高校生が1万円を稼ごうと思ったら ～ ビジネス用語の解説つき ～

第6話 「１万円」を払う人は誰か 解説つき

【まとめ】　庶民の高校生って無力だ

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自分の何かに「１万円」を払う人はいるのか。

女子高生なら、まあイロイロとあるのかも知れないが、

容貌がいたって普通である男子高校生ケンタには

性的な意味で価値はなさそうである。

「１万円」稼がせてくれそうな人リストを見ながら、どうすればいいか考えてみる。（※１）

金持ちそうな予備校の友人にモノを売ることを考えた。

・・・ダメだ、自分の持ってそうなものは全部、相手が持っている。

モノを売る方向はありえない。

人の紹介、例えば女子の紹介はどうか。（※２）

無理だ。相手の方がモテる。

進学校に美人がいないとは言わないが、県立高校よりも私立高校の女子の方がお洒落に映る。

そもそも女子の紹介でお金がもらえるとしたら、よほどの美人を紹介しなければならない。

そして庶民の自分には、そんな知り合いはいない。

予備校の金持ちそうな先生から「１万円」稼がせてもらう方法はないか。

テストの採点とか、こっそり補助をするのはいいかもしれない。

ただ、授業の補助は専門の事務の人がいるし、採点業務は大学生のアルバイトがやっていると聞いたことがある。

高校生の自分が食い込むことは難しいかもしれない。

小さな予備校なら融通はきいたかもしれないが、大きな予備校では難しく見える。

それにプライバシーや個人情報が厳しく言われているとTVでも言っている。（※３）

自分のような高校生に、仕事を回すのはためらいがあるだろう。

庶民で高校生であるということは、こんなに無力なのか。

大人しく勉強してようかな、とケンタはまた哀しくなった。

ケンタはそこそこ賢いが、頭でっかちなので失敗イメージが先走り過ぎるのが玉に傷なところがある。（※４）

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【解説】

※１）友人や知人を相手に商売を広げていくことを「ネットワークビジネス」と

　　　いいます。関係性をお金に換えることは、大変に危険です。ビジネスが上

　　　手くいかなかった場合、関係性も失われてしまうからです。

　　　気をつけましょう。

※２）人材紹介業には、事業免許が必要です。

※３）個人情報保護法という法律で、個人情報については取り扱いが厳しく

　　　なっています。アルバイトの採点でも、誰の答案かわからない状態で

　　　採点するところが多くなっています。

※４）成功する起業家は、とにかく行動力がずば抜けた人が多いです。

　　　成功するまでは、うるさくて、はた迷惑な人だと思われることも多い

　　　ようです。ケンタは、庶民で普通なので、あまり起業家には向いていない

　　　のかもしれません。