盗賊《ゴミ》のお掃除じゃぞ?

そうして一時間程度道なりに歩いていくと確かに村はあったのだが。


「あの…アリア?平和、なのですよね?この世界は」


と、聞いてしまう光景が広がっている



「い、いや、こういう事はある事はあるだろう…。しかし、どうする…?」





村が真っ赤に燃えている





「どうするも何も…『こんなものみてしまって助けないなんて選択肢は無い!』なんて言うのが主人公ぽっいんですかね」


「むー。助けないか?あるじ様?見捨てるのも目覚めが悪いしのう」


「そうですね安眠は大事です」


そういいながら、既に私は召喚した小刀の柄に手をかけて

パッシブスキル『闘剣舞踏とうけんぶとう』を発動する


今の私は、アリアとの旅の出鼻を挫かれた事の方にキレていた。


アリアが止めなきゃ、村人ごと殲滅する勢いでしたが…どうやらそれは杞憂のようだった。


「それでこそ、我があるじ様じゃな、儂も同意見だ。それにな…儂はあるじ様との旅の出鼻を挫いた奴等を許す気はない…」


フフフフフフフフフ


と、黒い笑みを浮かべたアリアは、腰のポーチからハルバートを取り出して構えていた。


いや、明らかにサイズがおかしいので

あれもアイテムボックスの類なのだろう。


どうやら同じ気持ちだったようなので、それを嬉しく思いつつ、私も似たような黒い笑みを浮かべてこう言いった。


「ええ…私も同意見ですよ…。では…」


「うむ、そうだな…」


「「楽しいダンスせんめつと行きましょうか」」


そう言って私達は二手に別れた。


…さて、先ずは誰からばらばらにしましょうか…。


そう思いながら私は村の方に真っ直ぐ進んでいきました。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆









「暑い」


ここに来るまでに襲いかかってきた奴らを5人ほど細切れに変えてやった。


にしても、生きている人間を村に入ってからまだ見ていません…。


アリアと二手に別れて


私は正面から踏み込み


アリアは空中で生き残りの確保と遊撃を担当している。


あ、私が普通に戦えているのはスキルのおかげですよ?



まあ、それは兎も角ですね…。


私はここに来てから人間の他にも


不思議な事に40数体ゴブリンを切り伏せています…。


ただの火事場泥棒ならいいのですが

使役されているとなると少々面倒になる




これなら雑魚をお掃除するより術者を先に狙った方が、殲滅は早いかもしれない。


流石に召喚者がいなくなれば消えると思います。


そう思った所で上にいたアリアから

「怪しいヤツらを見つけた」と報告がありました。


「おっ!あれですか」


報告があった方に向かうと


教会?でしょうか半壊している建物を見つけました。


どうやらゴブリンを引き連れた男たちはそこを目指しているようです


もしかしたらあの中に生き残りがいるのかもしれません。


そう思った瞬間に行動は決定します。


…アリアとの旅の始まりを邪魔してくれた魔物ばか共を殲滅するのは変わりませんが…


見つけたのに助けない


なんて目覚めの悪いことをするつもりも有りません。


どうせあちらが気付いていないならばと


「…『銃器錬成』…」


作り出したのは

『ウィンチェスターM73』を二丁

散弾がセットしてある。


「真っ赤な花を咲かせましょう。

ってね」


『瞬歩』で100m以上あった距離を一瞬で詰め

三人ほどいた男たちとゴブリンを殲滅する。


「あらら、ちょっとやりすぎましたかね」


と、苦笑してからあの女性の所に向かう


どうやら怪我をしているようなので治療をしようと思います。


『治癒』


「えーと、他に痛いところはありますか?」


ん?反応がない。


しゃあないか


いい加減熱いので辺りを一掃してやろうかと考え始めた頃…焦ったように声をかけられました。


「え、ええ!?貴女はどうして逃げないの!?危ないよ!」


と、言われてしまったので振りかえる。


「ん?」


何て答えましょうか?


と悩んでいると、後ろから何かが走って来る音が聞こえた。


後ろを振りかえるとオーガが怒り狂い

こちらに真っ直ぐ走って来ている。


あいつ馬鹿なんじゃないだろうか?


だって、自分の従者が一瞬で倒されたのに自らごみになりに来たのですよ?


