第31話「パ-ティ・パ-ティ・バン・バン(前編)」

『此方、東京湾です!アメリカ合衆国・第七艦隊太平洋艦隊・旗艦で新鋭核融合炉空母[バラック・オバマ]が何者かに占拠されてから、一夜明けました。先程、米軍特殊部隊のヘリと思われる機体が接近を試みましたが空母からのミサイルで撃墜されました』


「日本政府の対応ですが、[今回の事は誠に遺憾]であると抗議を上げると同時に占拠している集団へ即時無条件投降を求めています」


『各国の反応ですが、何れも求めが有れば必要な対策や方法を提案したいとの事です!』


「世界一位の付焼氏をティーパーティに招待したいという事について、政府は沈黙を守っています…」


 これ等の内容は少年カレペンタゴンの食堂のディスプレイから映像と音声と共に流れて居る、そして今日は学校が臨時休講である


「じゃ、お出かけティーパーティ行ってきますね!服とか変じゃない選んで貰ったんだけど?」


『イイエ、あるじ様素晴らしくピッタシ有って居ります、其れでは良いデートティーパーティを!』


後は任せた●●●●奥田おくたさん!」


おくたは深々と頭を下げながらあるじが出かけるのを見送った


***


此処は東京湾、何時もなら多数の船舶が移動を繰り返すが、今日は移動しているのは自衛隊のイージス艦と米海軍の艦艇のみである。だが、マスコミは空に海に近寄ろうと何時の時代も変わらない野次馬根性マスゴミセンスで詰め寄って居るが放水や艦艇の体当たりで阻止されていた。

 だが、ある新聞社の高速漁船が封鎖を抜けて空母に寄ろうとした時だった!ドゴォンと水柱が立ち高速漁船は海の藻屑と成った。まあ、230年前に変態新聞●●●●と言われ日本を貶めた新聞社に属する新聞記者マスゴミは海の藻屑と成っても問題は無い。

 話は逸れたが、空に、米空軍A-10サンダーボルトバリの変態装備を付けている4機のヘリに囲まれた機体が現れた。やがて、上空で空母を護衛していた空母のヘリや戦闘機が通路を作ると真ん中で護衛されて来た機体が空母に向けて降り始め四機の護衛機はペンタゴンへ帰路へ付いた。


 一方、空母甲板で彼は青空にギラギラと照りつける太陽を琥珀色の瞳で見ると眩しそうに左手を上げ、周りには屈強で有りながら虚ろな瞳で彼を見つめる海軍兵士達が列を造り出迎えた、彼の前に居るのは艦長らしき男だ


「キョウは、ティーパーティにキテクダサリり、アリガトウギザいます。付焼匡央ツケヤキマサヒロ様」


『ご招待感謝します、僕を招待してくださったマダムはドチラニ?』


「マダムなカンキョウでウェイトシテオリマス」


虚ろな瞳に呂律の回らない声で艦橋を指差した


 やがて彼は、艦橋に着くと其処には大きな机の上に白いシーツが引かれクッキーからチョコレートやケーキのアメリカ風味カラフル・アメリカの原色の色合いを引き出し一番奥のテーブルの席には喪服のベールを被った小さい少女の様な姿の人物が座っていった。彼はその人物と向かい合うように座るとその人物が口火を切った


「今日はようこそ、我がパーティへ、中々お口に合わない原色の菓子だけですがお食べに成って下さい」


『其れでは戴きますね、このケーキ凄いですね七色とか躰に悪そうです、実に興味深い●●●


彼が一口を入れると少女も同じ様にケーキをベールの中に入れた


『以外でした、毒も何も入れてない●●●●●●のですから』


「まあ、そうですね交渉をする前●●●●●相手を殺して●●●●●しまったら意味が無いですからね」


『で、御用件をお聞きしましょうか、お嬢さん』


「率直に言いましょう、エウロパ連邦欧州連合、第三王女のブラウ・フォン・エウロパから手を引いてください」


『ほう、もし手を引いた場合に僕が得られるものは?』


彼はフォークでブスリと差し少女の方へ向ける


「東京、イヤ日本の核融合の暴走メルトダウンから救うことが出来ます」


『もし、断ったら?』


「我が艦の持てる力を使い、日本中をこうします!」


その人物女が手を振ると、彼との間の壁が穴を空けボロボロに成りテーブルの上のケーキやクッキーが粉々に成りチョコビーンズが宙を舞った。彼は銃弾でボロボロに成った壁を見つめ、先端が無く成ったフォークをクルクルと廻しながらその人物の方へ向かいこう答えた。


