第8話 ガチンコ勝負!
実況アナの絶叫に困惑する。
〔ん!? なんだ?〕
そこで前を行く仲間のドラゴンが急に右斜め上に向かった。それに合わせて自らは進路を左に取りながら急上昇する。そして後ろの2頭はというと、ぱっと左右に分かれて高度を下げる。その結果、我々の隊列はちょうどドラゴン・ゲートの四隅に散るような形に変形したのだ。
<あーっ! 何ということでしょう! これはもしかして、いやもしかすると!>
実況アナが騒いでいるようだが何のことだかさっぱり分からない。ゲートを潜るのに一列ではなくて四方に散る意味が理解できない。すると今度はドラゴンの飛行速度がガクンと落ちた。突然の減速で身体が前に放り出されそうになる。
〔ちょっ! なんでスピード落とすんだよ!〕
せっかく先にゲートを通って後続を引き離すチャンスだというのに、なぜ減速してしまうのか? けど、そう思った矢先、4頭のドラゴンが同時に180度方向転換して後方に向かって一斉に電撃を吐き出した! そこで『バリバリバリッ!』という音と共に青い稲妻がドラゴン・ゲートに向かって広がる。
<出たぁ! ここでデーニス勢の電撃が炸裂しました!>
四方から発せられた青いイナズマはまるで枝を広げるような具合でゲートの出口を塞いだ。そこにまんまと突っ込んでしまったポスト王国ラインはモロに稲妻を喰らってしまう。
<デーニスをマークしていたポストライン、これはたまらない! ゲートを抜けたところで次々と電撃の網に引っかかってしまったぁ!>
〔おお! 凄え! これを狙っていたのか〕
何という連携プレーだ。これはグッド・ジョブとしか言いようが無い。
<さらにさらに! ポストラインが電撃を浴びて怯んだところにグストラインが襲い掛かります! ああっ!! ここで1頭、落竜! なんとなんと3番人気のグマ・クウガの騎手が落竜してしまいました! これは二枚看板だったポスト王国の作戦に大きな影響がありますね? オーカーさん>
<え~ まさか二周目でエースが失格とは。これは大誤算ですな>
十分に電撃を浴びせたところで我々のドラゴンは再び前を向き、スピードを上げながら一列になった。
〔OK、OK。今のうちにアタック・ゾーンを抜けてしまえば当分は大丈夫だ〕
その目論見どおり背後からのプレッシャーは無い。後続勢はさっきの電撃でかなりもたついている。そこで再び自分のドラゴンが先頭に踊り出る。そして先頭を飛んでいたドラゴンが最後尾に回る。これでまたペースが上がった。
<ここでディア・シデンが先頭に変わります。これでデーニスが完全に抜け出しました! そしてレースの主導権を握ったまま曲線コースに入っていきます!>
この状態をキープしてこのまま二周目をクリアすれば上手く逃げ切れるかもしれない。ただ問題はスタミナだ。解説の人に言われてたのが本当ならこのディア・シデンはスタミナに不安があるはずだ。
〔その辺はちゃんと計算しているんだろうな……〕
どうやらこの身体はドラゴンの扱いに長けているという設定らしいけど怪しいもんだ。少なくとも無茶なスタートダッシュとさっきの攻撃でスタミナは随分消耗してしまったはずだ。しかもまた先導役になってしまったし……。
<デーニスから大きく遅れた二番手にはグスト連邦があがってきました。その直後にはジョイルス・サイデリア連合が繰り上がり、二枚看板の一枚を失ってしまったポスト王国は最後方になってしまいました。ポスト王国はこの後どう挽回していくのでしょうか?>
曲線コースに入ると周りの様子は激変する。右手はケーキ山の断崖絶壁が延々と続く反面、左手にはモコモコした緑が広がる。なので、こちら側は未開発の森林地帯だと思っていた。が、下の方にはケーキ山の輪郭に沿って一本道が走っていてそれに面して建物が並んでいる。その多くは白壁に赤い屋根の建物で、どの建物にも不釣合いに大きな煙突がもれなくついている。そして一周目の時には気がつかなかったが沿道には所々でこちらに向かって手を振る人の姿があった。
それを見て思い出した。
〔ところでミーユ達はどこでこれを見てるんだろう?〕
スタート地点にミーユの姿は無かった。ロイは調教師だから未だスタート地点で待機しているはず。問題はディノだ。もしロイが何者かに脅されているのならディノはどういう行動を取っているんだろう?
