第5話 「1万円」をくれそうな人は何をして稼いでいるのか 解説つき
【まとめ】大人って、どうやってお金を稼いでるんだろ?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
庶民ながら身近な「1万円」稼がせてくれそうなリストは完成した。
ケンタは考える。
さて、どうやって「1万円」稼いだらいいものか。
そもそも、自分のような庶民が、お金を稼ぐのはどうすればいいのか。
バイトなら、何を売っているのかは簡単だ。「時間」を売っているのだ。
しかし学校にバレるようなバイトはしないと決めたのだ。
「時間」以外の何かを売らなければいけない。(※1)
身近で金を稼いでいる人間をイメージしてみる。
学校の先生、予備校の先生、両親ぐらいか。
先生達の仕事はわかりやすい。知識を教えて、お金を稼いでいるのだ。
しかし高校生の自分にバイトではない形で教えることは難しいだろう。
教える以外の仕事をしている身近な対象は父だ。
父は会社員で・・・と、そこまで考えて
父はどうやって金を稼いでいるんだろう?と、ふと思う。
そうして、ケンタは、父の仕事内容に具体的な興味を持ったのが
初めてなことに気が付く。
お父さんの仕事、とやらを小学生の時に感想文で書かされたような気もするが
低学年の感想なんて記憶の彼方である。
そもそも10年も前の仕事と、今の仕事が同じであるとは限らない。
父も時給で働いているんだろうか。(※2)
月給を貰ってくるから似たようなものだろうか。
座って言われたことをしているから、お金を貰えるんだろうか。
庶民なケンタには、身近に仕事をイメージさせてくれる人がいないのだ。(※3)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【解説】
※1)時給で働く場合、需要と供給、規制で時給が決まります。ケンタの場合、
高校でバイトが禁止されているという条件は規制に違反しているので、
世間並より低い時給しか望めない、という状況があるわけです。
※2)正社員の給与は、決まった給与+残業などの時間給+交通費などの手当て
で決定されます。成果に応じて+される成果給という方式もあります。
※3)子供が親の職業を見る機会が少ないため、子供が将来どんな職業につきたい
のか、わかりにくくなっています。そのような反省から、キャリア教育や
職業体験などが盛んになっています。キッザニアが流行しているのも、
そうした世間の関心が高まった結果と言えそうです。
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