いざ街へ行くそうですよ?



今回なんか長くなるかな?



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「んっ…はあ…」


朝目が覚めて、僕は伸びをしてから、目が完全に覚めたので急いで回りを見回します。


「ふぁ〜っ。昨日は最終的に疲れて寝てしまったのでしたっけ?」


昨日風呂場ではっちゃけた後

洗い場の方で痙攣していたアリアの足持ち引きずってベッドで抱き枕にして寝たのだったか。


羞恥心とかどっかに吹っ飛びました。


む?






そういえばアリアは?






そう、思いながら昨夜アリアが横にいたところを触っても、何の温もりを感じられません。


あれ?まさか愛想尽かして出てったとか?


そう考えるととても不安になりました。


たった1日しか一緒にいませんでしたが…。


どうやらアリアの存在は、私の中で結構大きくなっていたようですね…。


依存しているといってもいいかもしれないほどに。


そうして泣きそうになりながら

そんなことある訳ないと、思いベッドからおりて、昨日着ていた服を鞄から引っ張り出して着替えます。


よく考えたらたら昨日全裸で抱き合って寝てたんですか。


そうして着替え終わった後に、何故か部屋にあった鏡に映ったのは、泣きそうな顔で、ゲームでよく見た…しかし、今は自分の顔になった、少し幼い…少女の顔でした。


これでは本当に女の子ですね…。


そう思い苦笑し、両手で頬を叩きます。


台所に何処から引いてるのかわからない水道があるので、顔を洗うためにリビングに向かったのですが…


「ん?ようやく起きたかあるじ様?

うわ!どうしたのだ?そんな泣きそうな顔をして?」


そういいながら、何事もなかったように


だらしなくソファーに座っていたアリアの姿がみえ

私は一も二もなく走りだし、アリアに泣きながら抱きつきました。


「アリア…!…アリア、アリア!どうして急にいなくなっちゃうんですか!」


そう私が責めるように見上げて言うと、アリアは頭を撫でてくれて、何故か鼻をおさながら謝ってくれます。


「す、すまない、あるじ様。今日は早くに目が覚めてしまってな。あるじ様を起こすのも心苦しいと思い起こさずにまっていたのじゃがまさかこんなことになるとは

……あるじ様はこんなに甘えん坊だったかのう……?いや、別に可愛いからいいのじゃが……」


「…あ」


と、言われて今さらながら私も思います。


本当です…何でこんな風に甘えているんでしょう…?


しかも朝から寂しくて泣くなんて…。


と、いろいろと自分の行動の可笑しさに気がつきましたが、今は寂しかったのと自分が変わっていく感覚が怖かったので、先程より強く抱きつくとアリアも腕を回してくれたので、抱き合っていました…。


《ロリが抱き合ってるとか、飯が三杯食える!ハァハァ》


シリアスブレイカーさくしゃは黙ってろ!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇




……それから数10分後、自分がどんどん女性化(…しかも幼児化もな気もしますが)をしていっている事に、いろいろ恐怖を感じたので、気分を変えるためにも顔を洗いに台所まで行きました。


私のライフはあとどれだけあるのでしょうね…。


魂は肉体に引っ張られるなんて話をどこかの漫画で読みましたが本当だったんだね


そう思って苦笑してから、顔を洗い終えて回りを見渡すと、何故か料理が作ってありました。


もしかして、アリアが作ってくれたのでしょうか?


え?アリアって料理できたの?


「あの…アリア。この料理は、アリアが作ってくれたのですか?」


と、質問すると苦笑しつつアリアは肯定します。


「う、うむ、あるじ様が来るのが遅かったからな、作っておいたのじゃ。

それに…朝から泣いていて疲れているのではないか?」


と、心配してくれていた、とわかったのは嬉しかったのでお礼を言います。


「ありがとうございます、アリア。

では、温めてから持って行きますね」


そう言ってから、お皿を取り出して作ってあった料理…スープと、何かの卵焼き、そして何かの炒めものを温めて、お皿に盛り付けてから持って行き、机の上に並べます。


いや、本当にこの食材なんなんだろう


「…ん?もう持ってきてくれたのか…。本当は私が持って行こうと思っていたのじゃが…すまんな」


と、アリアが苦笑しながら言うので、逆に申し訳なく思いつつ、お礼を言います。


「いえ、作ってくれただけでも充分嬉しいですよ、アリア。ささ、食べてしまいましょう」


と、言ってから食事を始めました。


概要は割愛しますが…。


味はとても美味しかったですよ?