***


場所は、変わって此処は京都の川沿いの喫茶店でデートティータイムをしている二人の少年少女が居る


『流石、日本の古都だけ有って美しいな!所で本能寺とやらはドコだ!一度行ってみたいな』


「ブラウさん、どうして君は本能寺に興味が有るの?」


『其れはだな!織田信長という女武将が天下統一前に死んだところだろう?何でも其れを妬んだ明比光秀という女武将が火を放ったと』


「まって、ブラウさん!織田信長は男だよ!」


『え、そうなのか!兄貴が良く見せてくれたゲームという奴では女武将だったぞ!碓か30万円注ぎ込んでも欲しいキャラが出ないからって運営をハッキングしてデータぶっこ抜いて居たぞ』


「お兄さん…其れは違うゲームだよ…」


『もしかしたら、将来お義兄さんになるかもしれないな!お、来たぞ』


 着物姿の女性ウェイターが抹茶ぜんざいを運んできた、淹れたてのお茶に自家製餡と白玉と桜の花びらが浮いている彼等が其々口に運ぶと


「『美味しいーー』」


 其れもそのはず擬似料理イミテーションフードでは無く有機栽培オーガニックで作られているからで有る因みに一杯は擬似料理イミテーションフードでは500円程で有るが有機栽培オーガニックだと桁が2つ上がり5万円と成って居る。


『はーい、マサ君、アーンして!』


「はい、アーン」


少女ブラウは白玉を少年カレの口の中に入れた


「次は僕が入れるよー」


 少年カレは雛の様に口を開けている少女ブラウの口に白玉を入れてあげるよく噛み締めた後に少女ブラウ情報端末リング出して


『此れを、あの子ナナに転送して』


悪い笑みを浮かべている、此方のほのぼのデートティーパーティーと逆の殺伐パーティはどうなっているだろう?


***


『だが、断るそして、死ぬがよい!』


 彼が言葉を返すと同時にその人物の額にフォークの持ち手が刺さり椅子に座った侭仰け反った、彼は急ぎその人物の元へ向かいベールを取り顔を見ると薄い青色の髪の少女の顔が有った。彼は知らないが其れは[ヤンキーラビット]の双子のシスターの方であり、彼が飛び退くと少女は額にフォークが刺さった虚ろな瞳の顔で笑顔を作りながら、人形●●の様にぎこちなく躰を動かしながら


「私が此処に来るとでも思ったのですか?死ぬのは貴方の方です、付焼匡央ツケヤキマサヒロ!核融合の暴走メルトダウンさせてやる!死ぬが良い!」


『其れを同じ言葉を返しますよ、我があるじが此処に来るとでも?解除レリース


其処には銀髪にオールバックに燕尾服を着、右目にモノクルを付けた人物が立っていた


「なっ!貴様は一体!」


『私こそ、付焼連合企業コングロマリット所属、執事ヴォルター奥田八兵衛おくたはちべえ、先程のは変幻自在糸エヴァーチェンジ・ヤーン、では、私はターン』


 彼が言いかけた時にバンバン●●●●と船の側面を抉る様な音がし急に艇が傾き彼は右手から出した糸でバランスを取った、その姿はまるで英国の騎士団と少佐率いる吸血鬼軍隊カンプグルッペが戦う漫画で出てきた執事ウォルターの様で有るが彼は奥田オクタで有り230年前の漫画●●●●●●●と今の現実●●を一緒にしては行けない。


『ああ、時刻通りですが…めっちゃ怒っておりません?奈々様?』


 新鋭核融合炉空母[バラック・オバマ]の側面は大きく穴が空き周囲は熱で熱せられた様に紅くなっており、すぐ傍の海の上には一人の少女ナナが両拳を見ている


「ブラウから送られて来た写真を見たら壁ドン●●●しちゃった…いくらあの時の件エキシビションマッチで出かける約束したからといってアーンされた画像を送って来るとは外道め!」


「お母さん、仕方がないのです。約束は守らないと行けません、では私は予定通り行ってきますねー」


 幼女人形ヨウコはフワフワと空を飛びながら内側に入っていくと、少女ナナの周りに戦闘機やヘリが現れ囲み始め両刃の刀を出し


「今の私は、イライラしているから人間だろうと何だろうと昇華じょうはつさせちゃうわ、死にたくなかったら逃げてね!」


 近くのヘリに海の上を飛ぶかの様に走りながら呟きながら一撃をくらわせるとヘリは真っ二つに成りながら灰に成って消え、少女ナナは獰猛な笑顔で次の獲物を探し始めた。

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