Sechs Feeling

銀礫

一日目

2013/08/02 23:24

今、私の部屋の窓にやって来た何かから逃げている様子の女の子を匿っていて、どうして助けてくれるのかと聞いてきたので、人を助けるのに理由はいらない、と答えた。


2013/08/02 23:29

それでも彼女が反論しようとした時、外から複数の足音が聞こえ、私は静かにさせるため、彼女の口を押さえた。

その足音が去ったあと、少し気を許したのか、彼女は自らの事情を話始めた。


2013/08/02 23:55

彼女は、自分がとある機関によって第六感を人工的に開発されようとしている実験体であること、そしてその実験の苦痛さに耐えかねて逃げ出したことを教えてくれた。

私はその機関の名前を尋ねたが、彼女は知らないみたいだった。


2013/08/03 00:03

追っ手が去ったようなので、今まで消していた電気をつけた。すると、彼女は真っ白いTシャツ一枚の姿だった。確かに、今までは声だけで女の子と判断していたけど、予想以上の薄着で、少し目のやり場に困った。


2013/08/03 00:24

とりあえず、裸足で汚れていた足を洗わせ、私のジャージを貸してあげた。

そしてこれからどうするかについて話し合った。

帰る家はあるのかと聞くと、記憶があるときから実験体にされていたから、わからないとのこと。以前の記憶を消されたのだろうと予想できる。


2013/08/03 00:37

そこで、現実的な手段として、明日朝、警察に一緒に事情を話にいくということになった。彼女は、『警察』とは何なのか知らなかったが、この国を守る正義の味方だと言っておいた。ああ、ヒーローのことですねと言っていた。少し彼女の知識は偏っているらしい。


2013/08/03 00:49

話し合いが一段落ついたので、寝ることにした。彼女はベットで。そして私はソファで寝ることにした。

電気を消して、いざ寝ようとしたとき、重要なことに気がついた。お互い名前を聞いていない。色んなことが起き過ぎて忘れていた。


2013/08/03 01:26

電気を消したまま、私の事を一通り話した後、彼女が話した。彼女には名前がないらしい。実験体7号と呼ばれていたそうだ。しばらく考えた後、私は彼女をナナと呼ぶことにした。実験体の時と似ているが、呼ばれ慣れているから分かりやすいとのことで、承諾してくれた。


2013/08/03 01:30

本当に色んなことがあった夜だった。これからどうなるかは分からないが、たぶんうまくいくだろう。私は楽観視が得意である。

そのまま、彼女の寝息が聞こえた後、私もまた眠りについた。案外ソファでも眠れるな……。

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