それにこれからは、アリアが食事を作ってくれるようです。


手料理をだせない事は少し残念ですが…アリアが作ってくれるなら、いい気がしました。


それに、アリアも嬉しそうでしたしね。

料理が好きなんでしょうか?


等ということがありました食事を終えて、食器を洗ってから何故か台所にあった、紅茶…の味がするコーヒーをいれて、食休めにします。


そうして1口飲んでから、ふと、聞いていなかったものを思いだしたので質問します。


「あの…アリア?今更過ぎる質問ではあるのですが…。今大体何処の国の領土に、私達はいるんでしょうか?」


と、結局昨日聞きそびれていた質問をすると、アリアは「ああそう言えば忘れておった」と苦笑しつつ教えてくれました。


「ああ、そういえば言っていなかったな…。うむ、確か今は…パニッシュ王国の領土内だ」


と、アリアが言った国の名前は、ゲームの時にもあった国でしたので、理解できました。


なので、一応確認のために質問します。


「えっと…確か人間中心主義の人間が多く住んでいる王国の名前、でしたっけ?」


と、私がゲームの時のパニッシュ王国が戦争していた理由を特徴として質問をすると、どうやら少し違ったようです。


「うむ、そうだな。だがそれは100年も前の事じゃな、最近は一部の貴族と今代王のおかげでだいぶよくなっておる」


と、アリアは変わっている部分を、教えてくれました。


それを聞いて、一応旅をする事は先程の食事の際にアリアに話してあるので、行き先を決めるだけだったのですが…。


パニッシュという国は、ゲーム時代では、他種族を奴隷として扱っているような設定がありました。


なので、見た目はともかくとして中身が生粋の魔族である私たちが行けば、無用な争いが起こるだろう、と思いましたが…よく

なったのなら、行くのもいいかもしれませんね。


そう思ったので早速アリアに提案します。


「そうなのですか?では、アリア

まずはパニッシュに行ってみませんか?」


「うむ、そうだな。では、行ってみるか。…ああ、それとな…」


と、アリアは賛成してくれてから、昨日はつけていなかった腰のポーチから…多分身分証でしょうか?銀色のカードを取り出して、言いにくそうにこう言います。


「…実はこの世界は、名字を持つ者が殆んどでな。いや、何が言いたいかと言うとだな…。この世界では身分証が何かといるからな…」


と、言いながら見せてくれた身分証には、確かに名前はアリア・クリムゾンになっていて、種族は吸血鬼になっていました。


あれ…?クリムゾンって何処かで聞いた事あるような…。


そう疑問に思いつつ、何故言いにくそうなのか質問します。


「そうなのですか?それで…何故言いにくそうだったのですか?」


と、質問するとアリアは、何故か呆れたように苦笑してから…疑問の理由も教えてくれました。


「……あるじ様はそれを本気で言って…。いや、言っているのじゃろうなな…。

多分だがあるじ様は、自分の今の名字の事を忘れているんだろう…。君の名字もクリムゾンだろう?だからな…結果として、私は君の姉、という事になってしまった…」


と、少しというか…何故かかなり残念そうに、そう言います。


…ていうかアリアと姉弟……いえ、姉妹ですか…。


何でしょうね、この展開は…。


等と、何故か少し私も残念に思いながら、クリムゾンに冗談を言ってみます。



「えっと…そうなのですか。では…二人でいる時以外は『お姉様』と呼べばいいでしょうか?その時は、姉さまも私の事はレティと呼んでくださいね」



と、笑顔で言うとアリアは、何故かまた鼻をおさえてる。


冗談だったのですが…


これはもう否定できそうにないですね。


「う、うむ!これはこれでいいかもしれん…。では、私もそう呼ぶとしよう!」


と、途中小声で言っていて、よく聞こえませんでしたが…凄い良い笑顔でそう言われました…。


しかし自分で言っておいてあれですが…『お姉様』って呼ぶの恥ずかしいですね…。


などと自業自得ですが思いつつ、とりあえず出掛ける準備を整える事を伝えてから冷めてしまった紅茶(?)を一気に飲み干し、寝室に行きます。


それから、私はは一応偽装のための武器を取り出すため、鞄に手を入れながらそれを思い浮かべます。


…流石に魔物とかがいる街道を、素手だけで行く…幼女×2ってこの世界でも怪しいでしょうからね。


いや、どの世界でも怪しいか……


