女神様は苦労人らしい



叫んだら天使さん(暫定)に黙らされた悠です。


「うむ、その異世界転生っていうのであっているよ」


「へぇーそうなのか」


「君は私と同じようなものだからね。仕事だが、君にいろいろ説明するために来たんだよ」


「へぇー」


「あと私は自分で言うのもなんだが、女神であって天使ではない。というかあの駄神め。さっさと引退すればいいものを」


と、何か心の声がもれてますよ。

何て言うか大変そうですね、女神様。


ていうか、正解って事は。


「えっと、あの女神様?つまり俺って死んだのか?」


このよくある異世界転生もののパターンはそんな気がする。


「ん?いや、別に死んだわけではないんだ。

あの駄神ごみは居眠りをしてしまって、君に関する人生の黙示録、アカシックレコードとも呼べるものが燃えてしまってね」


「マジか!」


慌てて時に関連する女神の私が、呼び出されて肉体は再生したんだが…。

既に君の死が他人に知られてしまっていてね、もう元の世界に戻ることはできない」


「げぇ、マジで」


「マジでだ。慌てて私の管理する世界が、君のやっていたゲームに似ていたから、転生させたんだ」


「あ…そうなのか。…ていうかそんな天界の不祥事話って話しちゃっていいのか…?」


話している事はよくわからないが、多分よくある異世界転生をしたのだろう。


とか思いながら、なんとなく思いついた事を質問してみた。


「勝手に人を生き返らせたりしていいのか?」


「ああ、別に君は被害者だからな。

というか、君は落ち着き過ぎてないか?普通なら、怒鳴っても当然だと思うのだが?」


被害者だからいいっていうのは随分適当な気がするけどそんなことでいいのかな天界…。


それに、落ち着いている事で苦笑されても、逆に俺は苦笑してしまう。


落ち着いて対応できるのは、良いことだと思うし、アナザー・ワールドの世界ならいろいろ楽しめる気がするし


少なくともあのまま生きてるよりは楽しいと思う。


というか…俺の魂が輪廻に入る直前とかじゃなかったら選べたのかな、とか思うと少し残念ではあるか、ラノベの世界とかも行ってみたかったし。


「うむ、君が死んだことに速く気づいたとしても結果はおそらく同じだったよ?」


「そうなんですか」


「ああ、他の世界と比べて明らかに因果の結びつきが強かったからね」


あー、確かに学校辞めてでものめり込めば結びつきは強くなるかもな


「全く、あの駄神かすのせいで仕事が増えるじゃないか。引退させたほうがいい。君もそうおもうだろ?」


「いや、あの俺にきかれても……」


なんていうかこの女神様はかなり不憫な気がするんだが。


俺は、神様なんて信仰していなかったのだが、この女神様は信仰しておこう。


なむなむ


「そんな同情的な目で見るのはやめてくれないかな?

まあ、それはともかく君にこの世界について教えておこう」


と、愚痴を織り混ぜての説明に、俺は苦笑しつつ、先を促す。


「でな、世界の法則に関しては、ゲームと変わらなすぎて教えようがない。

まあ、強いて言うなら死んだら自然には生き返らないくらいだな。りすぽーんとやらがない」


「まぁ、当然だな」


「あとは、君のこの世界でできる事について教えよう」


「できる事?」


その質問に、俺は何故か、嫌な予感がした。


世界観に関しては分かったし、死ねない事は現実になったんだから当たり前の事だ。


だから、何も変な事はないと思うのだが。


「まずはできること、といっても名前が大抵必要だからな。君の名前だが、君の名前は『レティシア』だったかな?ゲームの世界の名前を引用させてもらった。次に…」


「ちょっと待って!」


「ん?なんだ?何か問題でもあったか?」


俺は今の名前に嫌な予感の原因を、理解した。


更に言うなら、自分の声がいつもより高い気がした理由も、なんとなくわかっちゃいました。


「何か変なところでもあったのか?それとも名前を間違えたか?」


「いえ、名前はあっている…。

だが、だがしかし俺は男だぞ!?」


そう、つまり俺、神凪悠は、美幼女レティシアちゃんになってしまったのだ。


しかもそう言った、俺の前で女神様がポカンとしてるし。


「う、む。ああ、えーと、なんだ君は男なのか?ああ、えーと、なんだそれは本当にすまない事をしたと思うが本当に本当か?正直生前の君の顔とかはちょっと見てみたが、冗談じゃなくてか?」


グサッ!


正直信じられん、とさらに付け加えて女神様は止めを刺してきた。


やめて俺のライフはもう0よ!


ぐぅ…ええ、ええ、たしかにリアル男の娘とか言われていましたよ…

だから開き直ってアナザー・ワールドでは、女口調でしたよ…ええ。


しかもアナザー・ワールドでの俺の見た目(つまり今の自分の見た目)は友人が悪のりした結果


真紅の瞳


背は140cmちょいくらい


しかも12、3歳くらいにしかみえないが、実年齢は900歳を余裕で超える(設定)


という合法ロリだとかロリババアだとかと友人が言っていた。


その時の友人には少々どころでは無く引いた。


蹴り飛ばしてやったら「はぁはぁ、ご褒美です」とか言ってやがった。


まあその見た目がリアルの自分の姿になった今では友人を殴り飛ばしたい衝動にかられるがもうそんなこともできないので押さえておくしかない。


静まれぇ我が右手!


「冗談じゃねぇ!

やり直しというか体を前世のままにとかできないのか?」


と、僕が女々しい(ていうか今は女の子だけど)とは思いながらも涙目になりながらも、たぶん無理だろうなあとか思いつつ女神様に質問した。


「うむ、まあ…無理だな。すまない。

すでに魂と体が繋がっているし、なんていうかそれにな。

君の見た目をゲームどうりにしようと悪のりした神様くずがいてな…そやつらが無駄に権力というかを持ってる高位の神なんだすまない。」


「そうか。っていうか神様って馬鹿ばっかりか!?」


なんですかその悪のりは…ていうか最高神の適当なとことかもしかして高位な神はみんな適当なのか…?


「うむ、正直否定できん…。高位な神ほど無駄に長く生きてるせいか自分の管理してる世界に無理やりチート持ちで召喚して遊んでいる馬鹿もいるからなあ…」



「全く…あの阿呆どもはどれだけ阿呆な転生者が世界を破壊してるのか知らないのか…しかもそのあと始末は全部私がやっているんだぞ……」


「あ、はは…」


なんていうか本当にこの人は真面目過ぎるんだろうなあ


でも不快にならない程度の真面目って感じだしとりあえず愚痴を聞いておいてあげよう。





◇◆愚痴愚痴愚痴愚痴愚痴愚痴愚◇◆




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