第32話「パ-ティ・パ-ティ・バン・バン(後編)」

 虚ろな瞳の兵士達は顔を上に向けながら人形パペットの様にぎこちなく動きながら銃を乱射し、おくたは外見の年から思えない俊敏な動きで弾を時に躱し時にメンタル・ギアで受け止め艦内を縦横無尽に動き回る。


 鋼鉄製の扉や柱さえもおくたに掛かれば


金剛糸ダイヤモンド・ヤーン


 右手と左手両手から出したメンタル・ギアのヤーンは難なくチーズの様に全てを切り裂く、人さえも…床には大量の兵士達の血が溢れ何時も彼があるじの帰りを待って居る時のレッドカーペットの様に成って居る。ダダダッツと連続するガトリング弾の様な音がしおくたが避けると


「あら、この頃の執事は随分、凄いのですねそんな活躍するのは漫画ファンタジーの中だと思っていました」


『それは、其れは、ガールには教育が必要ですね!世の中には漫画ノンフィクションだって有るのですから!』


 飛び掛かると少女は無表情でガトリング弾を撃ちまくったが弾はおくたに当たる事が無い、何故なら彼が全て当たる前に弾き落としているからだ!


そうしている間におくたは少女の前に迫ると


『教育その一、悪い子は男女平等ジェンダーフリーパンチ』


 少女の顔面を思いっきりグーパンで殴るとベキベキとイヤな音をさせながら少女は艦橋の窓から飛び出し甲板の上を削るようにして叩きつけられ甲板に紅いラインを作った


『もう、それで終わりですかガール?全くこの頃は、ちゃんと何でも平等に接する時代が来れて嬉しいです』


 おくたは艦橋を金剛糸ダイヤモンド・ヤーンで切り倒して視界が見えやすくし少女を見下ろすと少女は薄青い髪を朱く染め滑走路で紅葉おろしされた顔左半分を左手で抑え


「終わるわけないじゃない!やっちゃえ!狂人兵士達バーサーカーズ


 右手を上げると甲板を突き破る様にして黒い軍用プロテクタースーツを来た十数体の特殊武装兵士達が現れおくたに襲い掛かった


「彼等は高性能のカーボン複合装甲のスーツを着ているわダイヤの糸でも切れないわ!やられちゃえ!」


『全く、持って、どうして人は何でも切って、撃って、叩くって思考しかされないのでしょうか?』


おくたは特殊武装兵士達の攻撃を紙一重に避けながら楽しそうに甲板の上で踊りる様に兵士達に触り


蚕之糸吐繭ワーン・ヤーン


 触られた兵士達は蚕が繭を作るかの様に包まれおくたはまた一体一体を蹴飛ばして海の中に落として行った


『本当は蒸して中の蛹を殺すのですが、今は緊急時なので東京湾に沈めて起きます。人間も蚕も空気がないと死ぬでしょう!』


最後の一人が触られると白い糸に絡まり芋虫の様に成った所でおくたに蹴飛ばされ東京湾に投棄された、少女は其れを見て後ずさりながら


「くっ…さっき、核融合炉の臨海を超える様に設定したわ!!もうこの東京!国も終わりよ!」


『煩い!教育その2、お喋りは口を塞ぐのがベスト』


「うーーうーーー(どうなってもよいの!)」


おくたは何時の間にか少女の頭を左手で抑え宙に浮かせると右手で口を縫い付けた


奥田おくたさん頼まれた依頼をして来たよ」


声の主は宙に浮いた幼女人形ヨウコ


「6つ有った核融合炉喰べて来たよ、凄いエネルギーが有って美味しかった。朝ごはん抜いてきて良かったですー」


おくたにVサイン向けている、幼女人形ヨウコは少女の方を見ながら


「ありがとうございます、お陰様で美味しいご飯核融合炉合法的●●●に喰べる事が出来感謝しています」


呆然としている少女へおくたの最後の無慈悲な宣告が行われる


『さて、暴走メルトダウンの可能性も無く成ったので、最後のお仕置きです!今後悪いことが出来ない様に肢体をもぎます!』


少女の腹をボールを蹴るように要領で宙に飛ばし上を見上げると


糸体切りヤーン・カット・ボディ


宙を舞っていた少女は白目に成りおくたの手の中に有ったが少女の肢体は無事で有った


『是位、操作対象パペットに命の危険を与えれば持ち主マスター反動フィードバックを恐れる為、操作を切るかと思ったらやっぱりそうですか…』


「もし、操作を切っていなかったら?」


