不毛地帯編②

不毛地帯編。


その店はアルバイトのルールも存在していなかった。

遅刻欠勤はしまくるし、当日欠勤しておきながら、つぎの日出勤ではない日にやってきて、「間違って来ちゃいました。」とか平気で抜かす。


パチンコ屋は画面に玉が引っかかっると、従業員がサービス玉というのを1個か2個入れる(これも店により違う)のだが、その店はバイトが玉を手に一掴み好き勝手に20個くらい入れる。

「なんでそんな事すんねん!」

と、聞くと、

「お客さんが喜ぶんで。」

と、抜かしやがる。

そりゃ百個でも二百個でも入れたら、もっと喜ぶわい!!(>_<)

お金を扱っているという感覚もゼロ。


ある男子アルバイトがお腹痛そうに、トイレに駆け込む。そして用を足して出てきた。

僕もその後に用を足そうとトイレに入ると、個室が2つあるのに、2つともトイレットペーパーがゼロ!

そのバイトを捕まえて、「さっき、トイレットペーパーなかったんちゃうん?」

と、問いただすと、

「あ、紙、なかったんで、ウォシュレットの水圧でお尻流しました。」

と、抜かしやがる。


思わず蹴り上げて怒った。

「てめえの事はええねん!次に使うお客さんの事考えたら、紙補充するやろ!なんでそのまま、出てくるねん!お客さんもウォシュレットの水圧でケツ流すんか!」

従業員としてでなく、一般人としてモラルの欠落している人間が多かった。


これはいかんと思い、社員の班長にあたる人に直訴した。

「このお店のバイトは本当にやばいです。指導を徹底的にやらないとダメです!」


「そうやな。俺もそう思っててん。」


「いや。本当に本当にまずいですから!」


一時間くらいバイトの悲惨さを説明し、僕もバイトを怒りとばしていくんで、指導教育していくので。と、話して終わりかけたころに、


「俺もやるわ。」


と、言ってくれた。しかしその後に、


「俺、今月で辞めるねんけどな。」


吉本新喜劇なら、派手にずっこけているとこだ。


あんた辞めるんかい!


ここは社員も続かない。不法地帯。

僕が転勤させられた理由がわかってきた。

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