〔まあいいや。あんまり気にしても仕方ないや〕
とにかく今は少し余裕ができた。もうすぐアタック・ゾーンに入る。身体がチラリと後方を見るが後続の姿は無い。
<ここでデーニス勢がさらにリードを広げました! この調子でアタック・ゾーンを抜ければいよいよ最後の周回に突入します!>
そこで角のところをグイッと右に曲がる。すると同時に大歓声が下から突き上げてきた。
〔何だよこれ……〕
恐らく地元勢の独走に大観衆が沸いているんだろう。でも、ここからだとカラフルな人垣はピザみたいに見える。まるで人が具のようだ。
〔悪くないな。こういうの。初めてかも……〕
十数年の人生を振り返ってみても、こんなに注目されたことは無かった。幼稚園、小学校、中学は勿論、高校に入ってからも……。
すっかりいい気分になって手を振りたい衝動に駆られた。だけど、身体はまったく言うことをきかない。手綱を握り締めたままレースに集中している。
<素晴らしい! 素晴らしいフライトです! このまま行って欲しい。いや! 絶対にこのまま行くしかありませんっ! 絶対に負けられない戦いがここにはある!>
どうやら実況アナも私情が入っているようだ。そう言えば食堂でドラゴン・フライのことを教えてくれた親方もデーニス勢の優勝を期待してたっけ。
ドラゴン・ゲートが近付いてきた。ここを通過すればいよいよ最後の三周目だ。
〔よしよし。この調子で……〕
そう思った直後だった。大歓声のトーンが少し変わったように感じられた。なんていうか『ワー!』っていうのが『ヒー!』っていう風に。
その理由はゲートに接近した時に判明した。
〔あれ!? 何かいるぞ?〕
ゲートの向こう側に3つの塊。どうやらドラゴンみたいだけど……。
<なんとなんと! ポスト王国! 失格覚悟で待ち伏せに出ましたっ!>
〔は? 待ち伏せ? 反則じゃねぇの?〕
歓声が悲鳴や怒号に変わったのはそのせいか……。
しかし身体は意外にも冷静だ。
『やはりそうきたか……』
〔おいおい。ホントに予想してたのかよ?〕
ゲートとその先で待ち構えるドラゴン達がみるみる内に近付いてくる。
〔やべぇ……さっきのお返しを喰らうぞ〕
いよいよ覚悟した瞬間だった。前方のドラゴン達が力むような仕草。そしてその口から左右同時に火炎放射が飛んでくる。それにやや遅れて火の玉まで! 連続でこっちに向かってくる。
〔ひっ!〕
思わず目を背けたくなる。が、身体がそれを許さない。
『ハッ!』
掛け声と同時に身体が手綱を操る。(何の踊りだ?)と問いたくなるような動きだ。
〔熱っ!〕
間一髪のところで火炎を交わす。が、目の前をよぎる炎の熱気が浴びせられる。
〔うわ! 当たるって!〕
火の玉はまるで至近距離からドッヂボールの玉を投げ込まれたみたいに迫ってくる。
『クッ!』
辛うじてそれを右に交わす。が、2発目3発目と連弾が来る。右に左に重心を振って寸前で交わす。
〔ゲッ! 危ねぇって! クソが!〕
火炎放射に変わって他の2頭も同じような火の玉攻撃をしてくる。そのせいでほぼ同時に5、6発の玉に狙われる。これじゃ殆ど集中攻撃だ。まさに矢面に立つようなもんだ
『させるか!』
身体は手綱を左に引っ張りディア・シデンをゲートの柱に向かわせる。火の玉攻撃もそれを追うように方向を変えてくる。
〔お、落ちる! てか、柱にぶつかるって!〕
このドラゴン・ゲート、近くで見ると結構、柱が太い。電柱ぐらいかと思っていたら神社の鳥居ぐらいはある。
『ギー!』と、背後でドラゴンが悲鳴をあげた。振り返ると翼をやられた仲間の一頭が失速していくところだった。
〔マジかよ! さすがに避け切れなかったか……〕
そうこうしているうちに柱がすぐ目の前に迫ってきた。柱の下を潜らないとゲートを通過したことにはならない。右手には崖が接近している。
〔なにもそんな隅っこギリギリに突っ込まなくても……〕
身体がバッと身体を伏せる。と同時に頭上を何かが通っていったような感覚。
〔抜けた!?〕
ちゃんとゲートを潜ったのかどうかイマイチ自信がない。が、身体は身を起こして今度は手綱を右に引く。このまま敵の真ん中に突っ込むつもりか?
