赤の大捜査線編②

翌日、閉店後祈るような気持ちでホールコンピューターの締め処理を行う。


今日は大丈夫だろう。

しかし、その思いは裏切られた。


誤差玉-7800


増えてる!昨日より誤差玉が増えてるじゃないか!


店長が激怒する。

「どないなっとるんや?配線チェックしたんとちゃうんか?」


「・・・いや。何が原因かちょっと・・・」


「他店の玉を持ち込まれてるんとちゃうんか!!」


誤差玉がマイナスということは、そういう事だ。配線や機械に問題なければ、物理的に玉を持ち込まれたか。


しかし、ドル箱一箱で約1500玉である。

昨日の誤差玉が-3000なら、ドル箱二箱分。

今日の誤差玉が-7800なら、ドル箱五箱分である!


どんなデカいニッカポッカのようなズボンのポケットにも、そんな玉、入らないだろう。

物理的に不可能だ。


「もう一度、チェックさせて下さい。」


やはり、機械トラブルの可能性を否定できなかった。


閉店後、百玉ずつ玉を数えて、パチンコ台1台ずつ流していく。


玉を多く払い出している台があるのではないか?

百玉流して、二百玉計数している台があるのではないか?


昨日より入念に一台、一台チェックしていく。


終わったのは、やはり深夜3時過ぎ。


全パチンコ台チェックした。

全ての台が、百玉入れたら、きちんと百玉計数した。


店長が叫ぶ。

「もう、大丈夫なんやろな?」


「はい。7000玉以上も玉の持ち込みは考えにくいので・・・」


翌日、営業が終わってホールコンピューターを締めると、


誤差玉+800玉。


よし!正常だ。

きっと機械トラブルだったに違いない・・・


そう、安堵のため息をついた。


さらにその翌日、事態は急変する!!


締め処理をした僕は、絶句した。


・・・誤差玉

-12000!!!


な、なんだこれは??

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