核に在る学園Ⅱ
「天理館・・・学園。やっぱりここは学校なんですか?」
そう問いかけると、前にいる彼はイスから立ち上がった。
立ち上がると隠れてよく見えなかった制服が見えた。着ている制服は全体的に上下、真っ白でまるで王子様のイメージ。制服につけられている装飾類も何から何まで輝いて見えた。
彼は反対側にある窓の方に向かって歩し、開いていたカーテンを閉めだした。
「そうだよ、まぁここは天理館学園の中等部と高等部がある場所だけどね。キミは確か中学2年生だったね。生徒会にも同じ学年の子が二人いる、もうすぐ昼休みだから時期にここに来るだろう紹介させよう」
ただ立っていると、彼は不思議そうにこっちを見てきた。
「・・・・えっと、どうかした。わからないことでもあった。あっ何か質問とかあるのかな?」
そう聞かれるとわたしは我に返ってとっさに思い出したことを口にした。
「えっと、その・・・生徒会長・・・様?」
そういうと、その場がシンと静まり返った。そして思い出したかのように手をポンとして
「あー・・・自己紹介してなかったか、迎えに行ったのも僕じゃなく凜達だったからなぁ。ごめんね」
そういうとわたしに近づいてきて、もう一度わたしの顔をじっとみた。
そして挨拶をした。
「僕の名前は
自己紹介されてわたしも反射的に
「えっと、藤咲 理架です。よろしくお願いします」
と少しお辞儀をした。
城乃・・・しろ。わたしは少し昔のことを思い出しそうになって再び前を向いた。思い出したくない記憶。消えない記憶。
カーテンが閉まったせいで部屋の中は一気に暗くなった。明かりはつけないのかなと思っていると、生徒会長はわたしに聞いた。
「制服・・・どうする?」
「は・・・、制服?」
意味の分からない問いかけにわたしは頭を傾げた。
そうすると生徒会長は机に戻り、引き出しを開け中から数枚のプリントを取り出しわたしに見せてきた。
「これが今の中等部の制服の一覧なんだけど・・・、気に入ったのあるかな人通りはあると思うんだけど・・・」
渡されたプリントには色んなパターンの制服がたくさん画像付きで載っていた。ブレザーからセーラー服、ワンピースや中には私服っぽいものまで。わたしは目をぱちぱち瞬きしながらプリントをすべて見た。載っている制服の一覧は凄く完成度が高かった。制服の画像の下には機能性や色パターンまであった。夏服、合服、冬服それにカーディガン、革靴や鞄すべて渡されたプリント内に記入されていた。わたしは何度も見返し、なんとなく着てみたいのとデザインが気に入ったワンピースタイプの制服を指差して選んだ。
後は生徒会長がお任せで選んでくれて、最後に制服の色を決めることになり、わたしは悩んだ。
そして今度は違うプリント渡され、服飾を選んでいた。主に制服の正面につけるリボンやスカートのレース部分や飾り関係だった。いろんな細やかなデザインを見て、わたしは全体的に白色で周りに黒のアクセントやレースが付いて黒色の細いリボンを付けた、中学生の制服っぽくない少し大人っぽい感じの制服に決めた。
まるでゲームの中のキャラクターの服を選んでいるような気分だった。
そうすると生徒会長が、わかったこのデザインで作成しておこう。明日の朝、学校に行く前には届けさせるよと言った。
「じゃあ、今日は一応・・・予備の制服でも着てようか。その姿だと午後の授業に出るとき目立つだろうし・・・。藤咲さん、この部屋を出て左にあるlady'sって書いてるプレートが付いてる扉に入って着替えておいで。鞄とかはいいら・・・制服と靴、あと髪形とか色々置いてるはずだから、自分なりに身支度してきてくれるかな?」
そう言われ、わたしは部屋から出た。
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