第30話「パペット・インシデント(後編)」

 此処は深夜とあるバー兼喫茶店の裏側、バンと音がし眩むような閃光が一面の視界を奪うのと同時に


「Go、Goゴー」


「USAアミーだ!武器を捨てて投降しろ!」


「武器を捨てろ!撃つぞー」


 屈強な完全装備の男達が建物の壁を爆破しながら侵入すると、ガチャンと何かトリガーを引く音がするとガガガッツと金属を撃つ音がする


「クッソ、何だアイツ等!見えないハズだろう?」


「其れにして、クソAiMだな新人の方がまだましだ!」


「此方βベータワンよりコマンダー01!敵勢力の抵抗を確認、此れより制圧を行う!」


『コマンダー01、了解した、幸運を!』


短い通信を終えると同時に彼等の数人が手榴弾グレネードを持ち


「「「手榴弾グレネード!」」」


 仲間に警告しなら投げるとバーのカウンター内に手榴弾グレネードは転がっていき閃光と爆音が辺りを制圧した


「よし、イケイケ」


隊長格の人物がハンドサインで指示を出すと部下達が突撃を開始した


「カウンタークリア!」


「キッチンクリア!」


「トイレクリア!」


「此方βベータワンよりコマンダー01!1階を制圧した、此れより2階の制圧を行っああ」


『コマンダー01、どうした?無事か?』


無線の後ろから聞こえるのは爆音と怒鳴り声だ


「此方βベータワンよりコマンダー01!大丈夫だ抵抗勢力が手榴弾グレネードを階段から落として来た!此れよりβベータツーによる制圧を開始する」


『コマンダー01、了解した!』


βベータワンチームは元から陽動、本命はβベータツーによる屋上からの強襲である


「此処のバー気に入ってたんだけどな」


「オーナーの双子の姉妹シスターズ可愛くてな」


「中学生だぞ!お前ロリコンか?」


「俺の娘も中学生でな、任務が多忙で相手が出来なくて此れは父性ファザーズ・ラブだセーフ」


『話はおしまいし!全員突入!』


隊長がハンドサインを出すとある者は天井に爆薬をある者は窓に閃光弾フラッシュグレネードを付けた


『突入!!』


天井から爆音と窓から閃光が走り彼等は突入した


***


 バンバンと音がし壁に穴が空く、かなりの激戦が続いている様だ、このバーはどうやら米軍お気に入りだけ有ってRPGにガトリングガン等のラインナップが豊富らしく潤沢に使ってきている。流石、本場の銃の国ガン・ストロングは恐ろしやだが、海兵隊員ネイビーはそんな事は中東では良く慣れているので問題は無く対応している、ただ此処は銃に厳しい日本で有る。


「「「「手榴弾グレネード」」」」


仲良く息が揃い、そぉい!と抵抗勢力が居る寝室に転がっていきやがて寝室ごと吹き飛ばした


『制圧!!』


隊長の声と同時に彼等は事前に決めていた場所へ向かった


「ベッドルームクリア、オーナらしき人物の死体を発見!」


「バス・トイレクリア!」


「ダイニングルームクリア!」


「キッズルーム…異常アリ至急来てくれ!」


 子供部屋から隊員が後ずさりしながら出て来、月光を後ろに中学生らしい小さい姿の少女が前に進む


『何が有った!』


「隊長アレ、アレ」


『報告はしっかり!…』


 隊長も言葉を失った、寝間着姿の月光を受け薄い青色の髪が光る神秘的で可愛い少女の姿と躰には大量の爆弾が巻き付けられ少女の右手にはスイッチが有った。彼等が中東でよく見て居た子供によるテロ仕様だが此処は日本だ!そんな光景はある訳が無いが、幼き少女は虚ろな瞳で首を傾け口から涎を垂らしながら


「うふふf・・ポチッと押すプッシュだけってお姉シスターちゃんが…」


右手を前に出し、次の瞬間にボタンを押した


『全員退避!!』


隊員達が全員窓から飛び降りると同時に二階から爆炎と夜空を舞い爆音が周囲の目を覚ました


『こちら、βベータツーよりコマンダー01、制圧は完了、抵抗勢力は全て駆逐した、此れよりβベータワンと合流して何か手掛かりが無いか調査をする』


「こちらコマンダー01、衛星からの画像を確認、派手にやったな!周囲を我らUSAで封鎖する、良い結果を待って居る」


連絡を終えると丁度、店の看板[ヤンキーラビット]が燃えながら外れ地面に落ちた。


***


「隊長此れを!」


『我々が此処に早々踏み込む何て思わなかっただろうな』


 彼等が今居るのは爆発して剥きだに成ったバー下の秘密の地下室に居る、部下の彼が手に持っているのは電子書紙データシートと情報端末で電子書紙データシートに映っているのは左目が琥珀色の少年カレと通学路のデータだ


『データ源は横田基地と成って居る、飛行経路・時間等と当日の基地の機体に乗るパイロットの名簿まで有る』


「隊長、此れも!」


『なんだ、次は』


 部下が手渡した電子書紙データシートには少年カレが居る学園の場所を示した場所の地図とある船の航路が書かれて居た。その船は、彼等のアメリカ合衆国・第七艦隊太平洋艦隊・旗艦で新鋭核融合炉空母[バラック・オバマ]であり太平洋上での演習を終えて横須賀海軍施設に帰投する際のスケジュールが詳細に書かれて居た。


『まずいぞ!次の狙いは此れか!此れを失ったら我が国は太平洋に置いて危機的事態に成る、早く連絡を…』


 隊長の声を消すかの様にゴゥット高速で何かが通過する音がし同時に天井を割り黒い鉄の塊が落ちて来た。次の瞬間に[ヤンキーラビット]の建物は破壊され中に居た隊員達と共に消滅した。


***


同時刻 新鋭核融合炉空母[バラック・オバマ]艦橋


「[ヤンキーラビット]のテキセイリョクノ消滅を確認シマスタ、マダム」


虚ろな瞳に呂律の回らない声で艦橋に居る人物に艦長の男は報告する


『現在位置は?』


「大島の東20kmの位置です」


『指定の攻撃対象への準備は出来ているか?』


「ハイ、マダム[トウキョウスカイタワーツー][シュショウカンテイ][コッカイ]」


『先ずは東京スカイタワーツーを破壊しメッセージを流す』


「ハイ、マダム、コウゲキカイシします」


 艦長の男が指示を出すと、双胴空母の甲板から最新鋭らしき全翼爆撃機が飛び立った。暫くして、艦橋のディスプレイには煌々とライトが付いている東京スカイタワーツーが映り、画面に攻撃アタックと表示がされると根元で大爆発が起こりタワー全体のライトが消え火花を上げながら、煌々とライトがつく街並みに落ちて行き大地に鉄の悲鳴を上げながら人々の碑銘を作っていく。

 開業2200年、東京スカイタワーの後継として建てられた東京名物の大アンテナは僅か30年にしてその活動を停止するに至る。同時に世界に平文が流される


『妾は、パペットマダム!現在、私はアメリカ合衆国・第七艦隊太平洋艦隊・旗艦新鋭核融合炉空母[バラック・オバマ]に居る!世界一位の付焼氏を我が艦のティーパーティに招待をしたいと思う!万が一来ていただけない場合は、核融合炉を東京湾にて暴走メルトダウンさせる!』


 世界中の全ての国へ驚愕の事実が流され同時に世界の目が此処、東京に向けられる事に成った。

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