新店立ち上げ編その②
そのお店はパチンコ台、椅子は設置されていたが、まだまだ新装開店前。
さまざまな物を運び込まなければならなかった。
更衣室のロッカー、事務机、立ち灰皿、ゴミ箱etc.
パチンコ屋は早番勤務、遅番勤務の2交代制が基本だ。前に勤めていた店もそうだった。
早番が9時から17時まで
遅番が17時から23時過ぎまで。
基本7時間勤務だった。
しかし、新装開店前のお店にそんなものはない。
朝から備品や機材の搬入を行い、昼過ぎから新人スタッフの研修。
さらに夜には機械の搬入、メンテナンス。
7時間勤務どころか、気が付くと時計の針はてっぺんを超える事がざら。
そして次の日も朝からである。
新人スタッフの研修は想像を絶した。
パチンコを知らない人間に、パチンコを打たさず、パチンコを理解させ、
そこから、パチンコを打つお客さんの対応を教えなければならないのだ。
わかりやすく言うと、携帯を持ったことのない人間に、携帯の使い方仕組みを教えて、携帯ショップで働けるようにしなくてはならないのと同じ。
しかもほとんど未経験で、高時給に釣られて来た、少し頭の弱い者が多く、説明して説明しても説明しても説明しても
はぁ~。はい~。
絶対わかってへんやん!!
ってな事の繰り返し。
その研修中も時給が発生しているため、僕らはやっきになって教えるが、半ば時給を拾いに来ている人間も多いため、そいつらとの攻防は熾烈を極めた。
日を増すごとに、人が少しずつ辞めていくのだが、さらにそこに面接して採用になった新手を放り込んでくる!
そいつらにまた1から説明しなきゃならんし、今まで教えてた人間には、さらに教えなあかんし!
そして1ヶ月、僕らは朝から晩まで働き、本当に一日も休めなかった。
これも無事店がオープンしたら、緩和される。そして休める。
そう思っていた。
そのために毎日頑張っていた。
しかし、新店のオープン。
それは全ての始まりだった。
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