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雨の国

雨の国

朝陽遥

おすすめレビュー

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★★★
★15
5人が評価しました
本文あり
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本文ありのおすすめレビュー

  • 馳月基矢
    361件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    旅情と郷愁は、雨の音と死の気配にかたどられて語られる

    旅人の「私」が興を惹かれて訪れたのは、雨の国だった。
    人々は岩肌の崖に穿たれた洞窟に住み、滅多に外に出ない。
    雨に閉ざされて暮らし、年に数度の晴れ間は祝福の時である。
    食は採取と保存に依るため貧しく、人々は痩せこけている。

    厳しい環境に暮らしながら、人々はなぜその土地を離れないのか。
    残酷な風習によって生存の調整をおこなわなければならないのに、
    誰もそれに異を唱えもせず、改革を起こそうともしない。
    異邦人の目に、彼らの暮らしぶりは不思議で悲しく映る。

    架空の土地を舞台にした旅行記風の物語。
    会話らしき会話のないひっそりとした文章が、
    洞窟の中で声を潜めて暮らす風土を描き出す。
    不思議なリアリティに誘われ、情景が思い浮かぶ。

    • 2017年2月28日 15:26