いでよ金髪幼女なのじゃ



「ふぅ…こんないかにもな街道まででてきたけど魔物は来ると思いますか?」


隣に立つ金髪碧眼の幼女に向かって話す。


「うむ、どうだろうのう?あるじ様。

先ほどまで貼ってあった結界は解除されておるようじゃし」


今の会話で、わかったかもしれないが彼方が天界に帰った後、俺は眷属をよびだし、反日ほど愚痴を聞いていたあの花畑を出てRPGなどでよく魔物やら盗賊やらがでてくる街道まで来ていた。


盗賊やモンスターに襲われてる馬車がいるテンプレにも期待はしていた。がそんなことは起こらなかった。


いくら平和らしいこの世界でもモンスターはいます。


今は自分の見た目ですからいうのもあれですが美幼女二人なんてオーク辺りにみつかってたらまず襲われてますよね。まあ、返り討ちなんですが。


フハハ、我のチートを舐めるな!

俺はどっちかというと舐めたい!


と、そこまで考えたところでアリアが心配そうにしながら疑問を投げ掛けてきた。



「ん…そういえば、あるじ様?。主は確か血を見るような機会はあまり無かったはずじゃが大丈夫か?

というかあるじ様は魔法はまだ難しいだろうし、まともに戦えるのかのう?

魔術の呪文はわからないじゃろうし、かと言って『徒手空拳』というスキルがあったと思うが、その格好だと難しいじゃろうから、今更ながら心配なのじゃが」


なんだろう、この眷属はなんというか凄く心配してくれてありがたいのだけど、ちょっと過保護な気がする。


それに戦闘に関してはたぶん問題ないと思うし少し気恥ずかしいが嬉しくはあるのでほほえみながらこう返した。


「いえ、多分ですが戦闘については問題はありません。心配してくれて、ありがとうアリア」


「い、いや、別にお礼を言われる事ではないのじゃが。というか、は?

あるじ様はいかにして闘うつもりじゃ?」


というかなんていうかアリアも私がほほえむと顔を赤くしていた。


そんなに可愛いか?この顔?


頬をクニクニしてみる。


いい加減どういう事なのかききたい気がする。彼方といいアリアといい





基本的な近接戦闘、中距離戦闘、遠距離戦闘では武器を操作し体力を減らす通常攻撃、武器事にセットできる数に違いはあるが、スキルなどをセットしそれを選択し発動して相手を殺すまたは、戦闘行動ができない状態にする事で相手を打倒する事で戦闘は終了する。


これまた余談だが戦闘行動ができない状態とは部位欠損で四肢をもぎ取るのことだ。


ちなみに部位破損とはアナザー・ワールドでは斬撃系の通常攻撃やスキルである程度までHPを減らした時に稀に発生するもので、嫌に現実的に大ダメージ+出血ダメージという痛いダメージをくらうのだが、VRでは無駄にリアルで困ったものだった。


主に俺の精神衛生上で


貧血を起こして強制ログアウトさせられた奴がいたなんていう噂すらあったほどだ。


と言うか俺のことだ。


この世界では、回復系の初級スキルで止血、上級スキルで元に戻るまで回復するとアリアに教えられた。


そんな難易度の上級スキルを使えるのは教会の司祭と呼ばれる人達(または回復特化のプレイヤー)くらいらしいのだが


私にもできちゃうんだなぁーこれが、いかにチートなのか思い知らせられましたよ、はい。


さらに余談にはいるがランクとはE〜SSSまで存在して、難易度またはレア度の事で、スキルなら

難易度は


E〜Dまでが初級


C〜Aまでが中級


S〜SSSが上級。


SSSは、ちょっと特別で成長限界が存在しない。とは言っても、上げ過ぎると発動すらままならない。今ではあんまり関係ないが。


なんたってチートだからね。


スキル以外では、防具、武具、アイテム同じようなランク分けがされている。


ちなみに今私が装備している装備は、

私達のギルドのみんなで揃いも揃って悪ノリして作成した物なので、全部SSSランクだったりする。


俺たちのアイドルをカッコ可愛くしちゃおうぜ!とか、頭のおかしい奴らが集まり集い、清算度外視で作られた装備。


あの頃はなにやってんだこいつらとか思ってましたが、今となっては感謝です。



閑話休題それはともかく



ぶっちゃけて魔法使いは割と不遇ジョブに分類される。

まずレベルが低い時が弱すぎるのだ。HPも他のジョブと比べ1/4しかないし、


しかも、アイテムとして魔法無効化ができるものすらあった。


そんな理由からゲーム全体でとてもプレイヤー数が少ない。


だが、だがしかし、私のような廃人の魔法使い系に関しては違う。


一応、救済措置として、コマンド一つで魔法の発動が可能になる、グリモワールと呼ばれるものが存在していた。


私達のギルド悪ノリで図書館や怪しげなところを探しまくり

最終的にほぼ全魔法をコマンド一つで発動できる領域に至ったという廃人なのだが、たぶんというかなんていうか

他にここまで魔法使いのジョブを育てた奴はいないだろう。


俺たちの魔法少女を作るんだ!とかほざいていたギルドのみんな。今となっては感謝しか無いぜ


ステータスや服が受け継がれてるんだからこのグリモワールはこの世界でも使える気がするんですよね。



「という事で大分遠回りしましたけどたぶん戦闘が問題ないというわけですよ、アリア」


なにかしら思案したような難しい顔をしたあと苦笑して


「何がという訳で、じゃ。

…………なんていうかじゃな。

あるじ様の記憶領域にアクセスしたのだが。うむ、完璧にこの世界のシステムとかわらんのう。

というかこの世界の賢者とか、大魔法使いとか呼ばれる者より使えるかもしれんぞ?」


「それは言い過ぎな気もしますが。

さすがにまだ取得していないグリモワールもあったはずですし」


なんていうか廃人達のお遊びだったはずのこのキャラも、この世界では有用になるとは、世の中何があるかわからないなあ。


え?ちょっと待って。アリアさん?記憶にアクセスって?なんか怪しい単語があったんですが?


「まあ、あるじ様だからなあ。

まあそれはともかくじゃ、西の方向の森から魔物の集団が近づいて来ておるな。

むしろ魔物が心配になるくらい、圧倒的戦力差が有るとしかとしか思えんが、気を付けるのじゃぞ?」


ぐはっ。遠回しに宝の持ち腐れ、って言われちゃったぜ。

しかたないじゃん、さっきまでは普通の人だったんだよ。こっちとらさ!


魔物の接近についての情報に気を引きしめつつ、多少初めて実際に使う魔法にワクワクしながら警戒している。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る