新店立ち上げ編その①


結構な長編になりそうな気がしてきました。僕の半生を書いてるのと一緒ですからね。しょーもなー。言わんとお付き合いお願いします。


新しく新店としてオープンするパチンコ屋に僕らは採用になりました。

まだオープンしてない店内に入ると、僕らと同じような採用者約60人!がごった返ししていた。

おそらく面接してほぼ全員採用になったのだろう。

僕と同じように他のパチンコ屋で働き、見切りをつけてこっちに来た人間も大勢いた。


まずその新店の店長、マネージャー、主任、班長が自己紹介してきた。

そこのお店はすでにオープンしてる既存店から新たに出店してきているので、そこから転勤になって来た人達だ。


新店だから上下関係がないなんて嘘。

すでに上司はいた。

しかも全員、半分ヤクザのような強面の人らだった。


そして集まった60人を、社員希望、バイト希望に別れさせる。

約三分の一が社員希望に集まった。

さらにそこから経験者、未経験者に振り分けられる。

そこから経験の年数五年以上のものが、社員のリーダー候補として選ばれる。

僕はその中に選ばれた。

有頂天になった。

社員よりさらに給料が高い、社員のリーダーからのスタート!

そこからさらに話は進む。


「ここは新店です。君らはここのリーダー社員候補。これからこの従業員の教育と指導、研修を全てやるように。」


えっ?こんなけたくさんの人間の指導?

全くの未経験の集団の研修?


さらに話は進む。

「はっきり言って店長、マネージャー含め、4人しか既存の社員はいません。君らでこのお店をゼロから作り上げてください。無論、下の人間が育たないと、休みもとれないのでそのつもりで。」


雲行きが怪しくなってきた。

パチンコ店にして、400台以上の大型店、未経験者多数、管理する社員数人。

ゼロからのスタート。

その指導、研修準備が僕らの仕事。

未知の仕事だし、今まで自分が頑張れば何とかやってこれたけど、また違う職種。

しかも、休みがとれないって何?

嘘でしょ?

冗談でしょ?

そんなん言ってて、実は休めるんでしょ?


そして未経験の人間40人を改めて見直した。

あれ?さっきより減ってる?


気のせいではない。

僕らがリーダー社員の話をしている間に、何かお店の雰囲気を感じとって、本当に数名、帰ってしまったのだ。

なんじゃそら?


新店は上下関係がないなんて嘘。

それは今から始まる、血の滲む壮絶な新店立ち上げの幕開けだった・・・

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