すべては店長のために編①
前の店の班長と喧嘩して辞めた僕だが、パチンコ屋の社員には未練があった。
月5回の休み。月収24万以上。
その規定のものを、未だにもらっていない。もう新店はコリゴリだ。
そうだ!ずっと長い事続いている店なら、システムが確立されているはず。
それも大手のチェーン店なら、きちんとした規定で働かしてくれるはずだ。
純粋にお客さんの対応、ドル箱の上げ下ろしの業務で問題なく働かしてくれるはずだ。
そして某チェーン店のパチンコ屋に面接を受けに行き、即採用になる。
まず本社で面接を受け、その後勤務する店の店長に挨拶に行かなければならなかった。
履歴書をもってそこの店の店長を訪ねる。
事務所に通される。
年齢にすると50歳前後かな?白髪混じりだが常に眉間にシワがよって気難しいそうな店長と対面する。
「うちの店で一番厳しく言ってる事がある。何かわかるか?」
「何でしょう?」
「挨拶と時間や!」
挨拶を必ずするということ。
遅刻をするなということ。
社会人として当たり前の事じゃないか。
すでに芸人として、何度も業界の掟として言われ続けてきた事でもある。
芸人はもちろん、社会人としても遅刻したことはない。一度も。
「はい。わかりました。」
そう。当たり前の事を守っていればいいんだ。
前の店のような店ではないだろう。
そう思っていた。
その掟、その怖さを、僕は身を持ってしる事となる・・・
すべては店長のために編、の始まりだった。
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