迷子的な意味で…


それはいいとして武器は


形状は鎌、色は漆黒


名前は『無銘−10』


そう思い浮かべてから、思い浮かべた通りの鎌が背中に提げる紐ごと出てきたので、肩に掛けました。


ここで余談ですが、『無銘』というシリーズは、特殊効果こそ有りませんが

切れ味のみを追求した武器で、ダイヤモンドを豆腐のように両断できる優れものです。


ですが、各ステージにランダムで出現する通称『泥』倒すだけで手に入るため。レア度はあまり高くならないのです。


まあ、筋力要求値が馬鹿高いので序盤は使えませんが


私は全武具の系統分持ってますしね。


あ、因みにスキルは職を変えなくても使えますよ?

『死神』っていう鎌系の職がありましたし。


−○○というのはステータス減少値で大体、×100が相場になります


しかも、−装備はステータスが下がるというMっ娘使用なのですが…チートを抑えるためには丁度いいですよね?




そうして、偽装工作を整えてから私は、鞄を肩に掛けアリアのいるリビングに戻ります。


「では、行くか」


と、バッグを持ってくれました。

紳士的な態度と笑顔にドキドキして赤くなってしまいましたが、アリアは既にテントからでているので、慌てて追いかけます。


そうして外にでると、太陽は真上にでていますし、時刻は丁度お昼くらいでしょうか?


もうそんな時刻になっていた事に、苦笑しつつ、アリアが開けてくれた鞄に、テントをしまってから、アリアが指示してくれる方向に飛行します。


翼って本当に便利ですね…MPを多少消費するだけで簡単に高速移動できますし。


座標移動ポイントシフトは一度行ったことがないと使えないし


などと思っていると、すぐに森にはってある結界のところに着いたようです。


それから、アリアが多少言いにくそうな顔をして、提案をしてきます。


「すまない、あるじ様、面倒じゃとは思うがここからは、歩いていく事にする」


と、アリアが言うので多少疑問に思いましたので質問します。


「えっと…それはいいのですが…。

どうして徒歩で行く必要があるのでしょう?」


と、実際移動速度は徒歩よりも断然速い飛行で行かない事を質問します。


アリアは苦笑してから、理由を教えてくれます。


「ああ、それはのう…。

大体の翼をもつ種族である天使は自分たちの国に引きこもってしまっているのじゃ。

飛んで言ってしまえば否が応でも目立ってしまう。

あるじ様は目立ちたい訳ではないじゃろう?」


とステータス減少がかかる『無銘』を見ながら言ってきます。


いや、鎌は目立つだろうとか言われますが、なんと『無銘』刃の部分が折りたたまれ、その上、柄の部分は短くなる優れもの!


「ええ、そうですね、あまり目立ち方ではないです。ありがとうございます」


と、お礼を言ってから降下して、結界をアリアの魔法で通り抜けてから、他愛もない会話をしつつ、30分程度で森を抜けました。


「ふぅ…ようやく街道の方に戻ってこれましたね」


と、回りを見回して昨日見た街道に出てこれた事を確認してから、アリアに言います。


「うむ、そうだな。それで、どの方向に進むんだ?」


と、アリアが質問するので、私は少し考えてから直感で決めた方角に行く事にします。


こういうのって旅の醍醐味な気がするんですよね。


そう思いつつ、アリアに決めた方角を教えます。


「そうですね…。では右に行きましょうか」


「うむ、確かその方向には村があったと思うから行くとしようか」


と、アリアは肯定と共に、追加で情報を教えてくれて、歩きだします。


「そうなのですか?アリアは物知りなのですね」


慌てて追いかけてから、思った事を口にすると、アリアは多少恥ずかしそうにしてから、種を明かしてくれます。


「いや、そう言うわけじゃない。この眼は『真理の眼』と言ってな情報収集に特化した眼での、今日早く起きたついでに周辺の情報をあつめておいたのじゃ。

あるじ様に教えられるから、な?」


と、結構私との旅を楽しみにしているらしいアリアが教えてくれたので、笑ってしまいます。


意外と見栄っ張りなんですかね?アリアって。


「ふふっ…なら色々教えてもらう事にしますね」


と、私が言ってから先に行くと「まいったのう」と言ってアリアが苦笑してから、一緒に歩きだしました。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る