第3話 「1万円」稼がせてくれる金持ちを探そう 解説つき

【まとめ】1万円でいいんだ!


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


庶民なんだから財産がない。財産がないから売っても稼げない。


資本主義の真理に気が付いたケンタは哀しくなった。(※1)


ケンタは思う。世間では中国人の爆買いとか言ってるけど、うちには全然関係ないよなあ、と。


たしかに金は金のあるところを回っている。

世界の金持ち企業が中国工場に投資し、金持ち土地持ち権力持ちの中国人が、より金持ちになって日本に爆買いに来ているのである。


庶民の高校生ケンタには、金持ちの知り合いがいない。

グローバルな金の流れには一切関われない、と気が付いてケンタは哀しくなる。


ケンタは、そこそこ賢い頭をしているので英語や中国語を将来的には使えるようになるかもしれないが、現在は受験勉強で忙しいので、それどころではない。


身近な金持ちはいないかなあ、とケンタは思う。


ふと、ケンタは気がついた。


別に、大金持ちを探す必要はない。

自分に「1万円」稼がせてくれる程度の金持ちでよいのだ。(※2)


それなら、庶民の自分にも探せそうだ。


ケンタは少しだけ「1万円」稼ぐ計画に希望を持った。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【解説】

※1)資本主義は、お金が多いほうがエラくて強い世界です。

   お金はお金を生み出します。お金持ちは、よりお金持ちになります。

   最近はピケティという学者さんが「21世紀の資本」という本を書いてます。


※2)自分が稼ぎたい1件あたりの金額を決めること。

   ビジネスの世界では「単価(たんか)」もしくは「目標単価(もくひょうたんか)」といいます。

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