第19話「葉刈りと整地」

 此処は旧観葉植物プランテーション部の管理地の建物内、アクアブルー蒼きドナウ色の髪の乙女ブラウ三叉槍トリアイナを振るっている。彼女ブラウが槍をひと振りすると伸びていた葉っぱ大麻草がポトポトと落ちスレンダーだが出ている所は出ている彼女ブラウが槍を振るう様は水の精霊アクアが現世に現れ舞をしていると幻想的な風景である。


傍らでは


「見えるぞ、私にも葉っぱ大麻草の一本一本が見える」


「ホラ、頑張って早く動いて草を一箇所に纏めて!邪悪な草達よ我が美しき筋肉の音色を鎮魂歌レクイエムとし圧縮されよ!この筋肉はみんなの笑顔を守るための力だ!」


 杜明日奈紅い彗星吉良大和プロテインが迷言を吐きながら落ちた葉っぱを牧草ロールの様に円柱状に纏めている。手順は、先ずブラウが葉っぱ大麻草水斬りウォータカッター杜明日奈紅い彗星が回収して吉良大和プロテインが圧縮しながら牧草ロールを作っている。

 既に広大な敷地に生えていた葉っぱ大麻草達は半分程刈られており、空いた敷地の所では両刃の刀を持った少女ナナが多数の並べられた牧草ロールへケーキを入刀する様に入れると一瞬で火がつき灰にしている。


 此等これら、切る・纏める・燃やすの完全廃棄プロセスが現場で完結し其れを監視している警察やメディア人物達が廃棄の過程をカメラで録画しているが何故此の様な現場で直ぐに廃棄する事に成ったのだろうか?


 其れを説明しよう、最初は此等のプロセスは警察関係者が証拠として預かった後に責任を持って廃棄する事に成っていたが今回の不祥事で廃棄予定の押収薬物●●●●●●●を横流ししたという事実も明るみに成り世論から警察の責任能力●●●●●に付いての疑問が噴出し、其処で現場で衆人監視の元で廃棄をしてしまえば良いだろうという事に成り学園の誇るファイブスター達が刈をする事に成った。


 後の二人は何をしているかのだろうか?まずは、緋色結衣ひいろゆい、彼女が燃やされ灰に成った大地を歩くと地面がボコンボコンと爆ぜ始め大地が鋤で掘り起こされた様に均一に湿った茶色に成り


「この、私にこんな仕事をやらせるとは…何時か殺す」


 何時ものセリフを吐き捨てながら後ろに居る少年かれに目をやる、少年かれが刀の柄に手をやると地面の深くに埋まっていた根っこが宙に浮きながら回転草タンブル・ウィードの様に集まり始めサッカーボール大の大きさに成ると少女ナナに向けて飛んでいき奈々に切られた瞬間に火球は灰に成っていく。


 さて、此れを見ている人物達の方を見てみよう


 ***


 此処は旧観葉植物プランテーション科の園内管理棟ガーデンコントロール室の中で二人の男女がカメラからの映像を見ながら話をしている


「なぁ、[ライター]?」


『何だ、[マネー]?』


「どうして、此の刈りと整地を生徒会とファイブスターが受けたのだ?」


『其れは、闘技場が前回の会長かれとファイブスターの闘いによって抉れてしまった為に校内戦の場所が無く成ったからよ』


 銀髪碧眼の少女はディスプレイを操作すると其処には隕石が落ちたかの様に大きなクレーターに成った闘技場を表示させた。


 そう説明しよう、前回のファイブスターズのメンタル・ギア・スーツ測定の最後で彼等が戦った為に闘技場は地下深くまで穴が空き使用不能に成ってしまったのだ!


