当作品についてのメモ書きと免責事項

☆作者からの免責事項


作中にて今日の感覚においては一部、考慮すべきととられる語句・文章があるかもしれませんが、あくまでも19世紀当時の時代背景らしさを表現するためです。決して意図的ではございませんことをご理解願います。


☆シリーズ作品について


歴史ものにつきものの時代考証ですが、わからないところは想像でとっても適当に書いています。

だから参考にしないでください。したら嘘っぱちだらけなので、後悔することまちがいなし! 時代背景の質問等もご遠慮ください。

もし作品が好みに合えばさいわいです。コメントなくても私は構いませんので、★いただけたらありがたいです。励みになります。

(コメント無しの★は迷惑、とおっしゃている作者さんたちがいらっしゃるようなので、こちらで書いておきました。)

残念なことにイマイチ…と思われたら、無言でさよならが希望。チキンハートにつき申しわけないです。


あと、喫煙シーンが多々ありますが、19世紀当時は煙草は健康を損なうものという概念そのものがなく、紳士のたしなみでもありました。未成年が吸ってもまったく問題視されなかった点を含め、あらかじめご了承ください。



☆各話メモ書き



第一話:ふたりのアレックス


⇒「アレックス」の正式名称。男性は「アレクサンダー」女性は「アレクサンドラ」です。ちなみに「サンドラ」は女性の短縮形です。

⇒准男爵の称号は正式な貴族ではありません。厳密には平民扱いになります。貴族だとロード・○○で、日本語に訳すと○○卿になります。准男爵は該当する日本語訳がないため、サー・○○(ファーストネーム)になります。



第二話:未遂のロマンス


⇒この作品はロマンス小説ではありません。よくあるロマンスのパターンを外した内容ですので、王道な恋愛物を期待されたらごめんなさい。今後も期待しないでね。そういうのは読むのも書くのも苦手…。



第三話:傷心サバイバル


⇒鉄道の路線云々は作者自身もよく知らないため、参考にしないでね。他のシーンもかなり適当度が高いです。



第四話:美しいメイド


⇒男子一人のみが全て相続できる、限嗣相続が本作の鍵となっていますが、現代的な感覚からすればまさに女性差別そのものに思えるでしょう。

しかし、それにも歴史的理由があります。

まず、相続できる者を限定することによって親族同士の骨肉の争いを避けるのがひとつ。

もうひとつが、財産や領地を分割することによる貴族の弱体化を防ぐためです。

フランスでは爵位は兄弟男子全てが継ぐことができ、女子も財産を相続することができました。

しかしその結果、貴族の数が増えすぎてしまい――けれど彼らは上流階級の人間なので労働はしません。最終的に庶民へ税金が重くのしかかり、ついに起こったのがフランス大革命です。

相続を限定することにより、イギリスでは長年、貴族や郷士たちの権威が保たれました。その代わり、貴族の数は他国に比べ、遥かに少なかったようです。



第五話:黒いマリア


⇒本作の最後の補足から察せられるように、初めて書いたミステリーです。

あのどこがミステリー? というツッコミは多々あるかもしれませんが、以前から書いてみたかったんだよなー。

ちなみに探偵小説で有名なシャーロック・ホームズは、設定の時点では誕生していません。



第六話:コルセットとシガレットケース


⇒ブランドン・リスター氏をもっと早く再登場させたかったのですが、彼も手紙に書いているように、すぐに出てきたらお話的に不自然になるので、ここまでぐっとこらえました(微苦笑…)

初めはキツネ狩りの設定でしたが、書き終わったあと新たな資料を読んだら大きな間違いをしていたことが判明。ああ、先に読んでおけばよかったと、後悔(大失笑…)