普通に少しは躊躇えよ。


というかあの巨体じゃ銃は聞きそうにない。


ということで銃を消し


腰に一振りの長刀を装着し居合いの構えをとる。


「私の前に立ったことを後悔してください」






『一式・瞬閃』













その言葉と共に私は刀を振り抜き


血を払うと同時にオーガの上半身が地に落ちた。


その速度はぶっちゃけ使った本人が認識できない程だ


さすがチートスペック



鞘に刀を戻して、あの女性の元に取り敢えず戻ると


何故かジロジロと頭のてっぺんからつま先までをみられる


「…ん?何か変な事でもありましたか?」


と、ついつい口にだしてしまった。


女性は慌ててしまっている。


「…え?ああ!?ご、ごめんなさい」


「いえ、いいのですが」


「貴女のその細い腕のどこにあれを真っ二つにできる力があるのか気になっちゃって」


と、自分でも気づいてなかったのか、驚いてから理由を説明してくれました。


ただ、これに素直に答えると

大変面倒な事になるのではぐらかすしかない。


「さて…何故でしょう?秘密です。

それで、貴女は何故逃げなかったのですか?」


と、適当な事を言ってから

気になった事を口にする


この村はほぼ壊滅状態だ生き残りすらいるかどうか。


普通ならば逃げ出すかもう少ししっかりと隠れるはずだ。


「え、えっとね…恥ずかしい話なんだけど怖くて腰が抜けちゃって、今も動けなかったんだ…。だから…手を貸してくれない?」


と、典型的なボケをかましてくれました。


ポカンとしてしまった後

手をとって、立たせてあげました。


「あ、結構力あるんだね貴女…凄いね!」


と、立たせてあげた直後にペタペタと腕を触ってくる。


それどころか子ども扱いされた事に、反発したくなる気持ちが湧きます…。


「…子ども扱いしないでください。私は20歳ですから、人間なら子どもではありませんからね」


本当の年齢は言えません。


女性はポカンとしている。


失礼な人ですね…。


「え!?いやいや…そんなの絶体嘘でしょう?お姉さんをからかっちゃいけませんよ?」


と、言ってからめっ、とか言ってきやがりました…。


確かに今の私はこの女性より圧倒的に背は低く、大人と子どもくらいの差はありますけれど…!


「まあ信じないなら別にいいですけど…。そんなことより、貴女はさっさと逃げてくださいね」


と、私は完全に守る気が失せましたので、そう女性に告げてから歩きだします。


ですが…あの失礼な女性に止められました。


「え?いやいや…自分より小さい娘をおいて逃げるとかシスターとしてできないよ…」


という女性の言葉に、私は少し嘆息してから先程の仕返しをします。


「はあ…貴女みたいのがシスターですか?それこそ嘘でしょう、と言いたくなりますね」


と、私が言うと女性は少し自覚があるのか、多少顔をひきつらせてから言い返えそうとしている。


「わ、私は一応シスターだよ!確かに私はみなら「邪魔」いだけ…ど…」


と、女性が言い訳を言い始める前に、オーガが女性の後ろの方から来ていたので『アイスランス』を放ち、巨大な氷像を作り上げます。


しかし…氷像をよく見ますと所々焦げたりしていました。


…もしかしてアリアが追い回していたオーガだったりするのだろうか?


と、思ったその時にアリアが男性をぶら下げてフヨフヨと飛んで来ました。


「うむ、ちゃんと仕留めてくれたようじゃの。さ、流石レティだ」


と、アリアが人前だったので

私のことを愛称で呼んでくれて

頭を撫でてくれた。


「ありがとうございますお姉様。

…ところでそちらの男性は…?」


普通に考えたら生き残っていた村人に決まっている。


何故かアリアが男性と一緒にいることにイライラしたので、ぶっきら棒にアリアに聞きました。


「あ、ああ…彼奴は「シーア…!」「ガレア…!」…」


と、アリアが説明してくれている途中に、男性と女性は泣きながら抱きあいはじめました。


…もしかして、恋人同士とかなのだろうか?


とりあえず爆発すれば言いと思いましたが…


情報収集のためにも、アリアに周囲の警戒を任せ話しを聞いてみることにする。







ーーーーー幼女会話中ーーーーー







…2人の話を簡易的に話ますと、まず、この2人は幼なじみで、しかも数週間前に夫婦になったそうです。


とりあえず爆発すればいい。


ていうかシスターさんなのに結婚しているのはどうなんでしょう?


まあ…それはいいとして、女性の方の名前は〈シーア・ベネディクト〉といって


男性の方は〈ガレア・ベネディクト〉さんというそうで、年は2人共18歳だそうです。




フフフ…私の方が歳上だぜ!


まぁ、私の実年齢より上がいたら驚愕なのだが




それで、このオーガの群れが村に来たのはお昼過ぎくらいで


最初に来たのは1体だけだったそうです。


ですが、それを後もう少しで倒せそうだ。と言うときに


あの盗賊たちがゴブリンやオーガを引き連れ突入してきたらしい。


まあ、そこからは何となくわかりますよね…?


消耗していたところに援軍がきて


大群に驚き、絶望した。


そもそも戦っていたのは農夫ばかりだったそうです。


戦線は簡単に崩壊して、その戦線にいたガレスさんも命からがら逃げ延びて、危ないところをアリアに助けられたようです。


流石アリア、そこに痺れる憧れるぅ!


しかもアリアもオーガを5体程倒していたようです。


それと、私たちの事は旅をしている姉妹という事にしました。


なので後は…


「後はどうしましょうかお姉様?」


まだ村を徘徊しているはずの魔物ゴミの処分についてアリアに尋ねます。


「うむ、多分じゃが残りの奴らは中央付近にいるのではないかのう?」


と、アリアが質問の意図を理解してくれたようです。


アリアの異常な理解力が偽装に役立っていますね…。


アリアに同意しつつ

蚊帳の外にいた2人に聞いてみる。


「やはりそうですか…なら後で行きましょう、お姉様。

…それで、貴方方はこの後はどうするつもりなのですか?」


と、アリアに言った後、振り返り2人の方を向いて言った。


「えっと…どういう事かな?妹さん」


と、言うのは優男風の見た目なガレアさんです。


この人は何かハーレムものの主人公みたいな顔と性格してます。


私は嘆息してから質問を補足します。


「ですから私たちのゴミ掃除が終わった後どうするのか、ということです」


と、僕が言うと理解したのか、悩むような顔をしています。


明らかにここはもう村として存続していくことは難しいだろう。


いったいこれからどうするのだろうか


そう思っていると、ガレアさんより先にシーアさんの方が考えがまとまり


暗い表情のままボソボソと喋りはじめた。


「…取り敢えずだけど、生き残っている人を探して…死んじゃった人は埋葬してあげて、お墓を作ってあげるかな…。その後は…わかんない…わかんないよ…」


と、悲しそうに言うシーアさんに、多少同情する気持ちが欠片ほど湧きましたが…


次のガレアさんの言葉で、その気持ちは霧散しました…。


「それなら俺も同じかな。…ただ俺は、シーアが決めたなら何処へでも行くつもりだよ。たとえそこが地獄だろうと、君さえいればそれでいい」


「ガレア…!」


「シーア…!」


ガシッ


と、名前を言い合いながら自分達の世界を作って、抱きあっているリア充2名。


「お姉様…あの2人を爆発させてもいいですよね…?」


それを見て、私はかなりイラついた。


疼く、疼くぞぉ非リアの血がァ!


物理的に爆発させるために魔法を創造しかけたのですが…

アリアに必死に止められました。


「い、いや、駄目に決まっているじゃろう」


と、言ってからアリアは2人の近くに行って手を二回大きく鳴らし

2人を現実に引き戻す。


それから少し話あって取り敢えず2人は結界をはって教会に置いてきて


私たちがお掃除を始めることにした。


中心に向かう途中で


「…本当にこの世界は平和なんですよね?アリア」


「…国同士の中は良好になったんじゃがなぁ。 どこにでもああいう輩はおるということじゃな」


と、言う曖昧な返答に2人して苦笑してしまうのでした。



ーーーーーーーーーー

作者のあとがきコーナー!と言う名の説明会!


魔物の召喚は、ゲーム時代では街中では

使えませんが、現実なの制限がありません。

ある程度以上の街になると結界の効果で

召喚は不可能になるです。


この世界での人間の成人は15歳

その成人女性の平均身長は、160㎝~165㎝で、シーアは163㎝なのでああいう反応だったんです(笑)

ガレアは183㎝くらいです(デカッ)



『一式・瞬閃』はゲームスキルではなく

レティシアちゃんの個人技です。



レティシアの身長を143cmに変更しました。




3・11追加 いつの間にかPV数が千件を越してました。読んでくださった方々に感謝しかありません。







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