『少女の躰はバラバラに成っていたでしょうね!でも、繋げる事は出来ます!』


「優しいのですね!」


『私は少女ガールには優しいのです、悪事をしたら愛の鞭を振るいますけどね!』


彼等は甲板に降り立つと騒ぎが終わった事を告げるかの様に自衛隊と米海軍がやって来た。


***


 多数の桜が舞い散る中で少年と少女は紅い灯篭が多数並ぶ神社への道を歩いている、此処は京都・貴船神社、縁結び神社としても有名で有り2世紀経った今でも恋を祈願するカップルが訪れている、時代の移り変わりと共に神社の絵馬やおみくじも進化し3D絵馬フォログラムエマ電子おみくじエレクトロニカル・フォーチュンと変化している。


『中々、階段多いねーマサ君』


「そうだね!ブラウさん、でもこのくらい深い森の方が情緒が有って良いと思うんだよね、この頃は何でもバリアフリー何てしちゃってこの間なんてね、富士山まで直通のエレベータまで造られたんだよ!僕の企業は断って碓か新虎シントラって外国の大手企業が受注したんだよー」


 そんなたわいもない会話をしていると遂に入口に付いた様だ、2世紀経ち更に荘厳な雰囲気をたたえ水神の神社の名前に恥じない様を醸し出し様々な所から水が溢れ出ている。

そんな中で少女ブラウはある物を見つけた様だ、今では珍しいペーパー媒体のおみくじでどうやら水を掛けると文字が浮き出る仕組みに成って居る。


二人はおみくじを買い本来ならば水占齋庭みずうらゆにわの札が置かれた水路で占いを見るのだが少女ブラウは我慢出来なかった様で喧騒く海神の槍さんざめくポセイドンを出し水で浸すと[大吉]と表示された。恋愛の所には[邪魔者有るが結ばれる]と書いて有り嬉しさのあまり喧騒く海神の槍さんざめくポセイドンを振り回しながら水を纏めては散らし虹を創った。

 アクアブルー蒼きドナウの髪に瞳に豊満な姿は水神アクア様が現れたと思うには十分で有りその様を見ていたお年寄りや一部の人達が少女ブラウへ何故か拝み始めている。少年カレの方は[大吉]と有ったが、恋愛の所には[適度関係で火傷どに注意]と[]の所が濃く強調され書かれて居た。


少女ブラウは水遊びを終えるとご機嫌に少年カレの腕を豊満な双丘で挟むと


『運動しちゃったらお腹減った、さっき来た所に美味しそうな有機栽培オーガニックの鴨鍋のお店あったから寄って行こうよー』


少年カレとのお出かけデートを楽しむので有った。


***


此方は東京湾に浮いているアメリカ合衆国・第七艦隊太平洋艦隊・旗艦新鋭核融合炉空母[バラック・オバマ]かっての堂々とした様は無く艇は傾き艦橋は無く戦闘指揮所CICが無い状態ではふねは既に浮いている鉄の塊バラックとかしている。

 おくたは既に海の上を薄い青髪の少女を連れて海の上を走っていった。本人的にく[片足が沈む前にもう片足を出せば沈まない]という220年前の漫画ファンタジー登場人物レッカ・イオウが言ったような事を本当に成し遂げ夕食の準備に間に合わせる為にペンタゴンへ、朱い少女ナナ幼女人形ヨウコも迎のヘリに乗って帰っていった。


海上自衛隊の隊員と米国海軍の兵士が其々の艦の甲板の上に呆然と立っている


『まさか、第七艦隊の旗艦があんな事に成るなんて…安全保証はどうするんだろう?』


「我が国のパワーを持って本気出せば!あんな船の一隻や2隻月産してやるさ!最終的には10倍返しで10隻くらい作ってやる!」


 呟いて居たが米国海軍兵士の思い通りには行かなかった様だ…その後、世間は何故、彼等が其処に集まる事に成ったのかを過去の事例を分析していく中である結論に達した!

パワー同士は引かれあい、イカレ合うそして多大な損害と犠牲が生まれると言う事である、其れは数多の犠牲を払った歴史の必然的な事象で有るが彼等は今までは目を覆い隠して来たのだ!

 だが、遂に自分達の目の前に忘れていたパワーの脅威を目にし遂に見つめ直し、戦争の世紀と云われた20世紀から2世紀半程掛けて西暦2230年人々はパワーの危険性を再度意識し始めた。其れがどういった変化を生むかは不明だ…

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