 新しい施設を立てる時間も費用もまだ計上しておらず。其処で、適度な温度や状態に管理出来る植物園の大麻畑を刈り取って整地する事で闘技場兼運動場とした。

 尚かつ春の校内戦を恙無つつがなく遂行でき、場所取りでギクシャクしている部活間の関係を良くしようという一石二鳥の方策を考えたのだ。因みに、大麻畑の大きさはサッカー場3つ分の広大な敷地の為に、野球・サッカー・テニスといった各部活が喧嘩せず使える仕様に成って居る。


 ピンポーンと音が成り、少女ライターがディスプレイを見ると其処には同じ学園の制服を着た生徒が居り[通話]を押すと


「こんにちは、工作ワーク科です!ご注文の品を納入しに来ました」


『お疲れ様です、今、ゲートを開けるので指示書通りに搬入してください、私も其方に今行きます』


「了解しました」


 ヘルメットを被ったその人物はゲートが開くと乗っていた牽引式トラックを発進させた。


 ***

 

 広大な敷地に有った葉っぱ畑大麻畑は全てが刈り取られ翠で覆われていた地面は茶色の大地グラウンドに変貌したそんな敷地の真ん中で朱と蒼の乙女達が両刃ダブルエッジ三叉槍トリアイナをぶつけ合いぶつかる度に火花が散り、互いに紙一重の所で避ける時に回転運動をする様はまるで朱と蒼の巫女が地鎮際を行っている様な神聖さをも感じさせる。


「全く、二人ともどちらが先に会長に昼ご飯をアーンさせるっていうので争う何てね、ハーイ会長私の農場のプロテイン豚を使ったプロテインカツサンドよー」


「有難う、大和さん。お、美味しいね脂身が少なく引き締まったカツから溢れ出る肉汁が野菜とハーモーニーを産んでいるね」


「そうなのよ!毎日20km以上を歩かせて作るこのプロテイン豚は無駄な油や贅肉が付いていないわ、でも普通の人は硬いっていうわ」


 パンとキャベツ・トマトの間に挟まった厚く黒光りする歯跡が付いたカツをかのじょは見つめながら説明をしているが、此のカツは通常の人間に食べるのは難しい。何故かというとメチャ硬いのだ!どの位硬いかと言うとコンクリートブロック並に硬い、通常の人間ならガリッと噛んだ瞬間に歯がボロボロに成ってしまうだろうだが彼等が普通に食べられるは彼等が訓練された規格外ランクSだからだ!

一般人は間違っても食べては行けない。


 因みにこのプロテイン豚、少し知性が有り二足歩行し可簡易的な武装して居る。そして、農場入口には[狩っていいのは狩られる覚悟あるやつだけだ]という標語が掲げられ狩る。そして、最低でもAランク以上のメンタル・ギア資格ライセンスを持った人間が行う必要が有る。尚、高級品として毛並みの見事さを知った密猟者が完全武装で専用農場に侵入するが全員が返り討ちに合っておりむくろを入口に晒している。

 たまに、『オークじゃないか』と研究者を名乗る集団●●●●●や『知性が有る生き物を食べては行けない』とか愛誤トゥルーラブ団体がプロテイン豚が放牧されている所へ言いながら侵入し調査や開放をしようと入っていくが彼らも同じくむくろを晒している。プロテイン豚は脳みそまで筋肉の為に自分達の生活権に入って来るのは力試しの愛玩具サウンドバックでしか無く、彼等は良質なプロテインを貰えるプロテイン農場を離れようとは思っては居ない。


 また、仲間が狩られても彼等の認識としても[アイツは何故狩られたか?][筋肉的●●●に坊やだったからさ]的な感じで基本は弱肉強食な世界感を持っている為に何も不都合な事は発生はしていない。所で、そんなかのじょ少年かれが一緒に居るのを見て闘いながら少女達は少年かれに問う


「「会長!何をしているのかな??」」


「え、プロテイン豚のサンドイッチを食べているだけど」


「「大和さん、会長に変な食事で餌付けしないで下さい!」」


「そもそも、二人が喧嘩して会長かれを放って置くのが悪いわ!プロテインは血となり肉となるし変な物は入っていないわ」


「「!?」」


 かのじょの発言の後、少女達は目にも止まらぬ速さでブルーシートの上に戻り武器メンタル・ギアを仕舞うと開けっ放しの弁当を持ち箸を持つと少年かれの口に同時に入れ始めた。ただ、彼の様に世界一位で無ければ処理しきれない量で有り一般人なら窒息死してしまう詰め込み様で有った。


 そして、グラウンドの周りはトラックが止まると工作ワーク科によって移動式観覧席が取り付けられ始め、明後日からの校内戦の準備が最終段階に成り始めた事を告げていた。

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