不毛地帯編①
不毛地帯編。
転勤になったお店は少し大きく、パチンコスロット合わせて300台前後の店だった。お客さんは少なかった。そして働いているスタッフはもっと少なかった。
働いて数日でわかった。
お客さんがやりたい放題。
台叩くわ、蹴るわ、かけもちしまくるわ、それを気付かないスタッフ。気付けないスタッフ。
そこは持ち玉移動禁止の店だった(お店によりルールが異なり、現在はほぼOKの店が多い)のに、
そんな事守ってるお客さんなんか誰もいない。好き放題移動しまくってる。
まず最初にスタッフに聞いた。
「ここ、持ち玉移動禁止の店やろ?」
「・・・さあ?」
お前じゃ話にならん!
少しベテランっぽいスタッフに聞いてみた。
「持ち玉移動禁止なんやろ?」
「・・・みたいですね。」
なんやねん!それ?
お店のルールを遵守しているお客さんもいなければ、それを注意するスタッフもいない!わかっていても注意しない!
一人許されれば、まともに守って打っているお客さんもバカらしくなる。
ふと見ると、並んで打っているカップルが玉の移動をしていた。
「すいません、玉の移動はダメなんです。」
と、言うと
「えっ?ペアシートやで?」と言う。
ペアシートとは当時、カップルのみ並んで打っている状態でお店に伝えて、玉の移動がOKになるシステム。もちろんわかりやすいように、そこに札を差したり、椅子カバーを付けたりしなければならないのだが、そんなものもなかった。
スタッフに聞く、
「ここの店ペアシートあんの?」
最初のスタッフ
「・・・・さあ?」
お前はもういい!!
次のスタッフに聞く。
「ペアシート??あるって聞いた事はあります。」
なんやねん!どないなっとっねん!この店!
そしてその店の班長にあたる人に聞いてみた。
「この店、ペアシートあるんですか?」
「・・・みたいやね。」
ずっこけそうになった。
もう、初日から開いた口が塞がらなかった。この店は、ルールがないんかい!
あってもスタッフ把握してない、社員も重要視してない。
お客さんの無法地帯と化していた。
北斗の拳の世紀末の世界。
この店に、もはやルールなど存在しない。
なんで。なんで。こんな店に来てしまったのだろう。
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