はじめての魔法は焼き豚の香り?

「ぶひっひっひっひ!雌が二匹もこんなところにいるじゃねぇか!いい苗床になりそうだぜ。ブヒッ」


ブヒッ、と声がしたのでそちらを見てみれば


な、何なんだあれは!


とりあえずキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい




「あ、あの………アリア、なんですかあれ?」


とりあえず俺は、アナザー・ワールドには出てこなかった生理的嫌悪をひたすらに煽ってくる油ギトギトでテカっている豚を指を指しつつ横にいるアリアに質問してみた。


「ん?何を言っておるんじゃあるじ様。あれはオークじゃよ?」


「お、オーク⁉︎」


「そうじゃ、あれはラードオークと言う種類のオーク種じゃ。なんだ?あるじ様はオークも知らんのか?」


「いえ、オークは知っていますがあんなに気持ち悪くはなかったです」


「む?そうか、というかじゃな、あるじ様。あのオークどもを倒さなくていいのか?…なんだか私の目にはは網のような物を運んで来ているオーク供がみえているのだが…」



はっ!かなり衝撃的な魔物が初戦闘の相手だったせいで完全に忘れていたが

そもそも敵は一体ではなかったのだった


最初のセリフからわかるように俺達を捕まえようとしているのだから気を抜いてる暇はなかったのだった。


乱暴なことするんでしょう。エロ同人みたいに!


ていうかいくらチートがあるからといって転生初日に油断していてオークの慰み者になってしまいましたとかなったら笑えないですよ……


18禁化してしまう。


「…ということであのオーク供には魔法の的になってもらいましょうか」



俺は真面目になってゲームと同じように思考を戦闘用に切り替えつつ


が今更ながら戦況を確認する。


予断だが、私はゲームをやっている時に開きなおってなりきりながらやっていたせいか戦闘中だけ思考までなりきって『私』という一人称を普通に使うようになっていた。


だからか、たった半日愚痴を聞かされて注意とかをされただけで女口調がみについたのはこの世界で生きていくなら確かに必要だけど複雑だ…


音を立てて男としてのアイデンティティーが失われていく。



閑話休題まあそれはいいとして



数10メートル先にはあの脂ぎったオークとかいうラードオーク20数匹が大きな多分魔封じの網を広げながら愚鈍な速さで、私とクリムゾンが会話して気を抜いたのをいいことにゆっくりとだが、確実に距離を詰めてきていた。




さらに余談にはなってしまうが、魔封じの網というのは冒険者ギルドの高ランククエストでたまにある、魔物捕獲というもので使われる馬鹿みたいに高くさらに重いらしい魔道具で魔力が高いものに弱らせてから使うとステータスを半分以下にまで抑え込むという極悪な魔道具だ。


まあ、なんでそんなものをこのゴブリン達が持っているかはわからないが多分旅の行商でも襲ったのだろうがそんなものを売っているのは大きな都市くらいだったはずなので、どうやらそう遠くはない場所に都市があるらしい


だが、こんな極悪なものを持っていてもステータス半減以下になるのはHPを半分まで減らしてから使用する事なので今使ってもせいぜい1割削れたらいいほうな邪魔な網でしかない。


どうやら普通に言葉は喋れてもそこまで知性は高くないらしいという事までは理解できた。


ちなみに捕獲した魔物はアイテム扱いでアイテムボックスにしまうことができた。


きっと「ポ○モンゲットだぜ」とかいう

動物を奴隷化させて死ぬまでこき使い戦わせる。少年少女が登場する物語が元ネタなのだろう。


だから…


「すぅ…はぁ…」


私はとりあえずだが魔法を発動させるために準備を始める。


何故準備をはじめるかというとアリアは何も言っていなかったが私は魔法がただのコマンド一つで発動できるとは思っていない。


それは生前?私の読んだ異世界転生もののラノベではまず、体内の魔力の流れを感じられるようになって、ようやく魔法や魔術を使えるようになっていたからだ。


ただこれに気付いたのは偶然で戦闘用に思考を変えてからようやく思いついた。


ただ、あの過保護なくらい心配してくれたアリアがこれに思い当たらないわけは普通ないと思うのだが、

おそらくだが、アリアはシステムアシストを理解してい無いのではないだろうか?


単純にゲージを減らすのではなく魔力を自分の物として扱う。


だから私はそのラノベにならって空気中にあるマナとかいうものを感じられるか試してみることにした。


私は目を閉じて深呼吸してみる。


成功した?と思う。


深呼吸をしたら心臓がドクんっ、っと強く脈打つ感覚があり体が少し暖かくなった。


それでも魔力の流れはわかったし魔法をあつかったりするのは大抵何回か練習すべきなのだろうがたぶんゲームのようにいく気がする。


それに目を開けるともうすぐに私達に対して網を投げる用に指示している最初に私達を獲物判定していたオークが見えました。


クリムゾンがまだ攻撃しないのか?


という感じで首をかしげているのも見えた。


アリア可愛い!


でそろそろ攻撃してみようかな思い。

魔力を多めで攻撃方法をイメージする。


使うのは初見の魔物だし強さが未知数のため様子見のための低威力の魔術。


初めて使うことのできる初級スキル、『ファイアーボール』これは確かゲームの設定では50㎝くらいの炎の塊を前に飛ばすだけの簡易魔法だ。


「よし…イメージは完璧。行きますよ〜『ファイアーボール』!…………あれ?」



…ゴォォォォォォ…



私の詠唱により、確かに魔法は完成し、左手から炎の塊は出現した。


だが…先の擬音からわかる通り50㎝程度の炎の塊が出現したのではなく


2メートル近い巨体な炎の塊が出現し、それが高速回転していた。


近くにいたオーク達が慌てて逃げ出している。


結果的に網は投げられずゴブリンの集団の真ん中に着弾、さらに何故か魔術に追加効果がついたのかそこで爆発しゴブリン達20数匹を焼き殺してまだ炎が天高く渦巻いている。


うわーどうするんだコレ?


その結果に流石に唖然としている私の横で同じく唖然としていたアリアが先に復帰し、誰もが思うであろう当然の疑問をなげかけてきた。


「なあ……ユーステミア。私の耳には初級の『ファイアーボール』と聴こえた気がしたのだがそれは何かの間違いで中級の『フレイムテンペスト』だったのか……?」


「いえ……『ファイアーボール』です。……『ファイアーボール』のはずでした…」


「そうか……私の耳はちゃんとしていたか……。なんていうか、なあ……」


「ええ……」


ちなみに中級の『フレイムテンペスト』というのが今起こっている惨状を通常の魔法で再現する場合行われる魔法なのだが

『フレイムテンペスト』には詠唱ためが魔法系ジョブカンストの私ですら必要な限りなく上級寄りの魔法だ


そんな物が無詠唱タメなしで打てるはずがないのだ


ないはずなのだ


だから……



「「チートって凄まじいな(です)……」」



そう、二人で消火するのも忘れたまま惨状を見続けながら呟いてしまうほど現実でみるチートは凄まじいものでした……


ああ森が燃えてゆく

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