だい3にゃ・びょーきのむすこ

 僕は黒い猫耳少女に手を引かれて階段を下りていく。


 肉球は無いのか。でもこの柔肌やわはだもなかなか……。

 ん? 下に誰かいる? 


「すごいな」


 鼻下と胸周りに血痕の後を残しながら、つぶやく。

 ピラミットの下には、何百という猫耳に尻尾を生やした少女たちが居たのだから。


「こ、ここは楽園か!?」

「にゃー」


 隣で肯定っぽい返事がきた、やっぱりそうなのか。


 僕が地面にまで降りると、猫耳少女達が一斉にお腹をみせるように寝転がった。

 お腹をみせるように!!――寝転がった!! ←ここ重要。


「な、なんだと……!」


 再びの戦慄と歓喜の鼻血!


「こ……こ、……ここ、ちょっとまって、喋りにくいから」

「にゃにゃ」


 黒猫少女を至近距離で眺めながら、鼻血をフキフキされ終えてもう一度、


「こ、ここは楽園か!?」


 同じ言葉を叫ぶ。


 感極まった僕は、近くでお腹を見せている猫耳少女へ近づく。

 その子は恥ずかしそうに頬を朱に染めて、両手を尻尾と一緒に胸の上に置いていた。


「け、けしからん。実にけしからん!!」


 僕はそっと地面に膝を突くと、少女の足先から頬ずりしていく。


「おぉぉおおお!! た、たまらん!? たまらんばいぃぃぃぃいいい!!!」


 頬には、つっるつっるな感触と薄っすらと柔らかい産毛を感じて息が上がってきた。いや、たぎってきた!


 そのまま、くんくんと匂いを嗅ぐ。

 それは甘く切ないお花畑の香り、まるでの光がさす大地に寝そべった時のような安心感と、胸にこみ上げる熱き情熱。草原を駆け回って体が熱くなった時に、意中の相手と出会うような感動が僕の脳に走る。


「おぉ! こ、これは。まろやかな中にコクと甘みが鼻の中に広がっていくぅぅぅ!」


 足先から股へ、股からお腹へと進んでいく。


「はぁ、はぁ、はぁ。も、もういいよね? ちょ、ちょっと、ちょっとだけだから。ね?」


 すると少女は、


「……にゃん」(きゃ)


 肯定だな。(暗黒微笑)


 そろ~っと舌を出して、『ぺろ』っと舐める。


「うぅぅううう、い、生きててよかったぁぁぁ。ママン! 生んでぐれてあ゛り゛がどぉ゛ー!!」


 おんおん泣きながらもペロペロする、下からはにゃんにゃんしていた。


 今までの人生にコレほどまでに僕を生んでくれた母親や、この大地に感謝したことはなかっただろう。


 そして僕は秘境に、鼻を踏み入れる。

 これ以上の侵入を阻むように抵抗する胸に巻いた布。僕はそれを押しのけるように鼻で押していく。


「ふんぬ! ふんぬ! ふふうんぬぅ!!」


 そして、とうとう……、


『スポン!』と布が脱げていった。


 僕はプルプルと震える。


「こ、これが! 桃源郷とうげんきょうか……」


 いま、初めて万物のことわりが分かった気がする。

 そうだ、僕は賢者になったんだ。――いや、元の世界でも賢者だったな。


 このピンク色でおいしそうな、TIKUBI!


「Oh Yes! OH!! YESSSS!?!?」


 僕は覚悟を決めて、少女を見る。


「いいよね? お嬢さん」(きらん)

「にゃ……にゃん」(てれ)


 すると、顔を真っ赤にした猫耳少女が、頷いた。


「い、いいぃいぃぃいいぃたぁだきますうぅぅ!!」


「じゅるる! じゅるるるるぅぅ!!!!」


 今まで生きてきた人生の中でこれほどまでに、吸う。という行為をしたことがあっただろうか?

 いや、無い。無かった。だが! 今までのしてこなかった分をココでしゅるるぅぅ!!


 無我夢中でむしゃぶりつきながら腰に手をかける。

 しかし、そこには何もなかった。


「ッハ!? すでに全裸だった!?!?」


 もう、ここまできたら最後まで行くしかない! いや、イクしかない!!


 少女の甘くて切ない味のする足を持ち上げて、自分の腰をあてがう。


 ――そして、気づいてしまった……。


「ぼ、ぼくの。ぼ、僕の息子すてぇふぁにーが立ってない……だと」


 そうだ、今思うと、頭は沸騰しそうなほどにたぎっていたのに、その情熱的なカルマが僕の下半身には来ていなかった。


「も、もしかして。異世界へ来た弊害……?」


「たて! ……立つんだ息子じょー!?」


 僕は右手で何度も何度も蘇生させようとしたが、反応は無かった……。


 それに、蘇生活動中の行為に対して頭が痺れても、息子まっくには痺れも、奮い立つ血潮も、何も感じなかった……。


 あ、なんか触ってる。


 って感覚だけだった。



 ――僕は立たなくなってしまった息子おりばーを股間に、一筋の涙を流した……。


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