まだこなれない部分があるものの、きっちりとした文章で丁寧に話を進めているところが好印象。サイコメトリーという、アクション向きとは思えない超能力をどう使うのかと思ったが、逆にそこが昨今の異能バトルものにはない落ち着きがあって新鮮。続編があれば読みたい。
主人公の一人称で進むけれどもサイコメトリーの能力によって複数人の視点を実現できているのが巧みですね。また、主人公のおとなしい、ともすれば引っ込み思案なところが最後まで一貫して書かれていたのが良かったです。居場所が見つかり、これからが始まりなのだとプロローグ、優しい余韻でした。