチートをあげるよ!
まずは、この中から好きなのを選んでね!」
神様は黒板を出し、チョークで文字を書き始めた。
《①全てを見透かす目、全てに悟られなくなる体
↑超オススメ!
②これから行く世界で最も強い存在をその身1つで圧倒する筋肉
↑見た目は変わらないから脳筋に見られないよ!
③欲しいチートを何でも1つだけあげる
↑能力をつくる能力的なのもいいけど制限がつくよ!
④クジ箱を3回引いて貰って出たチートをあげる
↑自分の欲しい物とは限らないから要注意!》
1つ目はやましいことにしか使えそうにもないな。
というか、あんまりチートっぽくない。
「失敬な! 暗殺特化だぞ!」
「主人公補正の前では無意味になると思いますがね」
「うっ……」
そうルックさんが言ったので絶対に1つ目の選択肢はなくなった。んー3番目か4番目で迷うな。
具体的なチートが思いつかないし、4番目でいいや。
「えっマジで?
1番オススメ出来ないやつじゃん」
「クロスさん自身の選択なので文句言わないでクジ箱を早く出してください」
「ルックちゃんが冷たい」
ボン!っという音と共に立方体のクジ箱が出てきた。
「じゃあ早速1回目ひいてみよう!」
「はい」
僕はクジを掴めるだけ掴んで取り出そうとした。
「あ、ちなみに1度に複数枚クジを取ったら即刻地獄行きだから」
「えっ!?」
僕はクジを取り出そうとした手を戻し1枚だけ掴み直しクジ箱から手を抜いた。
「結果は最後で見ようか続いて2回目ひいてみよう!」
そして全てのクジを引き終わった。
「じゃ出たチートを黒板に書いてくよ」
《①無限に近い魔力
②言語能力特化
③ボックス》
「あまりチート感があるやつがないね。
だから①をオススメしたのにさ。
まあいいや早速チートとチートに関する知識をあげるよ」
パチンと神様が指を鳴らすと僕の頭の中というより感覚的なもので全てのチートの使い方がわかった。
「うん、これで感覚でチートを使うことが出来るはずだ。と言ってもボックスしか【使う】って表現は合わないけどね」
たしかに2番目まではゲームでいうパラメーター上昇とパッシブスキルみたいなものだね。
「あ、そうだ勇者召喚される彼を殺りやすいように17年前ぐらいに戻って赤ちゃんスタートか今の肉体のままノープランで異世界に行くか選べるけどどうする?」
赤ちゃんスタートの場合のがメリットが大きいからそうしたいけど、この歳で赤ちゃんプレイは嫌だな……
「それなら安心して産まれてから5年間は意識を封印しといてあげるよ」
「なら赤ちゃんスタートでお願いします」
そう言った瞬間、神様の口角が一瞬上がったのだが僕は気付けなかった。
「なら、その肉体ともオサラバだね。
痛くないし気にしないでいいよ」
「えっ!?」
「新たな人生を楽しんでね!」
その神様の声と同時に俺の立っていた灰色の地面に穴が開き、僕は重力のまま落ちていった。
「うわあああああああああああああああ「主人公体質君の殺し方とか期待しているよ。まあ出来なくて一生を遂げても罰とかないから気楽にね」ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ「……あれ?長くない?」ああああああああああああああああああああああああああああああ「あのゼール様これ大丈夫なんですか?」ああああああああああ「……」あああああああああああああああああ「目を逸らさないでください!」あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」
ドン!グチャッという大きな音と共に俺の叫びは消えたと後に変態は語った。
◇◆◇◆◇
ゼールは黒周を送った後、真面目な顔をしてルックの方を向いた。
「にしても彼は凄いよね。
ルックちゃんを投げ飛ばしたり俺の魔法すらも無効化出来たアノ体質とか性格とか」
「性格は周りの環境により形成されると言いますが彼の場合は体質のせいで環境が変わり、あの性格になりました。つまり体質のせいで性格が形成された稀有な例ですね」
「魔法を無効化にされた件はノータッチなの?」
ルックは主人公補正のある者でも触れた瞬間、動きを止めれる魔法を発動していた。
それは黒周が触れたときにも発動するはずだった。
しかし魔法は発動されず、ルックは5歳児並みの見た目ながら天使なのでトラックに衝突されても無傷の身体能力ぐらいは有している。
なので何故か動けている黒周を守ろうとトラックの前へ出ようとしたが投げ飛ばされた。
仕方なくゼールはトラックを魔法で止めようとした。
結果、魔法は発動せず黒周の死だ。
それらは黒周の主人公体質以上にやっかいな体質のせいだ。
「まあ今後、彼が自分の体質に気づいたところでどうにも出来ないし神の王補佐たる俺でもどうにも出来ない……もしかしたら神の王でもね」
「クロスさんは、その体質以外至って普通の人間で過去の輪廻転生の記録も調べたのに何も不審な点がないのが不思議ですね」
「だね、これで彼が神の生まれ変わりとか神の子供とかだったら納得出来たのにね。まあ運命として受け入れるしかないね」
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