むくわれないしあわせなしょうじょ

銀礫

きゃりーおーばー

あるひ、あるところに、それはそれはかわいらしいしょうじょがいました。


ですが、しょうじょにはかぞくも、いえも、ともだちも、たべものもありません。


じゃあいままでどうやっていきていたのかって?


そんなことはどうでもいいんだよ。


しょうじょはそのひ、いちまいのかみをひろいました。



おとしものかな?



そうおもったしょうじょは、そのかみをこうばんにとどけました。


こうばんでしんぶんをよんでひまをつぶしていたおまわりさんは、さしだされたかみと、しょうじょのすがたをなんどもみさだめて、いいました。



えらいね。これはちゃんともちぬしにとどけるからね。




あるたくしーのなかで、すーつをぴしっときこなしたふたりのおとこのうち、えらそうなひとがいいました。



おい、こんしゅうはきゃりーおーばーしてるのか。



えらくなさそうなおとこがいいました。



はい。こんしゅうでごおくえんです。




あのこうばんのおまわりさんは、しばらくしていなくなりました。


そして、ちかくのこうきゅうじゅうたくがいに、あたらしいごうていがたちました。




しょうじょはまんぞくしていました。



ああ、あのかみを、ちゃんともちぬしにかえすため、おまわりさんにわたせたんだ、と。



しょうじょは、また「あるひ」をくりかえすひびへもどっていきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

むくわれないしあわせなしょうじょ 銀礫 @ginleki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る