Sechs Feeling

二日目 午前

2013/08/03　07:46

目が覚めた。ソファだったから少し寝違えた。ベット見るとナナの寝顔があった。昨夜の事は夢ではないな。もしそうだったら困るが。

そのまま痛む体を動かしてテレビをつけた。この時間は朝のニュースだ。

ただ、画面には、ナナが映っていた。

2013/08/03　07:58

報道の内容は、単純に言うと、ナナが「サトウ ケイコ」という名で全国指名手配された、というものだった。罪状は連続無差別殺人。

画面に写し出されるナナの顔写真を見ていると、後ろから物音がした。

2013/08/03　08:18

それは、ナナが体を起こした音だった。

そしてナナは、画面に映し出される自分の顔をみて………絶句していた。

どういうことか尋ねると、分からない、と答えた。

そのまま報道をしばらく見て、また答えた。違う、私はそんなことしてない、と。

2013/08/03　08:34

ナナが嘘をついているようには見えなかった。そして、この報道には不可解な点があると気づいた。

連続無差別殺人なら、なぜもっと前から報道がされていないのか。

その考えに至ると、昨日逃げてきたというナナと今日いきなり報道された指名手配、無関係だとは考えにくいだろう。

2013/08/03　08:47

ただ、全国指名手配的されるということはナナを探している機関は国家レベルなのかとか、そもそも実は本当にナナは人殺しで記憶がないだけなのではないかとかいろんな考えが浮かんだ。

ただもう考えるのをやめた。で、ナナを信じることにした。

それが一番とりやすい行動だろうから。

2013/08/03　08:52

その時、ナナのお腹がなった。そういえば朝飯を食べていない。さらにナナは、昨夜逃げ回っていたのだから、昨日の晩飯も食べていないと予想できる。

そこで、まず朝飯をとることにした。その時のナナはものすごく食べた。買い込んでいた食材がなくなるほどに。

2013/08/03　09:30

ナナが食材を食べきってしまったので、新たに調達する必要がでてきた。そこで買い物に行こうと思うのだが、ナナを連れていったら騒ぎになる可能性がある。

そこで、ナナにはお留守番してもらうことにした。食料の他にも色々買うから、長くなることを伝えておいた。

2013/08/03　11:23

スーパーのビニール袋などを提げてアパートまで帰ってきた。たくさん買いすぎたかもしれない。エレベーターがないため階段で5階まで上がらないといけない為、辛い。自分の部屋に戻ると、ナナがいた。逃げ出していないと言うことは、ちゃんとお留守番してくれていたということだ。

2013/08/03　11:25

昨日出会った人間を信用し、従うのは、不安なことかもしれない。しかし、これでお互いに信頼関係が築けたと確認できた。

その証拠に、ナナは今、こちらを向いてニコニコしている。玄関で。ドアを開けたらそこにいた。帰ってきたのがなんとなく分かったらしい。

2013/08/03　11:46

その後、これからどうするかについてまた話し合った。警察に行くという選択肢はなくなったとした。

ナナは、警察に殴り込みに行って敵のボスをやっつける、と言った。結構ナナは血の気が多いと考えられる。しかし、その意見は却下した。そもそも警察に敵のボスがいるとは限らないし。

2013/08/03　11:59

自分の意見が却下され、ナナはしょぼんとしていた。その時、インターフォンが鳴った。やっと来たらしい。ナナに誰が来たのか聞かれたので、昼ごはんのピザが届いたんだと言っておいた。

そのまま玄関の扉を開けると、そこにいたのは、警察だった。