<ポストの猛攻を掻い潜ってディア・シデンがゲートを無事に通過しましたっ! しかしこのままでは火炎弾の餌食になってしまいますっ!>
その時、左手の後方から光る物体が数発、自分を追い越して敵陣に突っ込んでいくのが目に入った。どうやらそれは味方が発したもののようだ。
<デーニスも黙ってはいません! 雷矢で必死に反撃を試みます!>
〔ライヤ!? 電撃の一種かな?〕
味方の援護射撃は後ろを行く二頭からのものだった。見たところ大分、弱っている。恐らく最後の力を振り絞って自分を援護してくれているのだろう。
味方の反撃で敵の攻撃が分散した。
『今だ!』
クール気取りのこの身体がそんな風に大声を出すなんて! 珍しく熱くなっているようだ。
『行けっ!』
身体がディア・シデンの首をグイグイと押し始める。それに応えるように飛行スピードが上がる。まるでギアチェンジしたみたいに。
〔う……わ……〕
何という速さ! 顔面が波打つような爆発的な加速力!
<出ましたぁ~! ディア・シデンの雷身! これは物凄い加速力です!>
〔こ、こんなダッシュ力を持ってるなんて……〕
唖然としている間にも敵との距離が一気に縮まる。そして一瞬のうちに敵ドラゴンの脇をすり抜け、あっという間に敵陣の真ん中を突っ切った。
<ディア・シデンがぶち抜いたぁ! やった! やりました。これでポストの3頭は周回遅れで失格です!>
実況アナの言葉で理解した。周回遅れは失格なのだ。その結果、敵の攻撃はピタリと止んだ。
<ディア・シデンは何とかピンチを凌ぎましたね! オーカーさん!>
<え~ 二枚看板の一方を失ったポスト王国は独走だけはさせたくなかったんでしょうな。ここに3頭を残して何とか先頭を足止めしてギラ・アギトにチャンスを与えたかったということです>
ピンチは切り抜けた。しかし失ったものも大きい。仲間の3頭は皆ひどく傷つきレースから脱落してしまった。後方を見やると仲間達が失速しながら水面に降りていく。まるで花びらが散るように……。
<何という消耗戦でしょう! 残り一周、単騎になってしまったディア・シデンは果たして逃げ切れるのでしょうか?>
次の角を曲がればまた曲線コースだ。直接攻撃を受ける心配は無い。だが、さっきの超加速で確実にスタミナを使ってしまったはず。
〔あと一周……持つのか?〕
どうにも落ち着かない。追われる立場がこんなにもストレスになるとは知らなかった。
〔なんだかケツの穴がムズムズする……てか、こいつでもそんな反応するんだ!〕
相変わらず身体は自由にできなかったが、それはちょっとした発見だった。このダンというキャラクターは多分この漫画では人気キャラなんだと思う。強くてクールでイケメンとくれば読者人気もおのずとついてくる。恐らくこの場面も誌面上は格好良く描かれているはずだ。でも、実際は……。
〔ケツの穴に汗かいてるとか全然クールじゃねぇ~!〕
大笑いしたい気分だ。でも、舞台裏なんて実際はそういうものなのかもしれない。華やかに見えるTVの世界でも画面に映らない部分では色んな人間が色んなことで苦労してたりするものなんだろう。例えば、ニュースを読みあげる美人アナが実は水虫の痒みに耐えていたりとか……。
<いよいよレースは終盤です! おっとここで二番手集団のペースが一気に上がってきたか? いやいや! これは確実に差を詰めています! これは……まさかのジョイルス・サイデリア連合です!>
<え~ これは死んだ振りをしていたんでしょう。ジョイルス・サイデリア連合は戦いを避けることで無傷でここまできたということですな>
<ジョイルス・サイデリア連合は総勢5頭です! それに遅れまいとグスト連邦が必死にこれに喰らいついていく! その中には二番人気のドラゴ・スターの姿も見えます!>
『やはり楽にはいかないか……』
そう言って身体はディア・シデンの首筋に手の平をあてがい、その呼吸を読み取った。それでどう判断したのかは分からない。けど、何となく良くないことは理解できる。
〔まだラストスパートするには早い……〕
迫り来るライバル達の存在を背中に感じながら、いよいよ最後の角を曲がる。
<ディア・シデンのリードが無くなってきました! 先頭を追って二番手集団が最終コーナーになだれ込みます! そして最後の直線、最後のアタック・ゾーンに突入です! 果たして勝負の行方は!?>
もはや歓声は気にならなかった。焦る気持ちと不安で胸が苦しい。
<ジョイルス・サイデリア連合から5番のメルト・ライアンと10番のトーホウ・クランが抜け出した! 残る3頭はすかさず攻撃の態勢! ディア・シデンを狙っている!>
〔ちょ、1対5かよ!〕
最後の最後にこれか! 圧倒的に不利だ。
<ディア・シデン危ない!>
次の瞬間、すぐ横を何かが追い抜いていった。ヒヤッとした感覚。続いて上下左右の空間に白い物体が残像となって軌道を描いた。
『氷柱か!』
そう言われてみれば氷柱のようにも見える。それが幾つも後ろから飛んでくるのだ。ここも細かいステップでそれを交わす。が、その分、トップスピードは落ちてしまう。
<氷柱に続いて水連弾、さらには飛水刃が次々とディア・シデンを襲う!>
もはや完全にパニック状態。まるで化学実験と調理実習と体力測定を同時にこなさなきゃならないようなドタバタぶりだ。それでも身体は諦めない。ディア・シデンは神業的な身のこなしで攻撃を交わし続ける。
〔もうどうにでもなれ! てか好きにしてくれ!〕
こっちはもうヤケクソだ。
<残り200! 壁際からトーホウ・クランがスルスルと先頭に迫る! 並んでドラゴ・スターがポジションを押し上げてきた! 外からはメルト・ライアンの強襲!>
右斜め後ろから突っ込んでくる茶色いドラゴン。やや離れた左手後方からは黄色のドラゴン。後ろにも何か来ている気配。
〔畜生! もう一回あのライシンとかいうダッシュが使えれば……〕
もうディア・シデンにはスタミナが残っていないのか?