第七話:透きとおった冷たい炎


⇒当時は喫煙が健康に悪いものと認識されていなかった、と当ページのはじめに書いていますが、それでも書き手の現代人感覚が抵抗してしまい、ああいう流れにしました。

なので物語の設定としてご理解くださればありがたいです。

⇒当時、各部屋に鍵はかかっていないのが普通でした。

自由に出入りできないと使用人が暖炉に火を入れたり、起床させたり、掃除ができないためです。

主人や同僚の目を盗んで何をするかわからないため、使用人部屋にも鍵はありませんでした。

ツッコミがあるのは承知していますが、作品内で書いてしまうと説明臭くなるため、あえて触れておりません。



第八話:自転車と六月の花嫁


⇒本作の段階では女性が二輪自転車に乗るのはありえない、という設定ですが、数年後には女性向けの自転車が登場し、サイクリングが広く普及します。

ちなみに自転車には男乗りと女乗りというのがあって、スカートでも楽に乗れるのが女乗りです。フレームの型がママチャリのように、凹んでいるタイプがそれ。



第九話:ライバルは明日


⇒英国での海水浴場はレジャーのみならず、温泉同様、夏の保養地として人気がありました。日光が少ないお国柄ならではです。

⇒タイトルが思い浮かばず、昭和チックな青春ドラマみたいになってしまいました。センスなさすぎな自分(涙)



第十話:女神は二度、微笑む


⇒当時の女性たちが自立するための職業は限られていました。とくに上流階級の女性は『仕事』を持つことは恥とされていました。彼女らがピアノを弾くのは、あくまでも上品な趣味のひとつにすぎません。

仕事をするとしたら、中流階級は女家庭教師、労働者階級ならばメイドです。

19世紀末ごろになると、教師やタイピスト、電話交換手、看護婦が加わりました。本格的に社会へ進出するようになるのは、第一次世界大戦以降です。



第十一話:きみは羽ばたく


⇒いきなり登場した文豪モンティーニ氏。彼のモデルは三銃士を書いたアレクサンドル・デュマです。

驚くほど豪快な人物だったようで、健啖家でありたくさんの愛人がいました。作家というより、エンターテイナー。かの三銃士は、売れない作家が書いた小説を、デュマが書き直したところ大ヒットしたという逸話があります。

その後、著作権をめぐって原作者と裁判沙汰になってしまい、スキャンダルにまみれたという後日談つきですが……。

ちなみに主人公アレックスの名は、作家として大成する願いをこめ、デュマから取りました。



第十二話:旦那さまとウェディングドレス


⇒ヘブンズ・クラブの入会条件は、創作です。

実際にあったのかどうかは定かではありませんが、いろんなバラエティに富んだクラブがありました。入会条件もさまざま。

⇒完結話。

最後まで読んでくださってありがとうございました。



◆文章について


今作の文章ですが、昔書いた作品より若干ライト寄りにしています。

以前、感想というか批評をいただいたことがあったのですが、時代ものらしくするために古めかしい言葉や単語を使ったのが一部の読み手には不評のようです。

まあ、ざっくり説明すると、「差別用語」では? というご指摘。

例では、下男や下女。あと女中など。文学では普通に出てくるのもあって、自分としては普遍的な表現ですが、時代物を読み慣れないとそう感じてしまうそうです。

だから現代用語に置き替えても違和感があまりなさそうなのは、変えています。


あと、カタカナ用語もときおり使用しています。

こだわる読み手は違和感あるそうですが、逆に読み慣れないと堅苦しくて難しく感じるそうです。

だから普遍的なカタカナ用語のみ、使うことにしました。

なので「チャンス」や「ショック」を使うのはおかしい、というご指摘はご遠慮ください。あえてそうしています。


描写も同じ理由で以前より少し減らしています。文章多くてしんどい、という読み手が多いのがネット小説だからです。


ストーリー同様、文書も読み手や書き手によって、好みがさまざまです。

正解はありません。だから「なんかちがうなー」と思われても、そういう文章が好みの書き手がいるのだとご理解くださればさいわいです。



◆2017/1/1 追加


後日談の短編をアップしました。コメディ。

本編のおまけになります。ネタバレにつき、読了後推奨。



◆番外編、後日談について


http://green.ashrose.net/

↑上記のサイトにてお報せします。

もし興味があれば、訪問お待ちしております。

(ペンネームは異なりますが、同一人物です)


◆主な参考文献について


http://sitsuji.ashrose.net/

↑の参考文献ページに一覧があります。




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