チートスペックだよ!


「ああ、なんだ、本当にすまなかったな、ティア」


「いえ、大丈夫ですよ、彼方」


うん……まさか軽い気持ちで聞いてあげようと思ったらまさか半日以上愚痴を言い続けるとは、恐るべし天界の業務。


もう日がくれかけている。


しかもそのせい?で女神様の名前が彼方だってことがわかった➕友達になってしまいました。


なんですかねこの状況。


私の口調の注意から始まって女言葉を練習させられて自分のことを私というのに違和感なくさせられた。


前世のアイデンティティーなんて風前の灯火です。


今度から愚痴がたまっていそうな女性には近寄らないようにしましょう、ええ、そうしましょう。


「ああ、それで何処まで話たかな?覚えているか?ティア」


…この女神様は本当に何しにきたんでしょうね…


「えっと…たしか名前でとまっていたような気がしますね。彼方が愚痴を言いはじめるからいけないんですよ」


「うむ…それに関しては本当にすまない。うむ、それでは次の説明にはいりたいんだが…」


「はい」


「この世界に君と君に関する情報を世界の改竄で矛盾すら発生させないようにした結果ティア、君の力はゲームの時より圧倒的に上位な状態になった」


「えっと、はい?それってつまり……」


「うむ、あれだなチートとかいうやつだな」


「マジか!」


「しかし、あれだなレティ、結局のところスキルをいくらなんでもそんなに手にいれるのはやりすぎだろ」


「いや〜、 それほどでも」


「いや、褒めてないよ。

しかし、この世界よりはスキルを手にいれ安いのかもしれないがどう考えてもおかしいぞ…?

私と本気で戦えるレベルの力だからなあ…。」


「へぇ」


「どう間違っても世界破壊とかはやめてくれよ?私は友人と殺し合いを演じたくはないからな」


と終始呆れながら言われたが最後だけは真顔だった。


まあ彼方の愚痴の大半はどれだけチート能力者が世界を崩壊させてきたのかだったから仕方がない。


「ええ、わかってますよ、彼方。

ていうか私も友人とは戦いたくありませんから」


とわりと本気で思っていることなので安心させるために微笑みながら告げる。


「で、では次の説明にはいるぞ!次は『ステータス』と言ってみてくれ!」


なんとなく気になる反応だったのだが、触れてはいけない気がしたので指示にしたがってみる。


「『ステータス』」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇





名前:レティシア・クリムゾン

性別:女

種族:吸血姫(真祖)

職:魔法使い

称号:始まりの吸血鬼

年齢:958歳

武器:なし

防具:頭:新月の髪飾り

服:上:常闇ドレス

下:湖月のスカート

靴下:黒夜のニーソックス

靴:福音のパンプス

ステータス:


Level:?

HP:◼︎◼︎◼︎◼︎(測定不能)

MP:◼︎◼︎◼︎◼︎(測定不能)

ATK:◼︎◼︎◼︎◼︎(測定不能

DFE:◼︎◼︎◼︎◼︎(測定不能)


固有スキル:


『超再生』▼

『黒夜の女王』▼

『吸血』▼

『魔導の秘奥』▼

『眷属化(吸血鬼化)』▼

『影の王』▼


パッシブスキル:


『真祖』▼

『魅了〈オフ〉』

『魔眼〈オフ〉』


▼以下の項目を表示する場合は触れてください


ノーマルスキル


▼表示したい場合は触れてください



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ファ⁉︎なにこれ!バグってんぞ!


「うむ、ちゃんと開けたようだな。

それで、ティアならすでに気づいているようだがそのステータスは、私達神々からの謝罪の意味を含めて送ったものだ」


「ありがとう、彼方」


「いえいえ」


「あ、そういえば、もしかしてステータスが開けたならアイテムボックスとかも開けるのでしょうか?」


とりあえずチートスペックは置いといて気になる事について質問を述べてみた。


理由はいくつかあるがまず1つ目の理由が身分証のようなものがアイテムボックスにはいっているからだ。


これは確実にないとここが何処だかいまだに聞いていなかったのでわからないが関所を通る必要はあるだろうから必要だろうと思ったからだ。


別にゲーム内のレア武器が欲しいとか思っていませんよ?


そして2つ目の理由がこの世界のお金もアイテムボックスに収納してあるためこれはとれなくてもかまわないかもしれないが貰えるなら貰いたいところだ。


別にカンストしてるとかは関係ないですよ?これで働かなくていいとか考えてませんよ?


「ん?ああ、アイテムボックスかそれならたぶん開けると思うが。

しかし、レティたしかあれは鞄系のアイテムが必要ではなかったか?」


「あ!」


そう、たしかにそうだったね。


アイテムボックスはいろんなゲームにあるように倉庫に直接繋がった魔法の鞄だ。


ただこのアイテムボックスは魔法の鞄を名乗っているくせにいやに現実的で鞄系アイテムからじゃないと倉庫に繋がらない


しかも複数鞄を持っても同じ倉庫に繋がるというよくわからない仕様だ。


さらに言えば鞄があればポケットからも出し入れできるなぞ仕様。


「ふぅ、君は以外に抜けているな。まあとりあえずあれだな。次はチュートリアルといこうか」


「チュートリアル?それはつまり魔物でも倒して素材をてにいれて鞄をつくるってことですか?」


「うむ、察しがいいな。さすがだ。とりあえず君は実戦は初めてだからな、万が一があるかも知れないからな。

危なくなったら助けよう。

とは言っても君なら余裕な相手しかいないのだがな」


「そうか、そこまでいわれたなら余裕で殲滅しないとね」


そう満面の笑みで言ったら赤くしていたがそれに気づかずリアルでの魔物と戦闘を楽しみにしている自分がいた。


「こほん!そ、それでは私の役目はここまでだ。後のことは、眷属にでも聞いてくれ。じゃ、じゃあな!」


あっ、逃げた!


「え!ちょっと急すぎですって彼方!!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る