<残り100を切った! ディア・シデンの真後ろにドラゴ・スターが迫る! ああっ! これは狙っている! 前足の毒爪がディア・シデンの背後を襲う!>
〔冗談じゃねぇ! またかよっ!〕
一周目にグストの何とかって奴に喰らった引っ掻き攻撃を思い出した。
〔くそう! もうちょっとだっていうのに!〕
影が、恐らく敵ドラゴンの作る影がディア・シデンの首に被さってきた。それが領域をズズズっと拡げる
〔もうダメだ!〕
思わず目をつぶりたくなる。だが、身体がそれを許さない。カッと見開いた目からは絶望的なシチュエーションしか見えない!
〔アギョーン!〕
意味不明な心の叫びを発していた。と、その時、グルンと視界が回った!
〔なっ!?〕
青、黒、青、と一瞬で目の前の色が切り替わる。そしてクンッと前に飛び出すような感覚! 訳が分からない。
〔ちょっ、何が何だか……〕
突然、大歓声が耳に入ってきた。気がつくとドラゴン・ゲートを見失っていた。
〔やべ……コースを外れたのか?〕
ふと横を見るとライバルの黄色ドラゴンが並んで飛んでいる。右では茶色ドラゴンがスピードを落としながら後方へ流れていく。
<……勝った! 勝ちました! 巣晴らしい!>
実況アナが絶叫している。下のほうでは大観衆が熱狂している。何だか自分だけ仲間はずれにされたようでポカンとする。
〔……もしかして……勝った、のか?〕
全然そんな実感は無い。むしろ記憶が飛んで戸惑っているような状態だ。身体はディア・シデンの首筋をポンポンと叩いて声を掛ける。
『良くやったな』
どうやらレースに勝ったらしい。
〔俺だけかよ~!〕
ひょっとして何も把握していないのは自分だけなのかもしれない。スローダウンしながら飛行を続けるドラゴンの背中でトホホな気持ちになってしまった。
<信じられない逆転劇! いやあオーカーさん! いかがでしたか?>
<え~ いやいや。私もまさかあそこで宙返りをするとは思いませんでした。しかもドラゴ・スターを踏み台にしての再加速。ギリギリまで引き付けていたのはそれを狙っていたのでしょうな>
<ドラゴ・スターの攻撃をバク転で交わすと同時にその頭を踏みつけての雷身! ゴール寸前、首差で差し返しました!>
<え~ 私のライアンも一旦は差し切ったんですが、これはもう勝ったディア・シデンを褒めるしかありませんな>
<着順が出ました。一着はディア・シデン! デーニス勢としては12年ぶりの優勝ということになりました。二着にジョイルスのメルト・ライアン。続いて三着にサイデリアのトーホウ・クランが入りました。そして二番人気のドラゴ・スターはゴール寸前で落竜という結果に終わりました>
実況を聞いてようやく事態が飲み込めてきた。
〔本当に勝ったんだな。へへ〕
そこで一気にドッと疲れが湧いてきた。で、眠すぎて意識が飛ぶみたいに身体がぐらついた。
〔な、何でこんな時に!?〕
突然、身体のコントロールが自分に戻ってきたらしい。どうやらストーリーに強制参加はここまでのようだ。だが、このタイミングでバトンタッチされても困る。
「ちょっ! マジで無理! 落ちる!?」
慌てて手綱を握り、太ももに力を入れる。ついでに下を見て気が遠くなりそうになった。今更のようにその高さにビビってしまったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます