間奏 正義の定義

 ここで正義について考える。

 まず正義とは、悪と対成すものである。

 そして正義とは、誰かの目には正しく映る力である。

 さらに正義とは、その誰かが認定するものである。

 その上正義とは、何か確固たる思想に裏打ちされたものである。

 ここで悪について考える。

 まず悪とは、正義と対成すものである。

 そして悪とは、誰かの目には悪く映る力である。

 さらに悪とは、その誰かが認定するものである。

 その上悪とは、確固たる思想に裏打ちされたものである。

 つまり。

 正義とは、全くの主観的な呼称に他ならず。

 悪とは、全くの主観的な呼称に他ならない。

 よって。

 正義の執行者は、その行動により誰かが不幸になるかも知れない事実を、完全に忘却しているのではないかと推測される。

 正義の執行者は、常に自分の力が悪に通じているかも知れない現実を、完全に忘却しているのではないかと推測される。

 まあだからと言って、


 何かある訳じゃ無いんだけど。


 つまりこれは、そういう物語。

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