核に在る学園Ⅰ
目を開けると天井にある電球の光が凄く眩しかった。
体を少し動かしてみるとベッドで横になっていることに気づき、体をゆっくりと起こした。どうやら辺りはすべて真っ白で統一されており病院・・・いや、保健室みたいな所だった。きょろきょろと周りを見ていると、目の前のカーテンが開かれ奥から白衣を着た女性が一人現れた。
「あら、目が覚めた?もう具合は大丈夫そうね、顔色もいいようだし。連れてこられたときは心配したけど、これなら問題ないわね」
「あの・・・ここどこですか?」
そう問いかけると、女性は窓の外にある立派なステンドガラスがついている建物を指差した。
「あそこに行くといいわ。そこですべて教えてくれるから。今なら授業中だから
誰にも邪魔されず、すぐに生徒会長様に逢えると思うわよ」
「生徒・・・会長、様?」
そういうと、わたしは部屋から早く行きなさいと追い出され静まり返った廊下に一人ぽつんと立っていた。
そしてふと上を向くと、保健室という表札があった。
「・・・学校?」
結局わたしは教えられた通り、その建物に向かうために出口を探し歩き出した。
廊下を進み、靴箱がたくさんある場所に来た。汚れてなく綺麗で傷一つないように思える真っ白な靴箱だった。
「すごく・・・綺麗」
そして、靴箱の箱の一つ一つを見ていると名前が書いていた。
靴箱の中にはローファーや運動靴、他にもスニーカーやヒールのついた靴まであった。靴箱の上の方にはⅠの文字。なんとなく見ながら歩いていくと自分の履いていた靴を見た。もしここが本当に学校なら、上履きやスリッパを履いていないといけないのに・・・
「わたし、靴で廊下を歩いてたんだ・・・
と、今気づいても仕方がないことにがついた。
そして目の前の靴箱に書いてある名前を発見した。
そう書いていた。中には何も入っていない。
わたしは純粋に同姓同名の・・・人?と思いながら結局、よく考えずにわたしは建物の外に出て奥にあるステンドグラスが壁にはめ込まれている光り輝くの綺麗な建物に向かって歩き出した。
外には花壇や樹木などがたくさんあった。中には見たことないようなものまであってわたしは興味を注がれた。他にもテラスみたいな建物や、小さな川や橋などいろんな建物があった。まるで美しい広い庭のような印象。
わたしの屋敷の古風な感じではなく洋風の外国風のイメージにわたしは内心でワクワクしていた。
建物に近づくと遠くから見ていたよりずっと凄かった。まるで立派な塔でステンドグラスにはカラフルに花や鳥などのイラストが描いていた。
そして、扉の横にある壁にプレートがかけられていて生徒会室と記入されていた。
「・・・生徒会、室?」
近づいて読んでいると扉が音を立てて開きだして驚いて一歩後ずさんだ。
「えっ、何どうして?」
開いた扉から中をちらっと見てみると、中には透明なガラスでできているようなテーブルと6つのイスがあった。
中に入ると、まるで別世界のようだった。
ゆっくりと一歩ずつ前に進んでいくと、上の方から物音がした。そして上を向くと、金髪の少年が2階からわたしを優しい笑顔で見下ろしていた。
わたしが男の子の方を向くと、優しい声で教えてくれた。
「そこの奥にある階段からこっちにおいで、そしてこの部屋に入って。先に中で待ってるから心の準備をして入ってきてね」
そういうと彼は歩き出して、柱の影に入ってしまい見えなくなり扉の開く音と閉まる音が聞こえた。わたしは少し駆け足で階段に向かい上り2階を歩いていると彼の言った言葉を思い出した。
「・・・心の準備って何だろう?」
そう思いながら、奥にあるちょうど入り口の真上にある扉の前に着きわたしは一度深呼吸をしてノブを手に取り扉の中に入った。すると、外の日差しが目に入ってきた。そして目の前にはまるで校長先生が座っていそうなイメージの机とイスがあり、彼が座っていた。
そして、わたしをじっと見て告げた。
「ようこそ世界の核に在る学校、
この学園は君の存在を迎えよう」
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